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2017年09月12日
No.10000294

ホール内禁煙で喫煙者2割離脱か
非喫煙者で遊技頻度「増える」は3割

ホール内禁煙で喫煙者2割離脱か

9月8日に東京都が発表した「東京都受動喫煙防止条例(仮称)」で、娯楽施設は原則屋内禁煙(喫煙専用室設置可)とされた。この内容は今年3月1日に厚生労働省が発表した受動喫煙防止策を強化する健康増進法改正案の骨子とほぼ同じ内容だ。

この骨子案は昨年10月に公表された「たたき台」にいくつかの修正が加えられたもので、喫煙専用室の設置を認める範囲を拡大するなど、比較的緩やかになった形だ。変更点としては、屋内禁煙(喫煙専用室設置可)としていた「飲食店」のうち、小規模のバー、スナック等(主に酒類を提供するものに限る)は、喫煙禁止場所としないこととした点。厚労省案では、パチンコホールは屋内禁煙で喫煙専用室の設置を認めるサービス業に分類されていた。

しかしその後、自民党たばこ議連が対案をまとめるなどして、議論はいったん中断していた。パチンコ業界側も2月15日に自民党厚生労働部会が開催した受動喫煙防止対策についての団体ヒアリングに日遊協が出席。遊技産業の実情を説明したうえで、サービス業施設という大枠で一括りに扱われる業種ではないため、風営法業種特有の配慮を求めた。さらに3月7日には、自民党たばこ議連が開催した総会で、日遊協は再度意見陳述している。

そんな中で示された東京都の条例案は、ほぼ厚労省案に近い内容だった。だが厚労省案に「娯楽施設」という文言はなかった。

月刊アミューズメントジャパンでは今年6月号で、パチンコ・パチスロファンにホールの禁煙化に対する意見を聞いた記事を掲載した。アンケートはシーグリーンの協力を得て行った。

質問では、「もしパチンコホール全店が禁煙になったら、パチンコやパチスロで遊ぶ頻度は変わるか」を聞いた。その結果、喫煙者では「まったく遊ばなくなる」が19.7%、「減る」が52.2%と7割以上がネガティブな回答。一方で、非喫煙者では「増える」と回答した人が3割近くに上った。

当然ではあるが、喫煙者はホールでタバコが吸えなくなることに反対が多数派で、非喫煙者は賛成が多数派ということが鮮明になった。喫煙者の2割の「まったく遊ばなくなる」人と、非喫煙者の3割の「増える」人。この点は均衡しているだけに「減る」と回答した喫煙者のをどれだけつなぎとめられるかが、ホールの大きな課題になりそうだ。


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