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2018年03月27日
No.10000565

難化する19年卒採用 
どうなるホールの新卒採用
内定辞退増える傾向に

どうなるホールの新卒採用
就職合同説明会に臨む学生たち

新卒採用に関する企業の広報活動が3月1日に解禁された。幕張メッセで同日から開催された2019年に卒業を予定する学生を対象とした大規模な就職合同説明会では、多くのホール企業がブースを出展した。


新卒採用市場は、学生優位の売り手市場が続いている。リクルートキャリアの研究機関である就職みらい研究所が発表した『就職白書2018』によれば、18年卒採用において、採用計画を達成できた企業の割合は47・5%(17年12月時点)。ついに過半数を下回った。

一方、18年卒の大学生の2月1日時点の就職内定率は、前年同期比0・6ポイント増の91・2%(厚生労働省)と、調査開始以降同時期で過去最高だ。内定取得者1人あたりの平均内定取得社数は2・54社(就職白書2018)。内定取得数が1社だけの学生の割合が減り、複数社から内定を取得した重複内定者の割合が年々増えている。その結果企業側は、内定出し後の入社人数がますます読みにくくなった。

ではこうした背景の中、ホール業界の新卒採用動向はどうだったのか。ホール企業の新卒採用事情に詳しいパック・エックスの中村祐希営業部統括マネージャーは、18年卒採用を次のように振り返る。

「採用計画を達成できたホール企業様はおそらく1割にも満たないのではないでしょうか。就職ポータルからのエントリー数が減っている上、3月2週目以降の合同企業説明会に足を運ぶ学生数も減少しています」と母集団形成の困難さを指摘する。その上で言及するのが、一般的になりつつあるインターンシップの開催だ。

「採用チャネルの一つとして実施する企業は増えています。ただ、学生も企業の思惑を感じ取っており、安易な参加を控えている。学生に選ばれているのは企画性やお得感が高いプログラムです」

仮に参加してもらえても、インターンシップにはタイムラグという問題が付きまとう。インターンシップが最も盛んに行われる時期は、学業への影響が少ない夏季。採用広報が解禁となる3月まで半年も間が空いてしまう。1月の冬季に実施しても、接触できた学生を3月までどのように繋ぎ止めておくかが課題だ。

「放置してしまえば母集団形成に活かせませんから3月の広報解禁を待たずに、参加者を選考フローに組み込み、内定出しまで行うなど柔軟な考え方が必要です」と中村氏はアドバイスする。

では19年卒採用の見通しはどうか。採用スケジュールは3月に広報開始、6月に選考開始、内定出しと18年卒と同じ。そのため中村氏は、「一つ上の先輩を参考にするため、動きの早い学生が昨年よりも増えるのではないか。企業の採用活動も同様に早期化することが予想されます」と見る。その上で注意を促すポイントが、内定者フォローだ。

「19年卒採用でも複数社から内定を得る学生が増えるはず。その中から選ばれるには、食事会や外部研修会といった集団向けの囲い込み策だけでは限界があります。例えばリクルーターとの面談を設けたり、親御さんを直接訪ねたりと、より個と向き合った取り組みで惹きつけることが重要です」

では、各ホール企業は18年卒、19年卒採用の手応えをどのように感じているのだろうか。幕張メッセでブースを出展したホール企業に話を聞いた。

マルハンブース


マルハンの18年卒採用は、200人の目標に対してほぼ同数を確保。3割を目標としていた女性社員の割合も、目標を上回り達成できたという。同社は女子学生だけを対象にしたワンデイの就活講座インターンシップを16年の夏季に初めて実施。「年度で計5回、200人に参加してもらえたことが奏功したので、17年度も継続実施しました」と言う。

19年卒採用の目標人数は100人。17年卒採用で目標を大きく上回って採用できたため、19年卒では厳選採用に切り替える。現時点の課題は優秀な人材の確保で、そのためにインターンシップを充実させていく考えだ。

ダイナムは18年卒採用で、夏季、冬季に実施したインターンシップに計530人が参加した。100人の目標に対して95人が入社予定。4割を目標にしていた女性の入社予定数は22人だった。

19年卒採用の目標人数は50人。19年卒採用の課題は、仕事や会社との親和性が高い人材の採用。より離職の可能性が少ない人材を採用したい意向だ。

ダイナムブース


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