No.10005140
「旅打ち」はなぜ学生に普及していないのか
【毎週金曜日更新】全日本学生遊技連盟・週刊連載コラム⑱
近年、大学生にとって旅行は一般的な趣味となっている。私の周囲を見ても旅行を好む学生は多く、一人旅や温泉旅行など、その楽しみ方は多様である。また、実際に旅行をするだけでなく、Youtubeなどの動画サイトで旅行関連の動画を視聴する学生も少なくない。
私自身も旅行動画を頻繁に視聴しており、パチスロを趣味とする立場から「旅打ち」に強い関心を抱いている。その過程で私は「多くの学生が旅行を趣味としているのであれば、旅打ちも同様に普及しているはずではないか」と考えた。しかし現状において、旅打ちは広く普及しているとは言い難い。
今回は、旅打ちが現在どのような位置づけにあるのかを整理したうえで、その普及に必要な条件や要因について考察する。
まず、旅打ちが普及していない理由について考察する。主な要因は大きく二点。第一に「旅打ちという概念が十分に認知されていない」点である。旅行には多様なスタイルが存在し、各種メディアでは、歴史探訪やグルメ巡りなどが定番として紹介されている。一方で、旅打ちを旅行の一形態として扱った特集はほとんど見当たらず、旅打ちはユーザー以外にとって認知の契機が極めて乏しい。
第二に「遊技への忌避感」が挙げられる。実際、ノンユーザーに旅打ちについて説明すると、「旅行に行ってまで遊技をしたくない」といった反応が多く見られ、その理由は金銭的・時間的コストへの抵抗感に集約される。
このように、旅打ちが普及していない現状を整理したうえで、私は「旅打ちのスタイルそのものを提示すること」が普及に向けて重要であると考えるに至った。
まず大前提として、旅打ちには定義が存在しない。旅行の主目的が必ずしも遊技である必要はなく、あくまで遊技を旅の中に取り入れる一つの要素として捉えれば良いのだ。例えば旅行先でふらりと立ち寄ったホールで遊び、その結果に応じて当日の夕食内容を決めたり、宿泊するホテルの選択に反映させたりするなど、柔軟な形で旅に組み込むことが可能である。
若者は他者との経験の共有を重視する傾向が強い。旅打ちは、旅の行程や意思決定に一定の影響を与え、濃密な経験の共有を生み出し得る楽しみ方である。旅行の中で何に重きを置くかという個人の価値観を損なうことなく、むしろ友人との「かけがえのない時間」を、遊技という共通体験を通じてより深く共有することが可能となる。
また近年、昭和レトロブームが生じており、地方のパチンコホールには当時の面影を色濃く残したノスタルジックな空間がいまだ数多く存在している。こうしたホールを発掘すること自体も旅の目的となり得る点で、旅打ちは昨今の若者文化との親和性を有していると考えられる。
一方で、「お金や時間がかかる」という懸念については、遊技を巡る誤解が要因であると言わざるを得ない。ノンユーザーの多くは4円パチンコのみを想像しており、低貸し遊技を認知していない場合が少なくない。さらに羽根モノやノーマルタイプなど、時間を区切って遊ぶことができる遊技台も十分に知られていない。こうした内容を教えることで、旅打ちに対する「時間と金銭を過剰に消費する行為である」というイメージを一定程度払拭できると考えられる。
そしてこれらの情報の提示方法として、旅行系インフルエンサーなどに発信させるべきである。業界の認知拡大を目的とした「PACHI-PACHI-7」など、若者に影響力を持つ発信者と連携し、「旅打ち」をテーマとした企画動画を制作することで、より自然な形で若年層への認知拡大が図れるであろう。
近年は世界的にコンテンツツーリズムが注目されている。特にアニメを中心とした聖地巡礼は大きな経済効果を生んできた。今後、アニメとタイアップした遊技台の増加を踏まえると、旅打ちはこの潮流と結びつき得る存在であり、単なる若者の趣味ではなく、一つの戦略として捉える必要があると、私は思う。
文=三浦圭翔(全日本学生遊技連盟)





