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2017年07月10日
No.10000218

データ活用で自社の問題点を可視化
情報活用が企業の経営方針を最適化する

データ活用で自社の問題点を可視化

今現在、会社がどのような状況にあるのかを正しく把握するうえで重要になるのが数字の把握だ。

データ活用とは、データを根拠に意思決定をすること。収集したデータをもとに仮説検証や原因追求をすることにより、適切な決定を導き出す。

現状を正確に捉えることで、見えていなかった自社の事象や問題点に気づくことができるのだ。

ただし、留意しなくてはならないのが、業績を上げるための指標は何かを定めること。店舗型ビジネスでも製造業でも、人の動き、コストの動きなど、数値化できるポイントはたくさんある。

ある食品会社では営業や生産の現場から膨大なデータを独自に収集し、現場スタッフの具体的な行動まで細かいことまで数値化していた。

だが、それが肝心な「業績向上」につながらなかった。収益増加という結果より、収益増加を達成するためのプロセスにばかり着目したため、ゴールを見失っていたというのだ。

結局、この会社では重要な指標にフォーカスすることで業績向上につながっていった。目標を達成するための「影響度が高いプロセス」を明確にすることの重要性を示す例だ。

重要な目標が達成されているかを計測するための指標がKGI(Key GoalIndicator)だ。

「顧客満足度を上げる」ではKGIとしては不明瞭だ。顧客満足度を上げることより、最終ゴールに近い目標は、来店頻度アップや客単価のアップのはずだ。来店頻度の向上をKGIとして掲げることで、「半年後までに会員の月間平均来店数を3回から3.5回に上げる」などといった数値目標が設定できるはずだ。

その数値目標を達成するための必要不可欠だと判断した取組みそのものを数値化したものがKPI(Key Performance Indicator)と呼ばれるもの。

このKPIの設定には基本的なルールがある。明確性(Specific)、計量性(Measurable)、現実性(Achievable)、適時性(Time‐bound)。これらの頭文字を取って「SMART」と呼ばれる。

例えば「お客様と積極的にコミュニケーションを取ろう」ではKPIの設定としては曖昧で、声をかけた人数や回数、話しかけられた回数を測定するべきなのだ。

KPIは「それを達成すれば最終目標の達成に近づく」ように設定しなければならない。つまり「KPI=インプット・原因」、「KGI=アウトプット・結果」という因果関係になっている必要がある。KPIが達成されているのに、最終目標の指標が達成に近づいていなかったら、KPIの設定が適切ではないということだ。

ホールでもデータ活用が重要だが、どのような数値を計測することが重要なのかを把握しておけば、日々集まるデータをさらに有効活用できるはずだ。