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もっと働きやすく、もっと選ばれるためのSDGs ①
時代に取り残されないためのSDGs
SDGs&Career 赤羽良太
はじめまして、SDGs&Careerの赤羽と申します。私はジャパンニューアルファ社に務めながら、個人事業としてパチンコ業界を中心にSDGsの推進活動をしています。
業界歴はアルバイト時代を含めて約17年。店舗では約6年勤務し、その後採用担当者を経て、現在は総務部長兼採用担当として仕事をさせていただいています。
SDGsに関しては2021年10月から約半年ほど「Start SDGs」というビジネススクールやサスティナブルアカデミーが主催する合宿型の研修などに参加して、知識や考え方、そして手法を学びいくつかのSDGsに関する認定を取得しました。パチンコ業界の持続可能な、より良い未来を創るために、本コラムでみなさまに少しでも正しいSDGsに関する情報や考え方をお伝えできればと思っています。
そして、SDGsをもっと身近に感じていただき、自分ごととして一人でも多くの方にその有用性や重要性を知っていただければ幸いです。
SDGsは世界の共通言語
身近に感じることになった経緯
まず初めにご存知の方も多いと思いますが、SDGsについて簡単にお伝えします。
15年9月の国連サミットで、国連加盟193カ国全会一致で採択された、2016年~30年の15年間で達成するために掲げられた目標です。Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)として、17個の目標に対して169のターゲットがあり、232の指標で構成されています。
このままでは持続可能な未来は存在しないことが確実視され、各国が危機感を持ったことで全会一致となった国際目標です。
SDGsの言葉だけが独り歩きしている状況がありますが、実は文書の一部です。国連サミットで採択された正式文書はこちらです。
『Transforming our world:the 2030 Agenda for Sustainable Development(我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ)』
私たちに求められることは表面的な変化ではなく、根本的な変革であり、それは個人の意識変容と社会・経済のあり方が同軸で進行しなければいけないとされています。
世界の共通言語、世界の潮流とされる中、業界がSDGsに無関心でいることは時代に、そして消費者に取り残される(社会から選ばれなくなる)危険性が潜在しているのではないでしょうか。
SDGsは2015年に急遽設定された内容ではありません。実はSDGsの前身としてMDGs(ミレニアム開発目標)というものが存在していました。
MDGsは2001年から2015年を期限に8つの目標21のターゲットで構成され、そして15年を経て、その結果は「歴史上最も成功した貧困撲滅運動になった」と発表されています。なぜその後にSDGsが設定されたのか。それはMDGsでは解決し切れなかった問題が存在したためです。
MDGsという言葉を初めて聞いた方は非常に多いと思います。その理由は次のような変化が盛り込まれたためです。
① MDGsの取組主体は国連や政府、SDGsはさらに民間企業や個人も取組主体とされたため。
② MDGsは主に発展途上国の課題解決が目的、SDGsは先進国の課題も含まれるため。
ジェンダー問題や二酸化炭素排出量など、持続可能な未来を創るためには国や政府のみでは解決できないため、取組主体が広がり私たちも目や耳にする機会が増えました。
私がSDGsの推進に
取り組む理由
「パチンコ業界で遊ぶ人も働く人も、いつまでも笑顔でいられる未来を創りたい」。これが私の活動を支える想い=Whyです。
20年にコロナウイルスの感染が拡大しました。その影響で、なぜ業界はここまでバッシングを受け、理解し難い扱いを受けなければならないのかと、当時の私は憤りと悲しさを感じました。そして昔も同じようなことがあったな…と東日本大震災の頃を思い出しました。
いつの時代も社会問題が起こると、とかくパチンコ業界は社会からバッシングの標的にされがちで、その影響による経済的打撃は計りしれないほど大きいのです。
業界がこの先も安定的な成長を続けていくための持続可能性を高めるためには、遊技機の魅力や価値だけではなく、社会的存在価値をしっかりと獲得することが必要だと思いました。
私はパチンコ業界がCSR活動を長期間行なってきたことを知っています。こういった活動を絶え間なく行なっていることは、私が業界を好きな理由のひとつでもあります。
しかし、この活動が実は社会にあまり知られていないという現実があります。私たち業界の活動で喜んでくれる方は間違いなくいます。そして、業界を知りもしないのに批判する人に少しでも知ってもらう必要があります。
みなさんはご存知でしょうか。学校教育の方針となる学習指導要領が17年3月31日に公示され、新学習指導要領では『持続可能な社会の創り手の育成』を目指すこととされました。
20年には小学生、21年には中学生、22年からは高校生の学校教育でSDGsに関連する教育が始まっています。SDGsであれば小学生も知っていますが、CSRは分かりません。そして今、急速に国内のSDGsへの関心と認知度が高まっています。
業界のイメージを高める上でも、今の時代はCSRよりもSDGsを通じた広報やブランディングを推進することが分かりやすく伝わりやすい時代になっています。
次回はSDGsに取り組むメリットや気を付けなければならないポイントなどをお伝えしていきます。
まずはSDGsを知ってみたいという企業様へ2時間程度から始められるSDGsワークショップなどを開催しています。ぜひお気軽にご連絡ください。
sdgs.career@gmail.com
※『月刊アミューズメントジャパン』2023年1月号に掲載した記事を転載しました。