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2017年06月29日
No.10000206

メディアシステム
データ収集・分析で効果的な戦略の立案を
情報総合管理分析システム「エンタープライズ」

データ収集・分析で効果的な戦略の立案を
玉田正明 シニアマネージャー

全国のパチンコホールの客数状況や機種別稼働率、遊技料金別の客数など、営業戦略を立てる上で重要な指標をリアルタイムで分析できる「エンタープライズ」。2009年にホール導入が開始され、約7年半で加盟店約3500店舗、集計店は6300店舗を超えた。「エンタープライズ」がなぜここまで支持されてきたのか。玉田正明シニアマネージャーに聞いた。

INTERVIEW
メディアシステム株式会社
玉田正明シニアマネージャー



──「エンタープライズ」の開発経緯について教えてください。
玉田 エンタープライズを市場に投入したのは約8年前になります。ホールの業務効率化や経営戦略を立案するうえで役に立つもの、そしてこの業界にはないイノベーティブなものというコンセプトで開発しました。ホール様の日常的な業務のひとつに「頭取り」がありますが、従来の頭取りは、従業員が他店に赴き、目視で客数をカウントし、それを紙に記入するのが一般的でした。複数の店舗がひしめき合っている商圏においては、それぞれの店舗から近隣店舗のデータをお互いに取り合っている状況で、客観的に見ると非常に効率が悪いように思えました。また、頭取りの情報精度を疑問視する声もありました。何店舗か調査で回る場合、最初と最後の店舗では1時間以上のタイムラグが生まれます。データを取り合うのではなく、お互いに開示し、共有すれば、各ホールの頭取りの調査時間と調査費用が削減できるだけでなく、より正確なデータが得られるのではないか、というのが弊社の発想でした。

──頭取りの機能だけではなく、そこから得られる膨大な情報を評価するホールが多いようです。
玉田 確かに、ホール様にアンケートを取ると「エンタープライズを導入した利点」として、最上位に上がるのは「データ収集・分析に活用できる」という点です。エンタープライズは加盟店舗が増えることで、情報量や情報精度が高まっていくソリューションです。私の感覚としては、集計店が2000店舗を超えたあたりから業界のビッグデータとして認識していただけるようになったと思います。また、ホール業界の変化もエンタープライズの導入が加速した理由の一つだと思います。

──業界の変化とは?
玉田 ここ10年間で大きく変わったのが、ホール様の集客手法ではないでしょうか。以前は新台をいかに早く大量に導入するか、イベントを効果的に告知するかが重要でした。それが新台入替の集客効果が徐々に薄れ、イベントは禁止され、新しい集客手法を模索しなければならなくなった。そこで情報の収集・分析に目を向けるホール企業様が増えていったのです。エンタープライズは全国ホールの客数や稼働率が分かるビッグデータです。ビッグデータの最大の利点は、将来を見通すことができること。情報が多いほど世の中の傾向が明確になり、変化の兆しやトレンドの転換も見えてくるのです。

──「エンタープライズ」でできることをあらためて教えてください。
玉田 全国の客数や稼働状況を機種別、遊技料金別に見れるほか、特定の機種が全国的に何台設置され、何人の客数がついているか、どの時点でどれぐらいの客数がいるのか、といったことが把握できます。機種の入れ替え選定の基準に活用されるホール様も多いと聞きます。また、視察に行く際のエリア選定、店舗選定に使っていただくこともあるようです。例えば、台数規模や遊技料金別の構成、立地などの条件が自店に近く、その中で高稼働の店を参考にしてみたいなど、条件にあった店舗を抽出することも可能です。このほかにも、多くの情報、客観的な情報を得ることで、事実を正確に把握できるようになったことを評価していただくホール様もあります。



──事実を正確に把握できる、というのはどういうことでしょうか? 
玉田 ある機種の稼働が前月比、あるいは前週比で下がったとします。その機種の稼働が全国、もしくは商圏内の稼働が自店以上に減少していれば、その「稼働減」という事象の捉え方も変わり、ひいては打つべき戦術も変わってきます。つまり、事実を正確に把握できなければ、間違った問題の定義をしかねないということです。問題の定義が間違っていれば、問題解決のためのアプローチも間違ったものになり、時間やコスト、人材といった社内資源を無駄に使うことにつながりかねません。逆に正しい問題を定義できれば、必ず良い結果につながるはずです。また、「エンタープライズ」は施策の検証にも効果的です。例えば、リニューアルで新たな遊技料金を実施した場合、競合店から何人集客できたのか、商圏の客数はどうなったのか、といったことが瞬時に手間なく把握できる。それを検証し、次のアクションにつなげられるのです。

──今後の目標は?
玉田 現在、全国6割超のホールデータが集計できるということで、ある程度の完成形まではきましたが、カバー率を100%に近づけていくことが短期的な目標になります。これまでのペースでいけば、来年中には集計店舗が8000店舗まではいくでしょう。シェア拡大だけでなく、導入ホール様へのアフターフォローにも力を入れていきたい。弊社では2年前に営業サポート部を立ち上げ、全国各拠点にサポートスタッフを配置しました。導入店舗様を回り、アフターケアをはじめ、改善点や要望などの聞き取りを行ってきました。これまで、約400件の要望をいただきました。そうした要望を反映させた「エンタープライズver2」を、今年秋ごろにリリースする予定です。より見やすく、より使いやすく、そしてより意義のあるデータが閲覧できるようになっておりますので、ご期待いただきたいですね。


メディアシステム
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※月刊アミューズメントジャパン 2017年7月号掲載