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2023年12月26日
No.10004016

グローリーが出玉情報特化アプリ|DXでホールの集客支援へ

グローリーが出玉情報特化アプリ|DXでホールの集客支援へ

設備機器大手のグローリーがホールの出玉情報に特化したスマホアプリを開発。12月からサービスをスタートする予定だ。多くのファンが求める出玉情報に特化したアプリを提供することで利用者を増やし、そのアプリを通じて得られたファンのきめ細かいデータを収集。契約ホールには、これまで実現できなかったユーザー行動を可視化するダッシュボードや、出玉情報に興味のある遊技ファンを少ない手間で効率よく集客するツールまでを提供。業界のDXを加速させる。

新サービス『パチPICKS(パチピックス)』は、これまでグローリーがWebブラウザ上で提供してきた「PAPIMO‐NET大当り情報公開サービス」をアプリ化したものだが、遊技ファンのニーズにこたえるこだわりの機能を多数備えた。

プレイヤーはトップ画面から目当ての店舗を検索。気になる台番号をあらかじめ設定しておくと、その日その台の最終結果がプッシュ通知されるので、選択した台が最終的にどういう稼働だったのか、大当たり回数が何回だったのかなどがわかる。
 また、『パチPICKS』はBB回数や合成確率、総スタート数など、ユーザーが見たい情報をカスタマイズできる。アプリ開発を担ったグローリーの物見裕基さんは、こうした機能を備えた理由をこう語る。

「大当たり情報に関心を持つプレイヤーは、ヘビー層からミドル層が多いことを長年の運用で把握しています。また、その人たちは各々見たいデータや利用方法も異なる。ここにポイントを絞りました。勝ちにこだわる遊技ファンが、行くホールや打つ台を選択するツールとしてご利用いただくシーンを想定して開発しています」

上記に加えてもうひとつ、課金コンテンツとして用意したのが各種のソート機能。台データのランキングに加えて、台番末尾ソートや機種別ソートなど、ヘビーユーザーに向けて台を選べる機能だ。

「ホール様としては積極的に出したくないデータかもしれません。しかし、ファンはこの情報を目にしたことではじめて、行くかどうかを検討します。ある程度モチベーションが高い状態でアプリを利用しているため、来店のきっかけにつながる。ホール様にもメリットがある機能だと考えています」

グローリー 遊技商品企画部 物見裕基さん(左)、グローリーナスカ DXビジネス推進グループ 岩﨑大周さん


集客手段に有用のプッシュ通知は何通でも無料
属性がわかるアクセスログ搭載


『パチPICKS』は、同様の大当り情報公開サービス『テラスモバイル2』を手掛けるプロテラスとグローリーが共同で作ったアプリ。その背後には、ホールのマーケティングとプロモーションに使えるダッシュボード機能を盛り込んだ。

従来でもユーザー数や、閲覧頻度の高い機種を分析できたが、『パチPICKS』では加えて年齢、性別、住まいなどの属性がわかるアクセスログを搭載。自店のユーザーを見える化して分析ができる。

プロモーションの視点で見ると、可視化されたユーザーに向けてプッシュ通知を何通送っても完全無料という点も魅力だ。グローリーナスカDXビジネス推進グループの岩﨑大周さんはそのメリットをこう語る。

「私は営業として多くの店舗様とお会いする機会が多いのですが、LINEのプッシュ通知が効果的な反面、料金プランの改定がありコストがアップしたと聞いています。パチPICKS上のアプリプッシュ通知は何通であっても利用料は無料、うまく活用いただければ、LINE配信コストの軽減も可能です」

『パチPICKS』はグローリー提供の「PAPIMO‐NET大当り情報公開サービス」またはプロテラス社の「テラスモバイル2(データPRO.)」を利用している店舗なら無料で使用できるという。

会員管理機能との連携で
カード利用促進へ


ではもうひとつの新サービス『PAPIMO‐ring』とはどんなサービスなのか。物見さんの説明はこうだ。

「設備メーカーが手掛けたITサービスによる、新しい集客の形を実現したサービスです。設備とアプリを連携させることで、ネットで興味持ったファンが来店したかどうかがわかるなど、会員カード機能と連動させ来店者に付加価値をつけられるサービスの提供も可能です。その裏側で、来店者の動きもダッシュボードで可視化します。集客効果がどれぐらいあったのかをしっかり把握できるのは業界初です」

店内にビーコンを設置しておけば、『パチPICKS』利用ユーザーがどれだけ来店したかがわかる機能を搭載。プッシュ通知でホールがユーザーにメッセージを発信し、既読したユーザーが何人来店したのかを検証できる。さらには該当ユーザーにターゲットを絞ったメッセージも自動でプッシュ通知が可能だ。

もう一つの機能が会員管理システムとの連携だ。会員カードの情報とアプリを紐づけることで、例えば会員カードを挿入している間の収支履歴を自動で取得し、その結果が『パチPICKS』内の収支表に自動で反映される。これにより会員カード挿入者にお知らせを届けることが可能になり、顧客の囲い込みにつながる。ホールとファンの両者にとってメリットが大きい機能と言える。


会員管理との連携は、グローリーの会員管理システムとユニットを導入している店舗が利用できる機能で、『PAPIMO‐ring』で得たデータは、ホールが専用のダッシュボードで閲覧可能。来店推移やプッシュ通知配信機能などを分析できる。

広告宣伝のあり方が変わる中、出玉情報の配信をトリガーにホールのマーケティングをサポートして集客を図る新たなサービスが、業界のDXを推し進めそうだ。



遊技業界だからこそO2Oができると思っている
グローリー 遊技商品企画部
須賀亜也美さん



IT企業からグローリーに転職したそうですね。

IT企業の中でも、主に海外のソリューションやサービスを日本に持ってきてローカライズし大きくしていくプロジェクトを数多く手掛けていました。海外資本力で日本企業が太刀打ちできなくなる状況を何度も目にしていますし、間接的に加担している自分も嫌でした。そんな中、日本でモノを作っていて、かつ日本独特の場所で勝負できる場がないのかなと思ったときに、遊技市場があると気付き興味を持ったんです。グローリーに入社する際にも遊技市場の魅力を語りましたね(笑)。

この業界にどんな魅力がありますか。

業界としては危機感を感じているとのことですが、私からしたら740万人が遊んでいる世界。いまでもこれだけのファンがいて、未開拓な層もいる。こんなに魅力的な業界はないですよね。また、依存症対策もソーシャルゲームやSNSはまだまだですが、この業界は研究が進んでいる。知れば知るほど、しっかりしてるなと感じるところも多いです。

今回のプロジェクトで何を目指しましたか。

グローリーだからこそできた「設備とITが連動するサービス」の部分です。これはO2O(オンラインtoオフライン)というオンラインからホールにファンの行動を促す、そして計測しPDCAサイクルを回すというイメージなのですが、この仕組みを、実はどの業界も試行錯誤中なんですよね。日本に特化している、ファンの行動パターンがある程度データで見えるこの業界が、一番初めに作り上げられるのではと思ったりしています。『パチPICKS』や『PAPIMO-ring』のようなマーケティングサービスを通じて、業界全体にO2Oのノウハウが根付き、ホール様に対しては効率的に、遊技ファンへも、よりよいサービスが提供できればいいなと思っています。

出玉情報特化ポータルアプリ「パチPICKS」
詳細は下記から

https://biz.papimo.jp/lp/20231120



文=アミューズメントジャパン編集部


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