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2023年02月21日
No.10003302

パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」⑭
「LINEのセグメント配信」はどんな効果性があるのか?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役

「LINEのセグメント配信」はどんな効果性があるのか?
かじかわ・ひろのり 株式会社シー・エフ・ワイ 代表取締役CEO  パチンコホール企業で営業部長として、営業戦略や組織マネジメントの責任者で活躍し、2009年33歳でCFYを設立。提案力が強みのパチンコ店特化型広告代理店として評価を集め、会社を成長させてきた。パチンコセミナー多数登壇。業界誌でも執筆活動中。着物のギネス世界記録ホルダーであり「きものではたらく社長」としてブログも配信中。https

今回は、LINE公式アカウントの新しい活用方法である「セグメント配信」をパチンコ店で活用するとどんな効果が得られるのか、その効果性について実店舗の事例を取り上げながら解説します。

LINE公式アカウントは、パチンコ店の広告宣伝において今や欠かせないプロモーションツールとなっています。その背景としては、日本国内のLINE利用者数が非常に多く、2011年6月にサービスを開始して以来、10年以上経過している今でもLINEの利用者数は増加しており、それに伴ってパチンコユーザーの利用率も上昇しているということが挙げられます。

直近の発表(2022年3月)によると、LINE月間ユーザー数は9300万人(国内人口比74.2%)と、前回発表(2021年1月)の8600万人(国内人口比68.0%)からわずか1年で700万人増加しています。政府機関なども広く利用していることから、国内において最も信頼されている情報インフラツールであると言えるでしょう。プロモーションという観点では、「利用者数が多いツールを利用する」というのがセオリーですので、パチンコ店の広告宣伝においても欠かせないプロモーションツールになったことは自然な流れと言えます。

これまで、パチンコ店がLINEを活用する場合「いかに友だちを増やすか」に焦点が当てられてきました。それは、「友だち=顧客+顕在顧客」という認識のもと、より多くの友だちをキープすることに戦略的な優位性があったからです。その運用が適していたのは、LINE料金プランの無料メッセージ通数が今よりも多かったという背景があります。LINE料金プランは、過去何度か改定されてきましたが、改定ごとに「メッセージの有料化」「無料メッセージ通数の減少」が施行されてきました。

これによって、無料メッセージ数を超えた場合は追加料金が重くのしかかってくることになったため、「いかにコストを抑えて配信するか」、そして「いかにブロックされないか」という課題を抱えるようになりました。

一斉配信を基本としたLINEは、情報が全てのユーザーへ配信されてしまうため、不要な情報と認識されてブロックされてしまうことが少なくありません。パチンコ店は他の業種と比較してもブロック率が高い傾向にあり、ブロック率は50%を超えるケースも見受けられます。

時代の移り変わりとともに新しく出てきたのが「セグメント配信」です。セグメント配信とは、配信したいユーザーを選んで配信することです。LINEのベーシック機能ではセグメント配信の機能は付帯していませんが、LINE専用のCRMシステムを導入することでセグメント配信が可能になります。セグメント配信によって配信したいユーザーだけにメッセージ配信することで「コスト」と「ブロック」の2つの課題を解決しながらLINEを効率良く運用することができます。では、セグメント配信はどのくらい効果があるのでしょうか。


まずは「コスト削減」の事例を見てみましょう。友だち数3500人、月間配信18回のホールA(千葉県)は、毎月のLINEの請求額が8万1096円でした。LINEのセグメント配信を活用するようになってから無料メッセージ通数の範囲内で収めることができたため、請求額は4万5000円となりました。

友だち数6300人、月間配信16回のホールB(大阪府)は、友だち数が多いこともあって毎月のLINEの請求額は18万1240円でした。LINEのセグメント配信を活用するようになって、毎月の請求額は6万5000円となり、11万6240円のコスト削減に成功しました。

このように、セグメント配信を活用するとコスト削減という課題を解決することが可能となります。

次に「ブロック率低下」の事例を見てみましょう。友だち数2400人、駅前500台規模のホールC(埼玉県)は、毎月25人のブロックが発生してしまっていました。そこでセグメント配信を活用し、「配信するターゲット」と「情報の内容」をミスマッチさせないように運用を行いました。その結果、毎月のブロックは8人となり、新規ブロックを17人減少させることに成功しました。

友だち数7200人、郊外1000台規模のホールD(神奈川県)は、平均で毎月52人のブロックが発生してしまっていました。同じくLINEのセグメント配信を活用し、「配信する情報」と「集客したい機種」の関連性を意識して運用を行いました。その結果、毎月のブロックは11人となり、新規ブロックを41人減少させることに成功しました。このように、セグメント配信を活用するとブロック率という課題を解決することが可能となります。

LINEのセグメント配信は「コスト」と「ブロック」という課題を解決し、集客や業績アップにプラス効果を生み出すことが可能となります。ぜひ、LINE専用のCRMシステムを導入して新時代のLINE運用である「セグメント配信」を活用してみてはいかがでしょうか?

※『月刊アミューズメントジャパン』2023年2月号に掲載した記事を転載しました


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