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2018年07月23日
No.10000736

エンタテインメントビジネス総合研究所
通常・低貸し半々層は新規則機に前向き
パチンコ・パチスロ プレイヤー調査

エンタテインメントビジネス総合研究所は6月、大規模調査に基づく報告書「パチンコ・パチスロ プレイヤー調査2018」を発刊した。今回のトピックとして規則改正後のプレイヤーの遊技意向を調べている。同調査は1995年から継続的に実施されているもので、今回はアミューズメントプレスジャパンとの共同調査として今年2月中旬に実施された。


規則改正後のパチンコおよびパチスロの遊技意向については、規則改正についての認知およびニュースなどの情報に接していた時点での遊技意向を尋ねる設問と、この調査の文中で提示・説明したスペック変更点を読んだうえでの遊技意向を尋ねる設問とによって、それぞれを調べた。


パチンコの場合、変更点の説明を読んでの遊技意向者率は「今までより積極的に遊びたい」と「今までと変わらず遊びたい」を合わせると34.1%で、ニュースを聞いての遊技意向者率(26.6%)より増えた。

パチスロの場合、変更点の説明を読んでの遊技意向者率は「今までより積極的に遊びたい」と「今までと変わらず遊びたい」を合わせると37%で、ニュースを聞いての遊技意向者率(30%)より増えた。

遊技機メーカー関係者向けに6月29日に開催された、本調査に基づくプレイヤー動向を解説するセミナーで、エンビズ総研の永井優志マーケティングプロデューサーは、「プレイヤーが規則改正後の遊技機に不安を持っていることは間違いないが、きちんと伝えることで遊技意向者は増えた」と説明。パチンコに関しては、スペック変更点の説明後にも「今後はあまり遊びたくない」と「パチンコをやめたい」を合わせた否定的な回答が5割近くある。これについて永井氏は、「強く『やめたい』と思っているというより、『どうなるんだろう』という不安感」と説明した。

パチンコ参加者全体で規則改正後のパチンコに遊技意向を示したプレイヤーの割合は前述の通り34.1%だが、主に遊技する料金タイプによってブレイクダウンすると、「4円貸し・低貸玉が同程度」層では51%と相対的に高かったのに対して、「低貸玉が主体」層では24.3%、「低貸玉のみ」層では24.4%にとどまった。また、遊技する目的意識によってブレイクダウンすると、「遊びとして」層だけが53.8%と相対的に高く、これ以外の層はおおむね同水準で28%~33%の範囲の中に納まっていた。

同様にパチスロについて遊技意向を示したプレイヤーの割合を見ると、「20円貸しが主体」層が56.3%、「20円貸し・低貸が同程度」が53.6%と他の層の2倍以上の高さだった。また、遊技する目的意識によってブレイクダウンすると、「遊びとして」層が51%と最も高く、2番目に多い「価値への期待も持つ」層より12ポイントも差をつけた。これ以外の「暇つぶし」層、「実利を強く意識する」層、「収入源として」層の遊技意向はいずれも約30%でほぼ同水準だった。

これらの結果から、プレイヤーの皆が悲観しているわけではなく、新規則遊技機の魅力を伝えることができれば、スペック変更を理由とした遊技離反の多くは防げる可能性があると考えられる。

ただし、本調査による遊技意向者率はあくまでも調査票によって規則改正時のスペック変更点を説明したうえで尋ねたもの。ホールでは顧客に対して新たな遊技機の魅力を伝える力の差が、稼働の差につながりそうだ。