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2023年07月26日
No.10003689

もっと働きやすく、もっと選ばれるためのSDGs⑦
いよいよ待ったなしの時代に
SDGs&Career 赤羽良太

いよいよ待ったなしの時代に
あかばね・りょうた 1981年11月19日生まれ。拓殖大学在学時、ジャパンニューアルファにアルバイトとして入社。卒業後社員に登用され、総務部長兼採用担当を務める傍ら、2022年2月から個人事業SDGs&Careerとしてパチンコ業界へのSDGs推進の活動を始める。大切にしている言葉は「1人の100歩より100人の1歩」

第6回ではSDGsに取り組む上で重要なWhyを探求し言語化すること、そして「ゴールデンサークル理論」をお伝えいたしました。

私はSDGsを経営戦略の柱として取り組むことが業界や企業力の向上に貢献すると信じています。なぜならこれからの時代は“社会貢献しながら稼ぐ”という視点が必要不可欠だと考えているためです。

さて、約半年間に渡りSDGsについてお伝えしてきましたが、みなさんにはどう感じていただけているでしょうか。

経済的にも有益な取り組みになると共感いただけた方もいらっしゃれば、そう感じられない方もいらっしゃるかと思います。

今回は最新の統計に触れながら、世の中がSDGsに対してアクションを始めている理由についてお伝えしていきたいと思います。

我々の世界は永遠ではない
アースオーバーシュートデー


私たちの生活は地球資源をさまざまな形に変え活用することで支えられています。そして資源は有限であり、再生・生産量以上に消費すれば枯渇してしまいます。

アースオーバーシュートデーとは、1年間に地球の生態系から供給される生物資源(バイオキャパシティ)と人類の使用量(エコロジカルフットプリント)を比較して、国際環境シンクタンク「グローバル・フットプリント・ネットワーク」により発表される指標です。

本来、私たちは1年間に供給される資源を1年以上かけて使わなければなりません。

図1は、緑軸がバイオキャパシティ、赤軸がエコロジカルフットプリントです。

図1

2022年をご覧ください。色の境目は正確には7月28日となります。この日をアースオーバーシュートデー(地球の破綻日)と呼び、今の世界は1年間を地球1.7個分の生活をしていることになります。

驚くことに日本のアースオーバーシュートデーは世界水準よりも早い5月6日とされています。図2をご覧いただくと、私たちは今、地球2.9個分の生活をしていることになります。本来は次世代に残すべき資源を1.9個分前借りしている状態になっています。

図2

果たして今のままで良いのでしょうか。SDGsというワードだけではなく「環境に配慮した」「サスティナビリティー」「人権」という言葉を目にする機会が増えたと思います。

いま、地球1個分の生活を目指す動きが始まっています。このうねりはやがて大きな波となり、私たちのビジネスにも影響を及ぼすと考えています。

各々の業界や企業が持つ力を活かし、社会貢献しながら稼ぐという視点がこれからの社会には必要とされるのではないでしょうか。

SDGs待ったなしの時代に

2023年5月12日、電通が第6回「SDGsに関する生活者調査」を発表しました。調査結果として、いよいよ認知度は9割を超える状況となってきました。そして、多くの方がSDGsに取り組む企業に対してポジティブな印象を抱くという結果が出ています。(図3)

図3

SDGsを理解している年齢層では10代が最も高い統計となりました。そう遠くない未来に経済を動かす中心になる世代が、SDGsをスタンダードに理解している層になるのではないでしょうか。

企業がSDGsに取り組むことで良い影響があると回答した人は「企業への印象が強くなる」「好感度が上がる・応援したくなる」「信頼感が増す」など感じているようです。(図4)

図4

これまでSDGsに取り組むことで享受できる可能性がある5つのメリットについてお伝えしてきました。

1 受注が増加する
2 消費者に選ばれる
3 価格競争に巻き込まれない
4 優秀な人材を採用できる
5 経営者も従業員も幸せに働ける


パチンコ業界は採用で大変な苦労を強いられてきたと私は認識しています。この先、少子化の影響が高まると予測される中、業界や企業が学生から選ばれるための取り組みなくしては、最低でも現状維持でありそれ以上の環境を創り出すことは難しいのではないでしょうか。

当然ながら業界がこの先さらに発展するためには、採用だけではなく一般消費者からも選ばれる必要があると考えています。社会から選ばれ続けるためにSDGsに取り組むことは、業界としても、このコラムを読んでくださっている方の企業様に対しても有益であることに共感を得られたら幸いです。

※『月刊アミューズメントジャパン』2023年7月号に掲載した記事を転載しました。


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