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2017年11月10日
No.10000380

日本のギャンブル市場 第1回
その実態はオンライン宝くじ
スポーツくじ (スポーツ振興投票)

その実態はオンライン宝くじ
スポーツくじの売上推移

正式名称は「スポーツ振興投票」。実際には賭けの対象は男子サッカーで、文部科学省の指導監督のもと独立行政法人日本スポーツ振興センターにより運営・発売が行われている。

青少年への悪影響を理由に、日本共産党や全国PTAが猛反対したが2000年に2度の試験販売を経て、01年に全国販売を開始した。

『レジャー白書2017』によると余暇市場の中の娯楽部門の市場規模は48兆4240億円。このうち、公営競技5種と宝くじ、スポーツくじを集計した「ギャンブル」の市場規模は5兆8880億円。

01年の導入初年に600億円だったスポーツくじの売上金額は年々減少し、5年後の06年には130億円にまで落ち込んだ。しかし06年に発売されたBIGが翌年大ヒットした。BIGはコンピューターが自動的に選ぶランダム形式のくじで、1口あたりの当せん金が宝くじを含めた日本のくじ史上最高額になった。

BIGはサッカーの知識不要とPRする公式サイト


07年に、繰越金(キャリーオーバー)が6億円を超え、初めて最高額の6億円当せんが発生したことが話題となり販売額が大幅に増加した。もちろん、サッカーの知識が不要な、「完全な運任せのくじ」という手軽さも人気の一因だろう。BIGの登場によりスポーツくじの年間販売額は一気に510億円まで回復。以降、増減を繰り返しなら徐々に販売額は増え、14年についに1000億円を突破した。

15年度の販売額は5年ぶりに前年を下回り1084億円となったが、16年度には盛り返し過去最高の1118億円に達した。独立行政法人日本スポーツ振興センターは、販売好調の要因として、

(1)1等最高10億円の特別回として期間限定販売した16年6月の「ボーナスBIG」と17年1月の「お年玉BIG」が好評だった
(2)toto、BIGともに、海外のサッカーを対象に、Jリーグ休止期間中もくじを販売したことで1年を通じて販売を実施した
(3)新商品「100円BIG」がBIGとともに好評だった

の3点を挙げている。


販売チャネルの拡大で販売額増

BIGの発売が販売額増加のきっかけになったが、それを支えたのが販売チャネルの拡大だ。05年8月にインターネット専業銀行のイーバンク銀行(現在の楽天銀行)が初のインターネット販売を開始。06年にはコンビニでの一般販売を開始している。

売上に占めるインターネット販売(totoオフィシャルサイトを含む)のシェアは06年に22.9%だったが、08年に34.4%となり売場を逆転。10年は全体の51.5%に、16年度には73.3%を占めるに至った。売場での販売額はもはや13.4%にすぎない。

現在、スポーツくじはインターネットでは、totoオフィシャルサイトのほか、楽天銀行totoサイト、ジャパンネット銀行サイト、Yahoo! totoサイト、楽天totoサイト、三井住友銀行サイト、au totoサイト、住信SBIネット銀行totoサイト、じぶん銀行totoサイトで購入できる。もちろん、PCだけでなくスマホサイト、携帯サイトが用意されている。

コンビニでは、ローソン、ファミリーマート、サークルK、サンクス、セブンイレブン、ローソンが取り扱っているので、まさに「いつでも・どこでも・手軽に買える」宝くじだ。