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袴田泰規(チャイルドエンターテイナージャパン)
来店回数を簡単に増やせる最大の施策
それが来店ポイント制

どの業界でもやっている来店回数をあげる最大の施策。それが来店ポイント制です。本質を理解して実践すればすぐに成果が上がります。そのために3つの秘訣をマスターしてください。その第一回目です。
文=袴田泰規(株式会社チャイルドエンターテイナージャパン)
あなたのお店では、来店ポイント交換が常連客だけの参加のイベントになっていませんか? 来店ポイントの目的は、「顧客の来店回数を上げる」ことです。でもこの目的が忘れ去られ、常連客を満足させる戦術になってしまっているお店が非常に多いのです。常連客は毎月、決まった日数以上は来店してくれません。そのため、常連客を中心としたイベントになってしまっては、店全体の売上がいま以上に上がることはありません。つまり売上維持戦略となってしまうのです。
これを売上アップや増客という戦略に変えなければなりません。飲食店や小売業などでもポイントラリーを行っていますが、他業種とパチンコ店では使い方が全く異なってしまっています。パチンコ店では常連客のポイント交換参加率が非常に高く、来店頻度の低いお客様の参加率が非常に低いのです。そこで、「ポイント交換会では低来店比率客の来店数を上げる」と位置づけるのです。そうするとやるべきことは見えてきますね。
低来店頻度客の来店回数を増やすには、①魅力のある商品を、②早い時期に提案し、③お客様には商品欲しさ故にポイントを貯めていただき、④交換意欲を掻き立てさせる。こうすることにより低来店頻度客の来店回数は、簡単に上がります。ここで気をつけなければならない点として次の3点があります。
魅力のある商品
あなたのお店では、「日用品だから手に取ってもらえるだろう」といった考えで商品を選んでいませんか。実はこれ、野球に例えると消化試合をしているのと同じです。「顧客のポイントが貯まってきたから減らさなきゃ・・・」という発想では意味がないのです。
いままでポイント交換に参加していなかった人に、新たに参加してもらおうという目的を持っていないと、お客様側は「ポイントが貯まったから何か取ろう」という発想にしかなりません。でも日用品などどこでも買えるような商品では、新規のお客様を惹きつけられないことは誰でもわかると思います。飲食店で次回50円割引き券をもらっても、自分がその店の常連ではない限りまた行こうという動機にはなりませんよね。
1カ月前提案
例えば月に1回ポイント交換会を行っているとします。本来は、今回の交換会の時に、次回の交換会の商品提案をしなければなりません。でも多くのお店がそれをやっていません。ということは、今回の交換会が終わると、お客様の目標がなくなってしまうということですね。
多くのお店は、ポイント商品を1週間前に決め、告知をするという感じです。これではスタッフがお客様を口説く時間もありません。1週間前に商品のご案内をしても、現在1ポイントの顧客が10ポイントの商品を取ることは不可能です。だから来店回数が上がらないのです。でも次回提案をすることで、こんな目標が生まれるわけです。
「おと~さ~ん、来月こんな商品がポイントで取れるんだってー。いま3ポイントあるから、来月までに7ポイント(7来店)頑張ってねー」
これでおとーさん、それまでは月に5回ぐらいしか来店していないのに、頑張って7回来店します。イチコロです。次回開催までの期間にどれだけ口説けるのかが、来店回数アップの秘訣なのです
総花展開
最後に「総花」です。一番重要な秘訣です。この基礎的な考えがないと、何をやってもすべてがうまく行きません。「総花」は一般小売業では当たり前の言葉で、こんな意味があります。
「多くのお客様に恩恵(魅力)を与えること」
例えば、コンビニにお菓子が一切置いていなかったらどうなると思いますか。そうです、子どもが来ませんよね。子どもが来ないと親も来なくなり売上は下がりますよね。大手ファミレスでも、子どもからおじいちゃんにまで対応したメニューをきちんと用意しています。
「おーい、売り場が総花になってなくない???」
異業種ではこんな言葉が飛び交うのです。パチンコ店の遊技機でも同じです。「あの機種がないから行かない」というお客様も多いでしょう。つまり、顧客を取りこぼしてしまっているのです。顧客の取りこぼしをなくすためには、商品アイテム数が非常に重要なポイントになります。
スーパーやコンビニ、ファミレス、パチンコ店など、幅広い層の人々がターゲットとなる商売は、より多くの人々を集めないと成り立ちません。ファミレスでスイーツフェアばかりやっていたら、スイーツの売上は上がりますが、店全体売上は確実に落ちるのです。それを望まないお客様が来店しなくなるからです。
基本は全顧客に受け入れられる環境作りと商品構成。これが整っていない状態でターゲット層を絞り込んでも、あまり売上は上がりません。総花というのは、すべての人々を受け入れる体制の土台作りです。
これがしっかりしていないお店は、ミクロなターゲット層を絞り込んだ結果、ミクロターゲット以外の顧客が来店してもその顧客がリピートしてくれません。小売業などの総合店では、全顧客層に受け入れられる総花構成の品揃えにして、弱くなった部門は随時強化するというのが基本路線です。
来店ポイント商品も同じです。お客様に次回提案をしても、それが顧客にとって要らない商品であれば、ポイントを貯める行為をしなくなり、来店回数を増やすことができなくなります。
多くの人にそのフェアを受け入れてもらうためには、アイテム数が必要なのです。でも、多くのアイテムを毎回集めるのは大変です。だからどんどん小さなフェアになってきているのが現実ですね。
以上3つの秘訣をしっかり行った来店ポイント交換会では、来店頻度の少ない層の来店回数を上げることができています。
それも、スタッフの力だけで!!
他業種ではこういったことを毎回加味してポイントラリーを組み立てています。あなたのお店でも、これらを取り入れて来店回数のアップを目指してみませんか?
「あっぱれ2代目総付屋」公式サイト
https://www.soudukeya.com/
※第2回目は2月22日に掲載予定です。