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株式会社佐藤商会 執行役員 黒岩 禅
チーム力で成果を上げろ vol.1
部下に費やす時間は作り出すもの
最高のチームを作るためには、上司が部下に感謝の気持ちを示すことが重要です。それは、部下に「関心を持つ」ことです。
部下の誕生日にハガキを書いたり、提出してくれたレポートや感想文に返事をします。一つひとつは難しいことではありません。難しいのは、そのための時間を作り出すことではないでしょうか。
かつての私も「分かってはいるんだけど、時間がない」と考えていました。やれない理由を「時間がない」という一言で片付けていたのです。理由ではなく、やらないための言い訳だったと今なら分かります。
そんな経験から、私の時間の使い方についてご紹介をしてまいります。
私自身も自分の仕事を抱えながら、部下への時間を作ることは大変でした。それを解決した時間の使い方が、「待ち時間」を「持ち時間」に変えることです。
「待ち時間」と「持ち時間」
字は似ていますが、時間の使い方は全く違います。
例えば、あと数分で電車が来るホームで周りを見渡すと多くの人は「待っている」だけです。電車のなかでも、何もしないで駅に到着することを待っている人がいます。こうした「待ち時間」を活用する。すなわち「待ち時間」を「持ち時間」に変えるのです。
私自身が実践していることを、店舗への移動を例に紹介してみましょう。
店舗へ向かうために事務所を出たときには、携帯電話でボイスメールを聞いています。これは音声での電子メールのようなものです。留守番電話を聞いていると考えてもらえれば、わかりやすいかもしれません。
PCやスマートフォンでメールを読むかわりに、携帯電話で聞くのです。もちろん、音声による返信もできます。
駅までの数分を歩きながら、ボイスメールで部下からの連絡や報告を聞き、必要があれば返信もしています。このボイスメールのおかげで、1人で歩くだけの時間をコミュニケーションの時間にすることができるのです。ボイスメールがなくとも「電話をする」ことを移動中に行うように準備をしておけばよいと思います。
駅についてから電車を待っている2~3分も貴重な時間です。ここでは歩いているときにできないことを優先します。資料や部下からの日報・感想文に目を通します。
日報や感想文はバインダーに留めていますので、立ったままでもすぐに返事を書き込むことができるのです。そのまま車内でも、同様に進めることができます。
スマートフォンでメールを読んだり返信をしたりすることもあります。ここでのポイントは、「返信」が必要であればその場ですることです。読んだときに返信をしないと、あとでまた読むことになり時間を無駄にしてしまいます。返信する時間がないのであれば、メールを読まないことも時間を無駄にしない工夫です。
目的の駅に到着して、時間に少し余裕があるようであればホームのイスに座ってハガキを書いたりレポートに返事を書いたりしています。
3分の待ち時間を、毎日5つ持ち時間に変えられたら、365日で90時間にもなります。時間は有限ですが、使い方は無限です。
くろいわ・ぜん
(株)佐藤商会TSUTAYA事業部マネジャー。20歳よりTSUTAYAの店長を任され、数々の実績から「伝説の店長」と呼ばれる。マネジャーとしても日本一の店長や店舗を輩出する。「売上を上げる!最高のチームをつくるシンプルな仕掛け」をテーマにしたセミナーも全国各地の企業から依頼を受ける大人気セミナーとなっている。
黒岩禅の仕事楽
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