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2021年09月13日
No.10002459

株式会社ゴルフ・ドゥ
純利益3.6倍の秘密は向上心を養う仕組みづくり

さくま・いさお 1974年生まれ。明治大学理工学部卒。 2002年ゴルフ・ドゥ入社。07年直営事業本部長、13年執行役員、16年取締役などを経て21年から現職。1男2女の父。ゴルフの腕前は80台。

【TOP INTERVIEW】
株式会社ゴルフ・ドゥ
佐久間 功 社長


中古ゴルフショップ『ゴルフ・ドゥ!』を展開する株式会社ゴルフ・ドゥは、今年3月期の連結純利益が前期比3・6倍の1億3800万円を計上した。佐久間功社長は、好調の理由を「コロナ禍でゴルフが三密を避けやすいレジャーとして支持を得たことや海外での日本人選手の活躍などで人気が高まったことも追い風になっています。そして、私たちの業績アップのための取り組みが実を結んだことも大きい」と分析する。

佐久間社長は、2002年に27歳でゴルフ・ドゥに入社。取締役直営事業本部長などを経て21年に代表取締役社長に就任した。

「入社後、直営店の店舗スタッフとして勤務。現場からの叩き上げで、店長、スーパーバイザー、FCコンサル、リーダー、本部長とキャリアを積み上げました。大学は理工学部で、卒業後はゼネコンに入社、現場監督として施工管理が主な仕事でした。理系の出身ですが、人と話すことが好きなので接客は苦にならない。中学の時から家族でゴルフをやっていたのとスポーツ全般が好きだったことも、転職の際ゴルフ・ドゥを選んだ理由のひとつです」

同じ接客業でも、他の物販業に比べ、ゴルフクラブの販売には専門的な製品知識が必要になる。クラブのことを詳しく知っている来店客も多いので、生半可な知識では対応できない。

「当時は素材にチタンが使われ始めた頃で、クラブヘッドの形状もいろいろなものが出てきて覚えることが多かったですね。打った時の感触も自分で体験してみなければわからないので、店舗内の試打スペースを活用して打ち比べてみたり、ゴルフが上手な人に教えてもらったりして、それこそ寝る間も惜しんで勉強しました」
 
マンダラチャート活用で
着実に目標を達成する


佐久間社長は、「常に向上心を持ち、先々を読んで行動すること」を心掛けている。その実現のために社長就任を機に、マンダラチャート※を活用した。真ん中には「良い経営者」という最終的に達成したい目標を、周囲にその目標達成に必要な「部下との信頼関係の構築」「給与・待遇の改善」などを、さらにその周囲に自分がどう行動すればいいかを書き入れていく。

「ずっと店舗での接客や営業畑で働いてきたので、経営に関しての体験的知識が多くありません。そこで、社長として成すべきことを明文化し、頭の中をすっきりと整理してから、『今日はこの3つに集中して実行する』といった風に行動していったんです」

マンダラチャートは、経営幹部にも勧め、それぞれの部署での経営効率アップのために役立ててもらっている。

「自分と関わり合いを持った社員全員に活躍して欲しいという気持ちが強く、そのための環境を整えることが使命だと考えています。お節介焼きと言う人もいますが、これが僕の性格なので(笑)」

常に向上心を持つことが、佐久間社長の信条のひとつだが、艱難辛苦を重ね目標を達成しようということではないと言う。「仕事をもっと楽しくする方法はないか、もっとお客様に喜んでもらえることはないかとポジティブに考えることで、経営効率のアップにつなげていく。それが向上心だと僕は思っています」。
 
新品同様のリユースが
新規ユーザーを掘り起こす


中古ゴルフショップ『ゴルフ・ドゥ!』の売上げの7割は、リユースしたクラブだ。新品クラブは2割未満で、その割合が3〜4割を占める他の中古ゴルフショップと差別化を図っている。店内に工房を設け、ヘッドを磨くなどのメンテンナスを丁寧に行い、新品同様の状態に仕上げてから店頭に並べる。

「リユースしたクラブセットは、3〜5万円程度で販売していますので、20〜30代のこれからゴルフを始めようというお客様のニーズにも合い、それが業績向上の理由のひとつにもなっていると思います。また、リユースは、SDGsの『12・つくる責任 つかう責任』を果たしていて、サスティナブル経営として社会にも貢献しています」

使い込まれていてリユースできないクラブは、通常廃棄してしまうが、『ゴルフ・ドゥ!』では、短くカットして子供用のクラブとして来店客に無料でプレゼントしている。

「子供用のクラブもそうですが、現場のアイデアでお客様に喜ばれた事例は、『ちょっと感動したいい話』として店舗間で共有して、半年に一度表彰もしています。こうしたアイデアはスタッフの感性から生まれるので、教育してできることではありませんが、参考にしてもらい、自発的な提案のきっかけづくりになればと思います」

 
自分で考え行動すれば
仕事はずっと面白い


『ゴルフ・ドゥ!』の店舗は、平屋で面積150坪を推奨しているが、それ以上の面積で商品構成を拡充し「コト消費」を付加していこうというのが『ゴルフ・ドゥPlus(仮称)』だ。この新業態は現在、実現の一歩手前まで練り上げていて、5カ年計画で10店舗を展開していく予定だ。たとえば店舗面積が250坪あれば、150坪を従来型店舗にあて、残り100坪をゴルフシミュレーターやゴルフスクール、カフェラウンジなどに使う。

「クラブを選ぶ楽しみだけでなく、(シミュレーターを)体験する楽しみ、(スクールに)参加する楽しみを提供していければ。若者や初心者が集い憩える場所を創造して、ゴルフ人口の底上げにも貢献していきたいですね」

コロナ禍であらゆる消費が落ち込んでいる中で、純利益前期比3・6倍は、やはり驚嘆に値する。従来型のFCが順調に出店、さらに新業態のプロジェクトが進行している状況は、飲食など他業種のFC本部からすれば、羨望の対象かもしれない。しかし、こうした躍進は佐久間社長が「常に向上心を持ち、先々を読んで行動することを心掛けてきたこと」の成果だと考えれば、当然の帰結なのかも知れない。

「部下に対しては、上意下達ではなく、一緒に仕事をするパートナーとして寄り添うことが大事だと思います。そのためには、彼らが前に進むために何が障害になっているかを僕自身がきちんと理解し、自力で乗り越えるためにサジェスチョンをするようにしています。こうしなさいと命令するよりも、向上心を養えます。自分の頭で考え行動した方がはるかに仕事は面白いですし、結果を残せますからね」

株式会社ゴルフ・ドゥ
本社/埼玉県さいたま市中央区上落合2-3-1
https://www.golfdo.co.jp/
FCビジネスサイト
https://www.golfdo.co.jp/fc/

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