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2017年04月14日
No.10000101

メビウス
ホール企業の新たな挑戦
アスティルホテル新大阪

ホール企業の新たな挑戦
建物の老朽化に伴い閉館していたパチンコホールがビジネスホテルとして生まれ変わった

「ビックディッパー」や「ニューキョート」の屋号でホールを運営するメビウス(京都府京都市)が今年1月、新規事業としてホテル経営を開始。大阪市に『アスティルホテル 新大阪』をオープンさせた。

『アスティルホテル 新大阪』は阪急三国駅から徒歩1分、三国商店街の入り口に位置する。もともとはメビウスが運営する三国会館というパチンコホールだったが、建物の老朽化に伴い閉館していた。以降の展開を検討する中、新大阪から車で7分、梅田から電車で7分とビジネスにも観光にも最適な立地条件だったため、昨今の情勢を踏まえビジネスホテルを建設した。

ホテルは6階建てで、部屋数は1 0 2室。部屋はモノトーンでクールな内装と、ナチュラルトーンの落ち着いた内装の2種。シングル、クィーン、ダブル、クアッド、ツイン、ユニバーサルと選択肢の多い仕様となっている。料金は6000円から8000円。



目指したのは「また泊りに来たくなるホテル」。立地条件が良いとはいえ、新大阪や梅田は宿泊施設の多いエリアだ。他法人との差別化を図るため男女別大浴場を完備した。このエリアで男女別大浴場を構えるビジネスホテルは他にない。

アメニティ面では、一般的なビジネスホテルに比べワンランク上の製品を設置することを意識した。各フロアにアイロン台やズボンプレッサーを用意するとともに、貸し枕コーナーを設置。部屋に備え付けの枕が合わなかった場合のために素材や固さの異なる5種類の枕を常備した。枕は人によって好みが異なる。「また来たくなるホテル」として大切な要素だ。

同ホテルの橋本英典支配人は、三国会館の元店長。同店の閉店後は東京地区の店舗に異動していたが、新規事業立ち上げに伴い支配人に抜擢された。今までホテルでの就業経験のない橋本支配人は3カ月間、他法人の総合リゾート施設で泊まり込みの研修を受けたという。

「ホテル事業は畑違いですから、布団やアメニティなど何を選ぶにも知識がありません。メーカー名すら知りませんでした。そんな状況でしたから、3カ月の研修で必死になってホテル経営に必要な知識を学びました」(橋本支配人)接客面では、パチンコ経営に携わっていたからこその強さもある。来店客一人ひとりの声を聞いて動くことに慣れているからだ。
 
「お客様からの要望には、できる限り個別に対応することを心がけています。現在のサービスの多くはそうした経緯で生まれたもの。臨機応変にサービスを変えたり追加したりするのは、ホール経験で培ったものだと思っています」(橋本支配人)

オープンから数カ月、稼働率は80%と上々だ。機転の利いたサービスが利用者から評価されている。



アスティルホテル新大阪
所在地/大阪府大阪市淀川区西三国3‐3‐7
部屋数/102室