No.10000271
デライト・コミュニケーションズ
ホールの外国人客対応
7つの基礎会話から
政府の発表によると7月に日本を訪れた外国人旅行者数は前年同月より16.8%多い268万1500人で、単月としては過去最高だった。
だが、4月‐6月の消費動向調査によれば、1人1泊当たりの「娯楽サービス費」支出はわずか598円で、「買物代」の8%程度にとどまっている。娯楽サービスコンテンツのアピールが不足していることも一因とみられる。
観光庁が16年8月から10月にかけて実施した「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」(2月7日公表)によると、訪日外国人が旅行中に困ったことは「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」が最も多く32.9%。
日本はまだまだ外国人とのコミュニケーションに大きな課題を抱えており、大きな機会損失が発生していると考えられる。
『ピーアーク銀座店』では数年前からインバウンド対応として英語が得意なスタッフが店頭で外国人客に積極的に声をかけ、遊技コーナーへ誘導している。
この取り組みをサポートしてきたデライト・コミュニケーションズの安藤博文社長によると、同店を訪れる外国人客は毎月増え続けている。5月には約500人が入店し、その4割近くが実際に遊技した。
「興味を持ちながらお店の外や入口あたりから様子をうかがっているときの、スタッフからの初期対応のひとことが最も重要。実は英語が得意でなくても場面ごとで使用頻度の高い言葉をいくつか暗記しておくだけで十分なのです」(安藤社長)
興味を示した外国人客には、あらかじめ用意してある外国語版の遊技説明カードを手渡せばいい。
デライト・コミュニケーションズはホール業界のインバウンド対応を支援するために、ホールスタッフ用の英語と中国語の学習用DVDを制作、6月にリリースした。このDVDでは映像と音声による解説に沿って繰り返し声に出すことで、7つの場面の英語と中国語の基礎会話を独習できる。
教材の冒頭で講師は、「外国人のお客様にはこちらから積極的に『ハイ!』と声をかけてみましょう」と説いている。そのひとことの積み重ねが、外国人の遊技体験者を増やす。「遊んでみた!」という外国人のクチコミが広がれば、パチンコがもっと注目されるはずだ。