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2018年02月01日
No.10000499

グローリーナスカ/北電子
プレイヤーの遊技動向を可視化
顧客分析システム『遊動』

遊動プロジェクトチームの堀金泰陽氏

遊技客全体に占める会員の割合は、高い店でも3割程度。しかも、全員がカードを使用しないケースもある。これまでの会員管理は、一部のプレイヤーの動向しか分からなかった。『遊動』は、会員以外のプレイヤーの遊技動向も適確に捕捉。稼働アップのための効果的な戦術立案につなげることができる。


16年9月、グローリーナスカと北電子が次世代型の分析システムをリリースしていくことを発表した。グローリーの会員管理システム『P・BANK EXSIM』およびICカードシステム『G8 EXSIM』と北電子のホールコンピューター『VORFORCE』との連携による『遊動』だ。

『遊動』は遊技客の動向を見える化することで、遊技機で遊んだ人数や消費金額、遊技時間、会員分析の課題だった非会員の動向などを数値化。従来の遊技機データからは見えなかった指標、さらに従来の会員管理では分からなかった非会員のデータも蓄積、戦略立案に役立てることができる。今年3月から市場に本格投入され、17年12月末現在で90店舗以上に導入されている。


適正台数の見極めや入替対象機種の選定に



ホールでは遊動データをどのように活用しているのか。効果的な戦術につなげられる主な3つの指標「初遊技分析」、「相関関係分析」、「遊動アウト」を順に説明してみよう。

「初遊技分析」とは、ホールに来店したプレイヤーがその日どの遊技機で最初に遊んだのかを分析するもの。

「来店して一番最初に遊ぶ台は、プレイヤーの来店動機となっている機種と言えます。自店の強みとなっている機種は何か、何人のお客様が遊んでいるのかなどを把握し、分析することで効果的な施策につなげることができるのです」

こう説明するのはグローリーナスカ遊動プロジェクトチームの堀金泰陽氏だ。
この「初遊技分析」はホールでどのように活用されているのか。Xホールのデータを見てみよう。Xホールは駅前多層階で設置台数約600台。年配客や主婦層が中心の店だ。図表1はこの店の17年5月と6月の「初遊技人数」を対比したもの。この中で着目したいのは、6月時点で初遊技人数が最も少ない4位の機種Dと9位の機種Iだ。

基本的に「初遊技人数」は数値が大きいほど人気台であることを示しているが、例外もある。新台は、少ない初遊技人数で高いアウトを残すようなケースもある。実際機種Dは新台で、初遊技人数は少ないが平均アウトは5万1000個超という高い数値となっている。

問題は機種Iだ。初遊技人数(台あたり)は機種Dと同じ4・7人だがアウトは2万2600個と、店の平均を下回っている。さらに1カ月前のデータと比べると、5月の7・1人から2・4人減少、アウト平均もマイナス1万個超と大幅な落ち込みとなっていることが分かる。

こうしたデータから、運用の見直しや低貸しコーナーへの移動、減台など、いくつかの対策が考えられる。Xホールは機種Iを12台から6台に減台。圧縮効果もあり稼働は上がった。このように入替対象機種や適正台数の見極めなどに効果を発揮する。


稼働アップにつながる機種レイアウトとは?



「遊動相関」は、ある機種を打ったプレイヤーがその前後でどの機種で遊技していたのかを数値化した指標。相関性が高い機種を見極めることで、効率的な台入替やレイアウト選定につなげられる。

全体的な傾向として共通しているのは、シリーズ機種の相関性が非常に高いということ。例えば、海シリーズ、北斗シリーズなどは、シリーズ間での相関が見られる。パチスロでも同様だ。これなどは感覚的に分かりやすいだろう。

では、次の設問はどうだろう。パチスロ「旧基準機」との相関が多い5・5号機は何か?
その結果を表したのが図表2だ(約半年間のデータ)。どの機種でも移動人数が多いのが『押忍!番長3』だが、やはりゴッドシリーズファンは『アナザーゴッドポセイドン‐海皇の参戦‐』に最も多く移動している。

「旧基準機と混在した市場では稼働実績を残せなかった5・5号機も多いが、旧基準機が撤去された後は、5・5号機の需要が高まることが予想されます。どの機種を受け皿とすべきか、どのようなレイアウトにすべきか、といったヒントとしても活用できます」


新台の寿命を的確に予測



最後に「遊動アウト」を見てみよう。これは機種のアウトを遊技人数で割った数値。つまり、一人のプレイヤーがその機種でどの程度遊んだかを示すものだ。この指標から、新台の寿命などを予測することが可能となる。

図表3は4月と5月にリリースされたミドルタイプの新台の稼働推移。導入1週目のアウトと遊動アウトの結果を並べた。新台はどのような機種であっても、初週は高めのアウトを記録する。台データだけでは、どの機種がファンに支持されるか、もしくはすぐに飽きられるかを判断することは難しい。

だが「遊動アウト」を見れば、この疑念が解決される。これまでの遊動アウトのデータ実績では、初週の遊動アウト平均が高く出た機種ほど導入5週目にも高いアウトを維持している。つまり、1人のプレイヤーが粘った機種ほど、寿命が長くなるということだ。

2017年にリリースされたミドルタイプ新台の稼働貢献と導入1週目の遊動アウトの実績を全て見てみると、10週以上稼働貢献した機種と10週未満で寿命が終わった機種を分ける導入1週目遊動アウトは「5000個以上」というラインが浮かび上がってくる。

「今後は射幸性が下がりますから、その中でしっかりと収益を確保するために、機種のマクロデータだけではなく、自店のお客様の動きを把握することがより重要になってくるのではないでしょうか」と堀金氏は語る。


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