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2017年10月23日
No.10000351

厚労省研究班 ギャンブル等依存症全国調査
ギャンブル等依存 約250万人は自然回復か

ギャンブル等依存 約250万人は自然回復か

久里浜医療センターなどが9月29日に発表した「ギャンブル等依存症の実態調査」によれば、直近1年でギャンブル等依存の疑いがあった人は推計で成人の0.8%(約70万人)、生涯でギャンブル等依存の疑いがあった人が同3.6%(約320万人)だった。

諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授は自身のブログで「この数字から、約250万人は生涯のどこかでギャンブル等依存症の疑いがあったが今は軽快または回復していることがわかった」と指摘。

また、この割合は久里浜医療センターが3月に発表した平成28年度予備調査と、日工組社安研が8月に発表した遊技障害調査と類似しているとし、「社安研調査では特になにもしなくても8割が自然回復しており、いわゆる簡易介入が依存対策の主軸となることが予測される」と依存問題対策の方向性を示した。

今後の課題は「ギャンブル等依存は病気」という概念の払拭だ。リカバリーサポート・ネットワークやワンデーポートなど依存問題に長くかかわってきた現場からは、ギャンブル依存の背景には当事者自身がもともと抱えていたなんらかの障害が原因になっているケースが多いという指摘がある。

そういう現実を見ずにギャンブルの問題をひとくくりに医療化することは、逆にさまざまな弊害を起こす危険性がある。適切な予防や回復支援のためには問題を抱えた人それぞれに応じたアセスメント(見立て)が必要だ。政府が示す「ギャンブル等依存症対策法案」では、本当に支援が必要な人に支援が届く制度設計を期待したい。

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