特集記事

特集記事内を

2017年10月24日
No.10000352

パチンコ・パチスロファンアンケート
高頻度層は禁煙容認か
原則屋内禁煙にファンは?

高頻度層は禁煙容認か

東京都が10月6日、受動喫煙防止に関する条例案のパブリックコメントの募集を終え、取りまとめの段階に入った。パチンコホールの「原則屋内禁煙」が視野に入る中、喫煙者率の高いホールはどの程度の影響を受けるのか。アミューズメントジャパンは8月下旬、パチンコ・パチスロポータルサイト「P‐WORLD」と共同でファンアンケートを実施した。


現在の受動喫煙防止対策を巡る議論は、厚生労働省が昨年10月に公表した「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」が発端だ。同案でホールはサービス業施設と一括りに位置づけられ、「原則建物内禁煙(喫煙室設置可)」とされている。
日本遊技関連事業協会はこれに対し、これまで4度の意見陳述を行ってきた。いずれも業態の特殊性などを勘案し、サービス業施設という大枠で一括りにせず検討してもらうことや、神奈川や兵庫の条例のような努力義務の扱いにすること、案通りとするならば十分な準備期間や喫煙室設置にかかる費用の公的助成を求めることなどを要望している。

そうした中、東京都も条例の制定に動き出した。ここでもホールは「原則屋内禁煙(喫煙専用室設置可)」。都はこの条例案を来年2月の都議会に提出したい意向だ。可決されれば約1年の周知期間を設けて施行される。
都の条例案は、ホールも一律の規制対象としている。これまで秋田、神奈川、北海道、兵庫の順で受動喫煙防止に関する条例が施行されているが、どの条例でもホールは施設管理者の努力義務だ。なお法は条例よりも上位の概念だが、条例が法を上回る基準を定めた場合、その地方自治体では条例が適用される。いわゆる上乗せ条例と呼ばれ、都内のホールは「原則屋内禁煙(喫煙専用室設置可)」に従う必要がある。

これに対して東京都遊技業協同組合は、都に意見書を提出することを決議。ホールを「原則屋内禁煙、娯楽施設」から除外し、神奈川や兵庫などと同様に「努力義務」とすることを要望している。

では一連の受動喫煙防止対策の強化について、ファンはどのように見ているのだろうか。アミューズメントジャパンは今年8月、パチンコ・ポータルサイト「P‐WORLD」と共同でファンアンケートを実施し、4433人から有効回答を得た。

受動喫煙防止対策の強化によって遊技フロアで喫煙できなくなった場合の来店頻度や遊技時間の変化を尋ねたところ、喫煙者の67.9%は「今より減る」、非喫煙者の29.2%は「今より増える」と回答した。なお本調査の喫煙者率は55.1%だった。JTが7月に発表した2017年全国たばこ喫煙者率調査(19.3%)より35.8ポイント高い。

遊技頻度別の喫煙者率を見ると高頻度層ほど高かった。「ほぼ毎日」「週5日程度」のファンで喫煙者率が60%以上だったのに対し、「月に1回程度」では40%、「それ以下」で35%と下がっていく。原則屋内禁煙は非喫煙者には嬉しい措置だろうが、これによって、喫煙者率が高い高頻度層の来店頻度や遊技時間が減ってしまっては、ホールに大きな影響を与える。そこで今度は遊技が「今よりも減る」と回答した人はどういう層に多いのかを調べた。
すると「今よりも減る」と回答した人の割合が高かったのは、「週3日程度(30.9%)」「週1日程度(33.2%)」の中頻度層だった。「ほぼ毎日」「週5日程度」の高頻度層は10%以下。つまり高頻度層への影響は少なかった。

また、喫煙者だけを対象に遊技頻度別の今後の意向を分析しても、頻度別の比較では大きな差は見られなかった。むしろ喫煙する高頻度層は、ほかの頻度層と比べて「今より減る」と回答した人の割合は少な目で、「今より増える」と回答した人の割合が高かった。

喫煙する高頻度のファンは、遊技フロアが禁煙になっても、これが遊技を減らす要因にはならないようだ。