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パチスロに新たなゲーム性 ボーナストリガーを発表|日電協
日本電動式遊技機工業協同組合は8月26日、「新しい遊技性のパチスロ」の記者発表会を開催した。発表会には日工組の榎本善紀理事長、盧昇副理事長も同席した。
冒頭であいさつした日電協の小林友也理事長は、現在のパチスロ市場について「スマスロのAT機が2024年7月末時点で市場遊技機の40%を超える約56万台が設置されている一方、いわゆるノーマルタイプに関しては、市場に約40万台が設置されているものの、その遊技機の構成は極めて画一的になっている」との認識を示した上で、ノーマルタイプはAT機と比較して遊技性が極めて限定的で、多様な遊技機開発が難しい状況にあるという課題を指摘。「現在の市場は多様で複雑な遊技性を持ったAT機と、極めてシンプルな遊技性で、かつAT機と比較して出玉性能がかなり低いノーマルタイプに二極化した状態であり、既存ユーザーの選択肢を狭めるだけではなく、ユーザーの離脱の助⾧や、新規ユーザー獲得の足かせになっている」との認識を示した。
その上で日工組と日電協がAT機とノーマルタイプの中間的なスペックで、ノーマルタイプの遊技性を1歩進めた新たな遊技性の創造を目指す方向性について警察庁に要望を続けていたと経緯を説明し、「今回、解釈基準の変更により新機能ボーナストリガー(BT)の搭載を実現することが可能となった。BTは射幸性に頼らないシンプルで遊びやすい遊技性であり、二極化した状態の中間地点となるところを目指している。現在より多種多様で、ユーザーに幅広い選択肢を与え、新たなパチスロ市場を創っていけるものと確信している」と自信を示した。その後、日電協の大泉秀治副理事長(技術委員長)がBTの概要を説明した。
説明によると、BTは規定数固定機能(※遊技枚数:3枚掛け、2枚掛けなどを遊技機規則上は「規定数」と呼称)を搭載することで可能になったもの。従来のノーマルタイプは遊技者が規定数を選択でき、遊技枚数によってボーナス当せん確率などの性能が設定されているが、BT機ではボーナス終了後に規定数が3枚または2枚のどちらかに固定される。その結果、ボーナスによってその後の通常遊技で遊技できる規定数が1つのみとなるため、ボーナス終了後に性能が変わるという。
BTによって実現される仕様例としては、通常遊技の3枚掛けの性能(ボーナス当せん確率など)に対して、2枚掛けの性能を高く設計した遊技機において、BBの当せんによって、ボーナス終了後は2枚掛けに固定、RBの当せんによって、ボーナス終了後は3枚掛けに固定とすることで、「BB当せんの終了後はボーナス高確率遊技」、「RB当せんの終了後は通常遊技」になるといった遊技性を例示した。
なお、BTタイプはスマスロとメダル機(6号機)のどちらでも製造が可能。メーカー各社がこれから開発に取り組むため、市場への投入まで1年後程度はかかる見通しだという。
ボーナスで出玉を増やすノーマルタイプの遊びやすさに新たな機能が加わることで、パチスロユーザーの裾野が広がることが期待できそうだ。■
文=アミューズメントジャパン編集部