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2021年10月05日
No.10002491

進むWeb広告革命
デジタルマーケティングの最先端に迫る

コロナ禍で高齢者層のユーザーの離反が進んだ結果、若年層から中年層の集客のためにデジタルマーケティングの重要性が高まっている。ホールにおける広告戦略が転換期を迎えるなか、どういった手法が必要とされているのか。最先端の事例に迫った。

導入店舗2000店舗超え
求められる広告のPDCA


ここ数年でWebやSNSを使ったデジタルマーケティングはパチンコ業界でも急速に普及してきた。そんななか、昨年8月にフィールズグループが提供を開始した集客最適化プラットフォーム「Optimize」(オプティマイズ)がにわかに注目されている。導入店舗は今年7月までに全国ホールの約4分の1にあたる延べ2000店舗に達したという。

日本社会全体で可処分時間や可処分所得の消費性向がどんどんWebに移行していくなかで、従来の集客手法からWebを活用した集客手法に的確にシフトしてきた法人や店舗は着実に結果を出している。以下で、オプティマイズが2000店舗から評価された理由を見ていきたい。

まず、どのようなホールがオプティマイズを導入しているのか。このシステムを開発したフューチャースコープの宮本琢志社長はこう語る。

「新型コロナ感染拡大の影響で高齢者がホールから離反していくなかで、これまでWeb広告を実施していなかった法人様と、すでにWeb広告を活用していても最適解にたどり着いていなかった法人様のふたつのケースがあると見ています」

前者はとくに高齢者層のユーザーが多い地方に顕著で、これまで新聞の折り込みチラシに頼っていた傾向が強かったホール。コロナ禍で高齢者層の来店が減少したため、ネットで情報を得る若年層へのアプローチが必要になったケースだ。

後者は広告宣伝の予算ありきで、その予算をどう使うべきかのエビデンスが不足していたケースだ。例えば、今月の販促予算が100万円だとすると、店内販促や広告媒体への予算の配分を考えることが仕事になり、それらを実施して仕事が終了する。

その結果、どの施策が有効だったのかを検証できないまま、次の月もまた同じ作業を繰り返す。つまりPDCAのP(プラン)とD(実行)だけを行って、C(チェック)とA(アクション)が抜けている状況になっているケースだ。オプティマイズが支持されているのは、こうした従来の広告宣伝の手法を抜本的に改善できることが理由の一つだ。

携帯電話の位置情報を取得
ユーザーの生活圏を表示


オプティマイズはフィールズグループが独自開発した 特許技術(※)を用いたサービスで、携帯電話の位置情報をGPSで定期的に取得している点が大きな特徴だ。このビッグデータを解析して、店舗が所在する地点に一定時間いたデバイスを、その店舗の利用者とみなす。そのデバイスを持った人が昼間はどこにいるのか、夜間はどこにいるのかでまでわかるため、見込み客の居住地や勤務地、いわゆる生活圏を正確に把握できる。当然、競合多店舗の利用状況の把握もできる。

これらの位置情報による自店や競合店への来店者行動はヒートマップで表示され、赤くなったエリアを、広告ターゲットとなるパチンコ・パチスロユーザーが所在するエリアとみなす。オプティマイズ導入店では、これまで折込チラシを配布していたエリア以外に自店のユーザーが数多く存在することがわかった事例も少なくない。こうした商圏分析を行ったうえで、Web広告を配信するエリアを設定する。

ヒートマップ分析ではユーザーの分布を可視化

かんたん操作で原稿制作
1日から、1万円から配信可能


次のステップが広告デザインの制作と配信だ。これらはすべてパソコンでかんたんに実行できる。原稿制作ツールはオプティマイズに標準装備されている。豊富なテンプレートの中から使いたい画像を選び、新台入替の日時などを選択するだけの簡単操作で原稿が出来上がる。動画用のテンプレートも用意されているのでインパクトのある動画の制作も可能だ。

テンプレートからデザインや基本項目を選ぶだけで簡単にバナーが制作できる

集客プランの実行はWeb広告だけではない。折込チラシの配布も商圏分析をもとにエリアを設定し、パソコン上で金額を確認して実行できる。電話番号さえあればテンプレートを基に文章を作成してSMSでPUSH通知もできるので、会員向けの文字メッセージの送付などが可能になる。こうしたクリエイティブの作業を外注すると、少なくない費用を支払うことになる。店長やスタッフがわずか数分で制作できれば、広告コストの削減に直結する。

Web広告では、原稿ができたら、前述の商圏分析を元に自動で設定される本当に集客が見込めるエリアに対して広告を配信する。広告の配信期間は1日から、費用は1万円からと非常にリーズナブルで使いやすい設定だ。配信デバイス数を限定すれば費用が抑えられ、力を入れたいときには費用を増やせばいい。従来の広告予算ありきの考え方とは視点を変えた広告宣伝の手法と言えるだろう。

Web広告のプランは日付や予算をクリックするだけ。推奨配布エリアに配布される

広告効果の可視化で
配信ノウハウをアップデート


オプティマイズでは広告効果を可視化するためにWeb広告配信の効果検証を考察コメント付きでフィードバックしている。この考察を次の施策に活かすことで、クリエイティブや配信のノウハウをアップデートできる。また、会員管理データと照合することで、Web広告やチラシを配布したエリアから来店客が増えたかどうかの検証も可能になる。

実施後は効果検証が分析コメント付きでフィードバックされる

フィールズが3000人超の現役パチンコ・パチスロユーザーを対象に行ったアンケート結果からは、ユーザーが「今日、パチンコを打ちに行こう」と思った際に、多くのユーザーが1~2店舗から遊技する店舗を選んでいることがわかった。これは、来店してもらうためにはより多くのユーザーから2番手以内と認識される必要があることを意味する。ユーザーのマインドシェアを獲得・維持するためには、継続的なアプロ―チを続けなければならない。

オプティマイズを導入するメリットは、広告配信のPDCAサイクルを自店ですべて完結できる点にある。店長だけでなく、スタッフでも広告を配信できるため、少ない予算で広告効果を最大化し、集客につなげることが可能になる。仮に1回1万円の広告配信であっても、コツコツと定期的な配信を繰り返すことで、他の広告宣伝では達成できない、自店顧客とのエンゲージメントの構築が可能になる。

コロナ禍を機に、ホールを取り巻く環境が大きく変化しているいまこそ、これまでの広告宣伝のあり方を、視点を変えて見直してみるチャンスなのかもしれない。

※特許番号 : 第6316353号、第6827138号