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2019年12月23日
No.10001512

回胴遊商
12年目のサンゴ植付け
元九州・沖縄支部長、木村滋さんの遺志引き継ぐ

12年目のサンゴ植付け
活動に参加した回胴遊商の組合員が両手で「さん(3)ご(5)!」のポーズで記念撮影

回胴式遊技機商業協同組合が11月8日、沖縄県宜野湾市の宜野湾マリン支援センターで、組合事業として毎年実施しているサンゴの植え付け活動を実施した。近隣の保育園児を招いて行う社会貢献活動で、今年で12回目。

午前11時。宜野湾市内の4つの保育園の園児たちが手をつないで宜野湾マリン支援センターに集まってきた。回胴遊商が12年間継続してきたこの事業は、沖縄のサンゴを守る活動を子どもたちと一緒に行っている点が大きな特徴だ。講師を務めるのはNPO法人コーラル沖縄の成田隆一事務局長。恐竜が環境の変化で死滅してしまったように、いま沖縄の海の動物であるサンゴも死滅の危機に瀕していることを、子どもたちにわかりやすく説明する。会議室の後方では、回胴遊商の組合員がその姿を目を細めて見守る。

植え付け作業の前には座学で沖縄のサンゴについて学んだ

講師を務めたコーラル沖縄の成田さん

コーラル沖縄が実施しているサンゴ植え付けプログラム「Save the Coral」では、こうした座学の後でセンターの倉庫内にある生簀に移動。水槽の中に用意されたおよそ5センチ四方の琉球石灰岩にサンゴの苗を輪ゴムで固定する作業を行う。このサンゴの苗は2~3カ月間陸上の蓄養施設で養生され、その後沖縄の海へ輸送してダイバーが海底の岩盤にコーキング材を用いて固定する。

サンゴは空気に触れると死んでしまうため、水の中に手を入れたまま植付けする点が子どもにとっては難しい。植付け作業は子どもたちが行い、回胴遊商の組合員がそれをサポートした。

空気に触れないように水の中でサンゴの苗を石灰岩に輪ゴムで固定する植え付け作業

輪ゴムで固定されたサンゴ

植付け終了後はセンターの屋上で昼食。レジャーシートを敷いて座る子どもたちに、九州・沖縄支部の組合員が朝から準備したバーベキューをふるまった。その後はお土産のお菓子をもらって園児たちは笑顔で保育園に帰っていった。

植付け作業の後は屋上でバーベキュー

九州・沖縄支部の林田伸一支部長は「毎年継続して実施できるのが一番いいこと。今年は首里城の火災もあった。小さなことですが、少しでも沖縄の人たちに勇気と希望を持ってもらえればと思っています」と活動の意義を語った。

回胴遊商が環境保全活動及び社会貢献活動としてこの取り組みを始めたのは12年前。当時、九州・沖縄支部の支部長だった木村滋さんが沖縄の組合員からサンゴの養殖の話を聞いたことがきっかけだった。

その木村元支部長が今年、67歳の若さで逝去した。林田支部長は「当時はまだ、支部としての環境保全活動及び社会貢献活動が明確に確立していなかった時期でしたが、その中で当時の木村支部長がいろいろなつてをたどってサンゴの植付けを企画してくださった。最初の頃は空き地の中にある小さな小屋でやっていたんですが、年数を重ねるうちにだんだん形になっていきました」と振り返り、「木村さんは九州・沖縄支部に大変貢献された大先輩。67歳という若さで逝かれたことはすごく残念。心からご冥福を祈りたい。その遺志は九州・沖縄支部がしっかりと引き継いでいきます」と故人への思いを語った。

九州・沖縄支部の林田支部長


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