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2018年01月26日
No.10000490

アメリカ東海岸最大のカジノ都市
アトランティックシティの衰退

アトランティックシティの衰退
これから統合型リゾートを建設する日本はこの街から何を学べるだろうか

昨年11月中旬、ラスベガスに次いで全米第2位を誇ったカジノ都市、アトランティックシティを訪れた。この街のカジノ収益は2006年をピークに減少に転じ、かつての賑わいは見る影もない。日本のIR(統合型リゾート)導入議論はここから何を学べばいいのか。

文=鶴岡彰義
(Gaming Capital Management)


ニューヨークから南へ車を走らせ2時間半、海岸沿いに大きなビルが軒を争うように建っているアトランティックシティが見えてくる。ここニュージャージー州アトランティック郡で本格的な観光開発が始まったのは1970年代。1978年にカジノホテルの第1号が開業。以降、カジノを中心にした観光産業の売上が年々増加し、全米第2位の規模を誇るカジノ都市へと成長した。しかし今、その繁栄は見る影もない。

かつて、ビーチの前に広がるボードウォークは余暇を楽しむ人たちで賑わっていたが、2007年以降、近隣のペンシルバニア州やメリーランド州が相次いでカジノを解禁したことにより競争が激化した。アトランティックシティのカジノ収益は年々減少し、14年には経営不振に陥ったカジノが軒並み閉鎖に追い込まれた。

アトランティックシティは元々、観光資源が乏しかったため、カジノを市の基幹産業として開発し、最盛期には実に市の税収の7割が賄われていた。だが街の現状を見て、ギャンブル産業は決して打ち出の小槌ではないということを再認識した。IR(統合型リゾート)の収益構造は、カジノ収益の貢献が大きいことが特徴のひとつ。アトランティックシティの衰退は市場原理が真っ当に働いた帰結として、ギャンブル収入に頼った経営の末路といえるだろう。

※つづきは月刊アミューズメントジャパン2月号をご覧ください。

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