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2017年06月16日
No.10000191

ジャパン・ゲーミング・コングレス
地域経済界がIRに寄せる期待
何がビジネスチャンスになるのか?

5月10日と11日に都内で開催されたカジノ業界のシンポジウム「ジャパン・ゲーミング・コングレス(JGC)」の初日のパネル討論会

5月10日と11日に都内で開催されたカジノ業界のシンポジウム「ジャパン・ゲーミング・コングレス(JGC)」の初日の午後、「IRが地域およびさまざまな分野の日本企業にもたらすビジネスチャンス」と題されたパネルディスカッションがおこなわれた。
文=桝鏡啓介・写真=鶴岡彰義/Gaming Capital Management 


登壇したのは海外のゲーミング機器メーカー、教育界、法律、メディアなどゲーミング産業を幅広く取り囲む知見を持つ7名。

大阪商業大学の谷岡一郎学長はゲーミング分野以外の事業における地方活性化の展望について、「IR施設が提供するサービスや資機材の現地調達率を90%にする」「IR施設内には新しく誕生するものを含めて800以上の職種がある。その仕事に現地雇用を活用する」といった具体例を示し、プロセスとしてまず自治体主体による誘致要件整備の重要性を説いた。

グリーンバーグ・トラウリグ東京法律事務所の石川耕治弁護士は、「前例の通り、“統合”が指すのはIR施設内の各機能のことだけでない。地域の伝統や経済を地域にとって優位的に結び付けることこそ地方型IR成功の鍵」とIR施設の外に視野を広げることが重要だと語った。

IR誘致が遊技業界に及ぼす影響に議論が及ぶと、アミューズメントプレスジャパンの田中剛執行役員は、「弊社の調査によると、週3回以上遊技しているパチンコ・パチスロのヘビーユーザーの46%が日本のカジノでの明確なプレイ意向を示した。これは一般の人の6倍。IRが開業した地域での限定的な現象だろうが、パチンコ・パチスロからカジノへの一定数の顧客流出が起こる」と述べた。

その一方で、「遊技は隔離された空間での遊びであるのに対し、IRはレジャーや食事がメイン。動機や環境が異なる」(アルゼゲーミング社製品開発GM兼相談役のエリック・ペルソン氏)、「カジノの客層とパチンコの客層は異なる」(谷岡学長)など、本質的な競合は相対的に少ないとの意見も上がった。

司会者から投げかけられた「パチンコ・パチスロ機がカジノゲームと融合するような進化の可能性は?」という問いに、香港のゲーミングマシン開発会社TGGインタラクティブのレイモンド・チャンCEOは、「世界の人々をターゲットにするためには、(日本の)遊技機はもっとカジノマシン向けのアレンジが必要になるでしょう」とコメント。これに対して、田中執行役員は「むしろパチンコ機はカジノゲームとは距離を置き、遊技という枠の中で技術介入性を許されたアミューズメントという方向に進化するのが望ましいのでは」との意見を述べた。

最後に、司会の古賀美子氏からの、日本ではカジノは認知度や教育が諸外国より圧倒的に遅れている旨の問題提起に対し、「アメリカのように、ポーカーを教育や娯楽番組に取り入れる」(ワールドポーカーツアーのアダム・プリスカ社長)など、啓蒙や教育環境についての提案も挙がった。