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2022年06月24日
No.10002891

新刊案内
誤解だらけの「ギャンブル依存症」
当事者に向き合う支援のすすめ

2000年に日本で初めて開設されたギャンブルに問題がある人の回復施設「ワンデーポート」。施設長の中村努さんは、自らがギャンブルにハマり、自助グループをよりどころにしていた経験を持つ。

開設当時はパチンコ・パチスロが隆盛の時代で、「ギャンブル依存症」という言葉がマスコミで出始めていた。パチンコや競馬で大金を使い、消費者金融でお金を借りる。そんな人たちがギャンブル依存症と言われていた。中村さん自身が「ギャンブル依存は病気」という考えを持っていた。

それから22年。時代の変化もあり、中村さんの考えは大きく変わっていった。ギャンブルの問題を抱える人の背景は個別で多様。そのことを実感するにつれて、プログラムも一人ひとりをアセスメントして生活を改善する内容に変わっていった。いまでは入居者とともにランニングや畑仕事などで汗を流している。

本書ではそんなワンデーポートの変遷を中村さんがたどる。個別の事例も紹介して、複合的な支援がいかに必要かを説く。高澤和彦さんや稲村厚さんなどワンデーポートを支えてきた人たちの声も必読だ。後半は中村さんと専門家との対談で、ギャンブル「依存症」は病気とする医療モデルでの支援に警鐘を鳴らす。

中村さんはこの本を、「ギャンブルの問題を抱える人の家族の方にぜひ読んでほしい。いま国が推奨している向きあい方に弊害があることを知ってほしい」と願っている。

誤解だらけの「ギャンブル依存症」
当事者に向き合う支援のすすめ

編者/認定NPO法人ワンデーポート
著者/中村努、高澤和彦、稲村厚
発行所/彩流社
定価/本体1900円+税


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