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2017年09月28日
No.10000315

シティコミュニケーションズ
動画活用でファンを獲得
簡単編集で利用者のストレスを軽減

神奈川県を中心にホールを運営するシティコミュニケーションズは、8月から訪日外国人向け動画付き店舗紹介サイト『WAKUBAKU』のサービスをスタートさせた。情報サイトに動画を用いることで受け手のストレスを軽減できるという。


パチンコホールや飲食店、スパ事業、シューティングバーなど事業の多角化を進めるシティコミュニケーションズ。そんな同社が近年力を注いでいるのが、マンガやアニメに代表される日本発のポップカルチャー、クリエイティブ産業などを世界に発信していく「クールジャパン」という取り組みだ。アニソンカフェや忍者・花魁が模様されたコンセプトカプセルホテルなどはその代表的な取り組みで、多くの訪日外国人が利用している。

訪日外国人に対してのビジネスを加速させてきたシティコミュニケーションズが、新たに始めたのが日本文化や言語、施設、商品を外国人レポーターがおもしろおかしく紹介していく情報サイト事業『Cool Japan@City』。その事業の一環として今年8月から、訪日外国人向け動画付き店舗紹介サイト『WAKUBAKU』がスタートした。

「訪日観光客数が年間2000万人を超えた中、来日が2、3回目という方々はガイドブックに載っていないコアな日本文化を体験したいと考えています。そんな要望に応える意味で始めたのが『WAKUBAKU』です」(Cool Japan@City責任者の坂本真一さん)


動画利用で説明を簡素化

コンセプトは、「日本に住んでいる外国人が母国の友達や家族に紹介したい店」を紹介。レポートするのはCool Japan@Cityに所属する3人の外国人スタッフで、紹介される店舗は彼らが気に入ったお店だ。そのため、紹介される店舗は必ずしも日本のガイドブックに載っているものばかりではない。

サイトはブログ形式。「PALETAS フルーツアイスバーを食べて灼熱地獄からの生還」「魚べいお寿司はいまやファストフード」などキャッチーなタイトルと動画、その下に簡単な概要とマップが並ぶ。動画は30秒から1分程度の短いもので、店内の様子や商品を映したプロモーションビデオのようなもの。情報バラエティーのような食レポなどはない。動画は外国人レポーターが自ら小型のビデオカメラで撮影し、編集もプロが行うのではなくレポーター自身がPCソフトでテロップとBGMを簡易に入れる程度。

『WAKUBAKU』レポーターのマットさん


「異文化を言葉で表現するのは難しい。見たことのないものは想像しにくいですから、文字に起こしても理解してもらえるのはほんの一部です。それが動画にすると、一目で理解してもらえる。動画はあくまでもイメージを伝えるためですから、バラエティー番組のように作り込む必要はないと考えています」(坂本さん)
 
動画の良さは受け手のストレスを軽減できるところだ。例えば、30秒から1分程度の短い店舗紹介動画の中には、店の外観・内観、商品情報などが詰まっている。それを文字に起こすと形の説明や色の説明などが必要で文字数は1000文字を超えてしまう。

動画なら片手間で流して見ることもできるが、1000文字を超える文章は意識して読まなければならない。正確に丁寧に伝えようとすると、文章が長くなり受け手は読むのが面倒になってしまう。また、クチコミレビューなど文字で書かれているものに比べ、動画は実際の状況を自分の目で確認できるため視聴者の信頼を獲得しやすい。


ガイドブックに載っていないコアな日本の施設を紹介


「欧米は動画文化で、動画サイトの視聴率が高いと聞きます。確かに、動画の方が短い時間で説明できるので情報収集にストレスがありません」(坂本さん)


SNSでも訴求効果の高い動画

動画のメリットとしてリーチの良さも挙げられる。Facebookには、自身が良いと思った情報をリンクや画像付きで知り合いに情報を送る「シェア」という機能が付いている。そのため、情報を不特定多数の人に拡散できる。Cool Japan@Cityが独自に行った調査では、テキストのみの記事に比べ動画を添付した記事の方が、アクセス数が倍近く多いという結果が出た。

「FacebookやTwitterなどのSNSでは、動画はアクセス時に自動再生されます。そのため、動画は利用者の目に留まりやすい。外国人相手の情報サイトなので、視覚に訴えるのがベストだと思います」(坂本さん)

*詳しくは月刊アミューズメントジャパン10月号「動画活用の新潮流」をご覧ください。

同特集ではほかにも、パチンコホール企業が行っている動画の活用方法を紹介しています。
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