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2018年12月04日
No.10000932

INTERVIEW
コミュニティづくりと手軽で楽しい遊び方を提案
いなばNEXUS 平野輝寿 代表取締役

コミュニティづくりと手軽で楽しい遊び方を提案

会員視聴者数約35万人を誇るパチンコ・パチスロの無料ネット動画番組『P‐martTV』の運営を行う、いなばNEXUS。ユーザー向けにパチンコ・パチスロの新しい遊び方を提案し続ける同社の平野輝寿代表取締役に、ユーザーを獲得するための施策を聞いた。



──広告・宣伝の適正化の徹底についてはどのように考えていますか?
平野 業界の広告会社が集まり、ぱちんこ広告協議会が設立されました。これまで業界の広告会社は、それぞれの解釈でファン向けの企画を行っていました。組織団体でガイドラインを設けて、広告・宣伝の内容をチェックできる環境ができたのは、今後業界が健全に発展するためにも良かったと考えています。

──その中で御社が目指すサービスはどのようなものですか?
平野 我々がなすべきことは、出玉イベントで射幸心をあおり、瞬間風速的な集客を図ることではありません。幅広いファン層に対する遊び方の提案と、ファン同士のコミュニティの形成を通して、ホール様が集客力を向上させるために、本当の意味でお役に立てればと思っています。私はもともとパチスロライターで、CS放送などのパチンコ番組に出演していました。ある日、取材に訪れたホールでファンの方から、「CS番組は学生の僕にはハードルが高い」と言われました。CS放送の視聴料は月額1000円ほどですが、予算や価値観は人それぞれなのだと、その時に感じました。パチンコ・パチスロ好きなら誰でも見られる面白いチャンネルがつくりたい。そんな願いから立ち上げたのが、無料ネット動画番組『P‐martTV』です。幅広い層のファンに対し、パチンコ・パチスロがより好きになる遊び方の提案をしてきました。

いなばNEXUSが毎月行うファンの集いの様子。
毎回100人ほどのユーザーが集まり、世代を超えた交流を行っている

P‐martTVのホームページでは、ファンが交流するきっかけとなる企画が目白押しだ


──具体的にはどんな内容ですか?
平野 「閉店くんが行く」という番組では、夜遅くまで働いているサラリーマンが”少ない投資で勝つ“をテーマに閉店10分前の遊び方を提案しました。1000円、2000円でたまにBIGが引けたら嬉しいよねという企画です。ほかにもAT・ART機の一撃出玉を競い合う『一撃王』や、60分500枚の短時間実戦番組『ザ・60ミニッツ』など勝ち負け以外の楽しみ方を届けています。これらは、立ち回り術と言われるような攻略方法ではありません。友達同士で、手軽にパチンコ・パチスロを楽しむための方法です。ファンの方からは仲間内で企画を真似して楽しんでいるという声もいただいています。

──ファン離れ防止策はありますか?
平野 かつては、ホールで顔を会わせる常連様同士がコミュニティを形成していましたが、最近では若年層を中心にFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを使い、共通の趣味を通じて交流をするというのがトレンドになっています。そこで立ち上げたのが、ユーザー参加型の画像投稿企画『天下一打闘会』です。「インスタ映え」のように、パチンコ・パチスロファンが珍しい、面白い演出画像をTwitterや専用サイトに投稿します。”いいね“をもらい共感されることは、承認欲求を満たすことにもなります。SNSを通じて情報交換や稼働自慢をすることで自然にコミュニティができます。これまでは、特定の日に店舗に行かないと、つながりが持てませんでしたが、『天下一打闘会』を使えば、いつでもどこでも、つながりを持つことができます。生きがいにもなるコミュニティの形成は、ファン離れ防止にもなります。また、Twitter上などで楽しい会話が広がれば、パチンコ・パチスロに興味を持つ人も増えるのではないかと思います。

ユーザー参加型の画像投稿企画『天下一打闘会』の投稿の様子。
パチンコ・パチスロファンが珍しい演出などをアップすることで、
コミュニティが自然発生するなどファン獲得に役立つ


──最後に今後の目標を教えてください。
平野 パチンコ・パチスロを盛り上げていく活動を続けていかなければ、ファンは減ってしまいます。弊社では「パンダ会」と銘打ったファンの集いを毎月行うなどして、ユーザーと積極的に交流しています。中には、おばあちゃんとお孫さんといった世代を超えて参加してくださる方々もいます。年齢や性別、仕事も違う人たちがパチンコ・パチスロを通じて交流をする機会があれば、今後もホールに人が集まるようなシステムがつくれると確信しています。弊社では『天下一打闘会』やオリジナルのハッシュタグ企画などを、エリアや店舗ごとで行いコミュニティをつくることで、業界を活気付けていきたと思います。


ひらの・てるひさ
4号機全盛期にパチスロ専門誌でライターTERUとして活躍。スカパーをはじめとする専門チャンネルやTV番組に多数出演。2005年に株式会社いなばNEXUSを設立し、国内初のパチンコパチスロYouTube動画配信を開始する。


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