No.10002230
ダイナム
ダイナムが茨城に新スタイル店舗
地域との共生 新たな付加価値に
茨城県東茨城郡の大型ショッピングセンター「イオンタウン」内に3月27日、ダイナムの新スタイル店舗『ダイナム茨城イオンタウン水戸南店』がオープンした。目指したのは“憩いが集まる場所”。創業以来、「新しいお客様の開拓」を至上命題に掲げるダイナムの新たな試みは、ホールの新しい付加価値の提案だ。
『ダイナム茨城イオンタウン水戸南店』は総台数388台で、2円パチンコ40台、1円パチンコ268台、10円パチスロ80台。本格的なカフェラウンジや高性能のWi-Fi環境、手持ちのスマホ・タブレットを利用した雑誌とコミックの読み放題サービス、1ボックスまるまる利用したペアシート、透明感のあるミニマルデザインな建築物など、パチンコホールとは思えない空間設計が目を引く。
新スタイル店のコンセプトは、「連れパチでの来店」と「地域コミュニティの中心地」。ターゲットにしたのは、中高年層の休眠ユーザーだ。プロジェクトリーダーで営業企画部部長の早川大悟さんは、新スタイル店出店の狙いを次のように話す。
「ホールの完全分煙化や新型コロナウイルス感染症の拡大など、ユーザーニーズが大きく切り替わるいまが、企業として大事な3年、5年、10年先を見据えた新規顧客獲得のための種蒔きの時期と位置付けた。これまでパチンコホールのマイナス要素と言われた、『たばこのニオイ問題』がなくなったことで新規客は格段に獲得しやすくなると思います」
新規プロジェクトチームではマーケティング理論に基づき、休眠層を含むノンユーザーにアンケート調査を実施し数万件の回答を得たほか、グループインタビューを行った。その結果、パチンコを始める、再開する要因として「低投資で遊べる」「入りやすい店作り」「家族や友人、恋人と連れ立って来店できる」などがキーワードとして浮かび上がった。
また、休眠ユーザーの中で特に中高年層の離反理由の多くが、「結婚」や「子育て」などの生活環境の変化で、遊技機の性能などが大きな原因ではなかった。パチンコホールに一定の付加価値を加えれば新規顧客の開拓に繋がるのではないか。その仮説に行き着き、ターゲットを中高年層の休眠ユーザーに絞った。
新スタイル店舗は入店しやすい店づくりとして、他業種を参考に無印良品などが採用するミニマルデザインを導入。不必要な装飾を極力排除したナチュラルな空間作りに努めた。家族や友人、恋人との連れパチを叶えるため、12組のペアシートを設置。1組ごとにタブレットを配置し、雑誌やコミックが無料で読めるサービスを導入して待ち時間を有意義に過ごせる工夫をした。
ダイナムでは昨年から、各地に計35人の地域共生担当を配置。彼らは事業所や地域住民を訪問し意見交換しながら、どうすれば地域の人々がダイナムに足を運んでくれるかを日々模索している。そこから生まれたアイデアの一つが、今回の目玉であるカフェラウンジの設置だ。ここでは週1回のペースでワークショップを開催予定。講師を招き、ネイルケアやアロマキャンドル作り、コーヒー教室など、パチンコホールに足を踏み入れたことのない主婦層向けの遊び場を提供する。
『ダイナム茨城イオンタウン水戸南店』の浅野洋ストアマネジャーは、カフェの重要性を強く感じていると言う。
「当店はイオンタウン内にあるため、パチンコを目的に外出しない方々へのアプローチも容易にできます。ホール内にあるカフェで様々な催しがあれば、ユーザー以外との接触機会が増えます。月に1回の店休日には、パチンコ無料体験会を開催します。ワークショップなどで地域の方々と交流しながら、パチンコ体験にも誘えたらと思います」
新規ユーザーの獲得は業界全体の課題でもある。時代とともに移り変わるユーザーのニーズをどう取り込むか。ダイナムの挑戦に注目したい。