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2020年06月23日
No.10001792

ホール企業の21年卒採用 コロナで一変、好機に
採用手段の見直しがカギに

新型コロナウイルスの感染拡大は21年卒採用にも大きな変化を生じさせた。一つは説明会や面接のオンライン化。もう一つは求人意欲の大幅な低下だ。前年までよりゆっくりとしたスピードで進む新卒採用は今後、どのようになっていくのだろうか。


来春入社の21年卒採用は、例年とは異なる様相で幕開けした。3月1日に解禁された合同企業説明会が新型コロナウイルスの影響で相次いで延期に。学生との接点がなくなった企業は、採用スケジュールを後ろ倒しにせざるを得ない状況になった。

就職みらい研究所の増本全所長は現在までの就職内定率の推移を、コロナ前と緊急事態宣言前後の3段階に分けて次のように分析する。

「コロナ前の段階では21年採用も人手不足が続き、2社に1社は計画通りの人数を採用できないと予測していました。危機感を持った企業もそれを見越し、早期の採用活動を計画。4月1日時点では昨年を10ポイント程度上回る就職内定率で推移しました。合同説明会をオンライン化に素早く切り替えつつ、この時点ではまだ、最終の対面面接ができていた企業が多かったのです」

しかし緊急事態宣言が4月7日に東京、千葉、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、福岡で発令され、16日には全都道府県へ。外出の自粛要請が出たことで最終の対面面接が滞り、5月1日時点での内定率が前年を下回った。

「現行の採用スケジュールとなった17年卒以降、就職内定率が前年同月を下回ったのは初めてです。4月中もオンライン面接は活発に行われていたようですが、『最終面接は対面で』と考える企業の内定出しが止まりました」

選考過程のただ中にある6月1日時点の就職内定率は、前年比13・4ポイント減の56・9%。


求人意欲に陰り

増本所長は「緊急事態宣言が解かれたことで、6月以降は内定出しが進むだろう」と話すが、帝国データバンクが4月に行った動向調査によれば、企業の人手不足感は急激に低下している。正社員が「不足している」と回答した企業の割合は、前年同月比19・3ポイント減少し31・0%に留まった。非正規社員でも同様の傾向がある。

業種別に見ると「娯楽サービス」は、「不足計」の割合よりも「過剰計」の割合の方が大きい。「過剰計」の割合は43・9%で、「旅館・ホテル」「飲食店」に次ぐ上位3番目だった。


人手不足感の薄れや人員過剰は、新型コロナ禍で業務が急激に縮小したことに起因すると思われる。ここに業績回復の遅れという要素が加われば、求人意欲はさらに鈍化していくはずだ。

多くの企業が新卒採用の在り方を見直す今こそ、これまで採用に苦戦していた企業には追い風になる。遊技業界に特化した人材サービスを展開するパック・エックス営業本部の中村祐希部長も、「ほかの業種が採用を抑制している状況ですから、ホールは採用の絶好のチャンス」と話す。

ホール企業からは以下のような声が上がる。

「短期的な業績が下がることは間違いないが、人の部分でコストを削減してしまうと企業の成長が止まってしまう。ここ何年間か満足な採用ができなかった分、今年は例年以上の人数を採用したい」(中部地区)

「過去を振り返っても、就職氷河期と呼ばれた時代ほど優秀な人材が入社してくれた。今年や来年は良い人材と出会えるチャンスになる」(関東地区)

では何をすればよいのか。パック・エックスの中村部長は、採用担当者の生産性を向上させるWeb活用の早期構築を提言する。

「今や学生も企業のWeb対応を会社選びの物差しの一つにしています。ホール業界でこれを構築できている企業は3割程度。早めの対応で一歩リードできます。Webで説明会や面接を行うことで、生産性を高めながら、学生一人ひとりにきめ細かな対応が可能になる。また、採用エリアを越えたアプローチができ全国の学生と接点を持ちながら採用を進められる。具体的な施策としては、訴求効果を高めるために、まず動画コンテンツの拡充が必要。また、採用担当者はWeb面接で学生の適性や意欲を判断するスキルと決断力を培うことも必要です」


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