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2019年06月14日
No.10001231

第2回パチンコ依存対策勉強会
ホール13社が依存対策を学ぶ

ホール13社が依存対策を学ぶ
各班ごとにファシリテーターが議論を促した

パチンコ依存対策勉強会事務局は6月13日、都内会議室で第2回パチンコ依存対策勉強会「依存について考えよう」を開催した。

リカバリーサポート・ネットワーク(RSN)の西村直之代表理事による講演のほか、RSNに寄せられた電話相談について参加者がグループごとに議論するワークショップを実施。ワークの発表に対して、RSN出向経験をもつ4社4人のフィードバックが行われた。

精神科医でもある西村代表理事は、「パチンコホールスタッフのためのパチンコ・パチスロ依存の基礎知識」と題して講演。「世界にギャンブル等依存症という病名はない」「ギャンブル等依存症は、世界で言う重度のギャンブリング障害(プロブレムギャンブリング)の状態に近い」と解説し、ギャンブル等依存症対策基本法に端を発して責務となった遊技業界の依存問題対策について、適度の範囲を超えて私生活に影響が生じるほどの「問題ある依存」に達した遊技客が、重度とならないために予防することが重要だと述べた。
西村代表理事の見解では「問題ある依存」に達する人は遊技客の10%程度で、重度に至る人は遊技客の1%~3%程度だという。

講演した西村代表理事

続くグループワークでは9班に分かれた参加者が、RSNに寄せられた相談事例についてホールでどのような対応ができるのかを検討した。各班にはファシリテーターを配置。相談者にしてあげられることは何なのかを目指して、キーワードや提供すべき情報、注意点、どのような声掛けや対応ができるかなどを話し合った。

■各班が取り組んだ相談事例
・子どもを幼稚園に送ったあとにホールに行ってしまう (女性28歳、主婦)
・年金をすべてパチンコに使う母(83歳)が心配 (女性57歳、娘)
・パチンコののめり込みに悩む (男性22歳、ホール従業員)
・生活環境の変化に不安を感じる (男性35歳、無職)
・のめり込む自分は病気なのかと不安 (男性21歳、学生)
・のめり込んでしまうために使ったお金や時間を忘れる (女性42歳、主婦)
・パチスロの演出が頭から離れない (男性72歳、年金生活者)
・両親の介護疲れで居場所がない (女性38歳、主婦)
・パチンコに毎日行く夫(38歳)に困惑 (女性35歳、妻)

相談事例を題材にワークが行われた

グループワーク後には各班の発表に対して、RSNへの出向経験をもつマルハン、サンキョー、平成観光、ダイナムの社員4人がフィードバック。取り組みを補強するアドバイスを行った。
西村代表理事は「これらはホールスタッフだからこそできる提案。医者や依存問題支援者にはできない」と述べ、「本日の内容だけではなく、これからもホールで気になったお客さんについて“どうしたらいいだろう”と社内で共有してほしい」と総括した。

閉会の挨拶はマルハンの韓裕社長が行った。韓社長は「依存問題対策は、経営者はもとより店舗スタッフの方がしっかりと理解するフェーズから始まる。一部のスタッフの方は遊技業界の存在意義を不安に感じているかもしれないが、学ぶことでクリアになる。また、遊技業界の取り組みを社会全体に伝えることも大事で、社会的な存在意義を確立するためにも依存予防のための対策を築き上げ、活動を発展させていきたい」と締めくくった。

韓社長が閉会挨拶

勉強会に参加したのはホール企業を中心とした14社105人。1月30日に共同声明を発したホール5社(合田観光商事、ダイナム、ニラク、マルハン、夢コーポレーション)以外に、ABC、サンキョー、三慶商事、正栄プロジェクト、善都、日拓グループ、ピーアークホールディングス、平成観光の8社が加わり、デライト・コミュニケーションズも出席した。

依存対策に真摯に取り組むホール関係者

勉強会の模様は6月19日、YouTubeチャンネル「パチンコ依存対策勉強会」で公開される予定だ。



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