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2018年01月29日
No.10000493

ITC 
AIによる遊技台の最適配置とは?
ホール経営基幹システム『Compass』

「これからも現場の声を反映した新機能を追加していきます」(鈴木CCO)

2月1日の改正規則施行によって、ホール経営を取り巻く環境はさらに大きく変わろうとしている。こうした中、業務の効率化やコストの削減に大きく貢献するのがITCのホール経営基幹システム『Compass』だ。さらに、AIを用いた「遊技台の最適配置の分析」など、攻めの営業を支援するための新機能も追加搭載を予定。まさに、進化するビジネスインテリジェンス(BI)だ。


業務の効率化とコスト削減で 攻めの予算管理を実践

ITCの鈴木一彦CCOは、「今後、全体的に稼働が下がるのはやむを得ないとしても、一つひとつの機種で平均より上の稼働を目指して積み重ねていく努力が、今まで以上に重要になります」と、予想される厳しい業況でのホール営業のあり方を語る。

平均以上の稼働をつけるために、快適な遊技環境の整備や接客サービスの向上はもちろん必要だ。「しかし、お客様に一番喜んでいただける“接客係”は遊技台です。その前提として業務の効率化とコストの削減を図り、お客様の満足度を向上させる予算計画とその管理が大事になります。予算がなければ、人気台の導入や設定を入れることもできませんし、予算計画と実績の乖離が大きいということは、お客様とのキャッチボールがうまく出来ていないのと同じだからです」

こうした攻めの予算管理を実践するには、日々の予算管理に伴う営業データや販管費などを詳細に、かつ、リアルタイムで把握していくことが大切だ。来週は「お客さまに喜んでいただけるような状態でお出迎えしたい」のに、月末の営業数値がどうなっているのかわからないというのでは、攻めの営業ができないからだ。



Compassの機能を図1にまとめた。部署ごとにバラバラだった業務を統合し、業務を効率化する一方でシステムコストを削減。見えにくい経営課題を迅速に可視化し、改善策を導き出すことで営業品質を向上させる。現在の予実進捗状況もリアルタイムにわかり、攻めの営業に不可欠な高度な予算管理が構築できる。


使い勝手の良い機能でCompassは進化する

Compassの持ち味は、現場の声を反映した機能の追加・改善ができること。導入後1年も経つと、攻めの営業をフォローする分析機能を毎日使う人とそうでない人の差が出てくる。あまり使わない人の中には、Compassの機能があまりにも多すぎて、どの画面から操作すればいいのかを忘れ、つい億劫になってしまったというケースもある。

そこで、「店舗オペレーション」というポータル画面をつくり、店舗の業務フローにあわせた機能ボタンを絞りこんで配置した。併せて各機能に対するユーザーの使用状況も把握することができるので、本部からの運用アドバイスもしやすくなった。この画面は「各部署の業務内容」や「本部オペレーション」といった用途別カスタマイズが可能で、使ってみればその便利さがすぐにわかるはずだ。


AI(人工知能)が考えるバラエティの最適配置

バラエティコーナーを広げるホールが以前よりも増えている。1台から数台のさまざまな機種で構成されるこのコーナーは、それぞれの機種の配置場所によって稼働や売上げがかなり変わることが多い。
CompassにはAI(人工知能)を用いた「遊技台の最適配置分析機能」 が搭載される予定となっている。この機能は、東海大学理学部数理科・情報数理学科の研究者からの開発支援を受けたもの。機種島のビッグデータを元に、バラエティコーナーの機種構成や最適配置を決めることができる。



具体的な手順を紹介しよう。図2は「機種A」がある、機種島でのデータ抽出だ。3台隣り合わせでデータを抽出してアウト・売上・粗利の独自の得点を求める。この得点を元にバラエティコーナーの最適配置の分析ができる。

図3で『クラシックジャグラー』の隣には『アイムジャグラーAPEXⅥ』 よりも『ハッピージャグラーⅤ』を置き、その隣に『ジャグラーガールズK』を置けば、 アウト・売上・粗利の最適化ができるというシミュレーションだ。この分析結果を元に台移動を行った前後の稼働状況を可視化することも可能だ。

この得点を元に遊技機PPM分析 (横軸が稼働、縦軸が粗利の図表をつくり、その遊技機がどの営業パワーポジションに位置するかを分析)を行えば、撤去時期や移動対象となるかなどの検討ができる。稼働と粗利の高(High)・低(Low)で、HH(金のなる木)、HL(花形)、LH(問題児)、LL(負け犬)の4つに分類するが、中央付近の領域内にある台もPPM着目台としてマークする。

「Compassは、LLが数週続くと撤去対象台の示唆をします(図4参照)。企業によって考え方が違うので、示唆の連続週の設定もできます。貸玉料金別やカテゴリー内でどういう位置づけにあるか、投資回収が済んでいるか、中古価格がいくらかなどの条件を加味しながら設定するのがいいと思います」

バラエティコーナーでは、「同じ機種が複数台ある場合、以前は別々の設定を入れていると答えた店舗の方が多かったが、今は同一設定で運用していると回答した店舗も増えた」と鈴木CCOは感じている。また、 背中合わせの島に同じ機種を3台配置する際、三角形になるように置くよりも、隣り合わせに置く店も増えているという。

「将棋も居飛車の定番である矢倉囲いがかつては主流でしたが、今はAI化が進んだ将棋ソフトの影響で、かつて流行った雁木囲いを新たに創意工夫して戦法に取り入れる棋士も増え、羽生永世七冠が先の竜王戦で用いたことは記憶に新しいところです。バラエティコーナーの配置も同じで、流行り廃りがある。どちらがいいかは、繁盛店のやり方を参考にするのが間違いないのですが、今後搭載されるCompassのAI機能も同じようなヒントをくれます。人工知能の分析から導き出されたまったく新しいオペレーションが、業界活性化の一助になれば、こんなにうれしいことはありません」


※月刊アミューズメントジャパン2018年2月号に掲載