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2018年06月26日
No.10000685

東和産業
ロボットスーツ導入
腰への負荷を最大40%低減

ロボットスーツ導入
ロボットスーツは玉計数の際にスタッフの玉箱の上げ下ろしをアシストしてくれる

「玉箱を持ち上げる際の腰への負担がつらい」。これは多くのホール従業員が抱える悩みだ。そんななか、東和産業(東京都)は労働環境の改善を図ろうと、装着者の動作を補助してくれるロボットスーツを導入した。玉箱を持ち上げる際に腰にかかる負荷は最大40%低減されるという。

『UNO』などの屋号で関東に26店舗のホールを出店する東和産業は今年5月から、従業員の作業負担の軽減を目的に、腰タイプのロボットスーツをグループ4店舗に2台ずつ、計8台を導入した。

このロボットスーツは、運動する際に脳から筋肉に送られる信号を「生体電位信号」として読み取り、装着者の動作を補助する。東和産業では2年以上前から、スタッフの労働負荷を軽減するためのロボット導入を検討してきたが、コスト面も含めてホールの実務で活用できるものがなく、断念していた経緯があった。今回、人材不足などの問題からあらためて探したところ、主に介護や作業支援などの目的で開発されたロボットスーツの導入に至った。

「アルバイトの面接に来られる方も、玉積みによる負担はどの程度なのかを気にします。これまでも玉積みの負荷がキツイという理由で辞めていくアルバイトスタッフもいました。会社としても、労働環境の改善は急務だと考えていたのです」と川口卓也部長は言う。

このスーツを着用することで、腰にかかる負荷が最大40%低減される。店舗で使用するのは、玉計数が増える夜の混雑時。ジェットカウンター前にロボットスーツを装着した専用のスタッフを配置する。

腰にかかる負荷が最大40%低減される

「力を入れるときに、後ろから腰を持ちあげてくれている感覚なので、力を入れる回数が減りました。蓄積される疲労は確実に減ります」と実際に使用しているスタッフは話す。

ロボットスーツは従業員の作業負担の軽減だけではなく、店舗での演出にもつなげている。導入当初はロボットスーツとともに近未来的なコスチュームをまとった従業員が遊技客を楽しませた。

「ユニフォームが目立ち過ぎてロボットスーツの存在感が薄れるので、コスプレは止めましたが(笑)。パチンコホールも時代に合わせて変化している、ということをお客様にもアピールしたい考えもありました」

充電式バッテリ駆動で電源コードが不要のため、通路の移動などにも対応できる。今後は遊技機の入替作業時にも活用していく。従業員からの評判が良ければ導入店舗を広げていく。

このロボットスーツの名称は「HAL®腰タイプ作業支援用」。開発したCYBERDYNE社は、大学の研究成果物で社会貢献するために設立された企業。腰タイプのHAL®は労働現場での作業支援として使われることが増え、現在は航空会社や工場など全国で約1200体が活用されている。