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パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る 「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」③
失敗しない『ターゲティング』とは?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役
先月号では『専門性×先進性』を実現した『Web広告の活用方法』について解説しました。今月号では、Web広告を活用する場合の『ターゲティング』について解説します。
Web広告に限らず広告を出稿する場合、ターゲティングは重要な行程となりますが、Web広告においては効果性を高めるために特に重要な行程となります。Web広告は広告出稿する際に配信料金を設定しますが、的確なターゲティングができていない場合、広告を見てほしいユーザーではないユーザーに広告が配信されてしまい、配信料金だけが消費されてしまうケースもあります。
Web広告は広告配信料金がゼロになると配信終了となりますので、広告を見てほしいユーザーにいかに配信するか(ターゲティング)が成否の鍵を握っています。では、パチンコ店がWeb広告を出稿する際のターゲティングはどこが重要なのか?それは『相関性』を見極めることです。
多くのパチンコ・パチスロユーザーは特定の機種だけではなく、時期や予算、気分などによって遊技する機種が異なることがあります。ユーザーが遊技する機種の相関性を見極めてターゲティングを行うことで、より精度の高いWeb広告の運用が可能となります。
例えば、『沖ドキDUO』のWeb広告を運用する場合、『沖ドキDUO』のユーザーのみに配信するのではなく、『沖ドキDUOと相関性の高い機種』のユーザーをターゲティングすることで、効率的なWeb広告運用ができ、かつ集客精度を高めることができます。
『沖ドキDUO』との相関性が高い機種としては、『チバリヨ』や『プレミアムハナハナ』といった沖スロが挙げられますが、『スーパーリノSP』や『パチスロガメラ』といった機種との相関性も高いというデータがあります。『沖ドキDUO』のWeb広告運用をする場合は、『沖ドキDUO』のユーザーに加えて、前述の相関性の高い機種のユーザーをターゲティングすることが重要なポイントとなります。
相関性を見極めるためにはさまざまな方法がありますが『勘』や『経験値』での見極めはターゲティングの精度が低くなる可能性があります。しっかりとしたデータに基づいて相関性を見極めてターゲティングをすることを推奨します。今、遊技データは充実していますから、相関性を見極めてターゲティングすることは以前よりも簡単になってきました。
例えば、グローリーナスカ製品の『遊動』は、台ごとに収集したICカード利用者の遊技情報を解析し、会員カード利用者の遊技情報と統合する顧客分析システムです。この『遊動』では、会員・非会員問わず、ユーザーがどの機種でどれだけ遊技したのかをユーザー単位で情報を取得することができます。また、『機種から機種への動き』もICカードと会員カードの情報から特定することができます。『遊動』によって分析した機種の相関性データは、Web広告の運用において、高精度なターゲティングの実現に有効活用することができます。
ここでひとつ、『遊動』の相関性データを活用したWeb広告運用の事例をご紹介します。事例は、1月末で撤去となった『番長3』の受け皿を作ることを想定した運用方法です。まず初めに、『番長3』と相関性の高い機種を特定します。『遊動』の相関性データによると、1月以降も設置可能な機種で『番長3』と相関性が最も高いのは『バジリスク絆2』ということが分かります。
次に、ターゲティングをするにあたり、『バジリスク絆2』と相関性の高い機種を特定します。『遊動』によると相関性の高い上位10機種は参考データ①のようになります。『ジャグラーシリーズ』や『北斗の拳宿命』、『まどか☆マギカシリーズ』との相関性も高いのでターゲットに含めるべきであると考えられます。
『バジリスク絆2』のWeb広告を運用する場合、最低でも相関性の高い『参考データ①』の10機種はターゲットに含めることをお勧めします。相関性の高い機種を特定してターゲティングする場合、撤去期限を迎えた機種もターゲットに含めることが重要です。このように、『番長3の受け皿を作る』という目的でWeb広告を運用する場合、相関性の最も高い『バジリスク絆2』との相関性の高い機種をターゲティングしてWeb広告を運用する、という施策となります。
撤去期限前まで多くのユーザーから支持され、パチンコホールの集客の軸となっていた『番長3』が1月末で撤去期限を迎えました。撤去離反を防止するという目的で『バジリスク絆2』を基軸としたWeb集客を実施することをお勧めします。
相関性を見極めたWeb広告の運用は、撤去機の受け皿を目的とした施策だけではなく、『ジャグラーシリーズ増台の新装開店』や『沖スロの集客強化日』、あるいは『パチンコミドルタイプの話題機導入』など、集客を強めたいタイミングで幅広く活用することができます。撤去機問題を乗り越える集客施策としてWeb広告運用を活用してみては如何でしょうか?Web広告運用にはランディングページの活用が必須となります。次月号では専門性×先進性を実現した『ランディングページ』について解説したいと思います。
※『月刊アミューズメントジャパン』(2022年3月号)から転載