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2026年05月22日
No.10005222

新規ユーザー獲得へ 「お試しプレイ」 どう活かすか

 新規ユーザー獲得へ 「お試しプレイ」  どう活かすか

『推しパチの日・推しスロの日』
プレテストに1980店舗


パチンコ・パチスロ産業「推しの日」委員会が5月2日と3日、「推しの日」のプレテストを実施した。このプレテストには全国で1980店舗のホールが参加。ホール内でパチンコ・パチスロ遊技を無料で提供できる「お試しプレイ」で、新規顧客開拓に向けた大きな一歩を踏み出した。

マルハン新宿東宝ビル店

マルハン東日本カンパニーでは全100店舗が「推しの日」の趣旨に賛同してプレテストに参加した。旗艦店である『マルハン新宿東宝ビル店』(東京都新宿区:総設置台数1225台=パチンコ561台・パチスロ664台)では“パチンコに触れるきっかけづくり”を念頭に置いて、初心者や若年層が入りやすい導線づくりを意識して、パチンコ3台、パチスロ3台で「お試しプレイ」を実施した。

「お試しプレイ」の機種選定について遠藤大介店長は、「まずは『あそこでやっている』と視認できる場所であることを重視しました。加えて初心者はアニメ版権の機種との親和性が高いと考えて入り口のすぐそばにある『エヴァンゲリオン』を選びました」と話す。同店はエスカレーターを上って遊技フロアに進む動線のため、入店する誰の目にも触れる場所だ。店舗の構造上、パチスロコーナーはプレイヤーの動線から離れてしまうため、まずパチンコで起点を作った上で「パチスロ体験もできます」というオペレーションで臨んだ。

最初に来店したのは、SNSを見て訪れた若いカップル。女性は未経験者で、「こういう機会は助かる」という声も聞かれた。一方で、想定外だったのが高年齢層からの反応だ。スマパチをまだ触ったことがない高年齢層のユーザーから「無料だったら打ってみたい」との声が上がった。自分たちが想像していなかった既存ユーザーからの要望も散見された。他にもコロナを機に離れてしまった客から、「またやってみようかな」という問い合わせもあったという。

営業企画部の秋山浩一チーフは、『AnimeJapan』や『ニコニコ超会議』など、大型のファンイベントで若年層との接点が増えていることを踏まえ、「業界としても良い流れだと思う。実際にホールでの遊技体験につながる機会はこれまでになかった取り組み。“推し活”やアニメ文化との親和性も感じられた」と、パチンコ・パチスロの新規ユーザー獲得への施策として手ごたえを感じていた。

パチンコは入口を入ってすぐの場所にお試しプレイコーナーを設置

プレテストの両日に限り追加され限定賞品はカタログから選ぶ方式で提供

遠藤店長

ダイナム金町南口店

ダイナムは全国に展開する全388店舗で「推しの日」のプレテストを実施。会社を挙げて、ファン創造に向けた新たな施策に取り組んだ。

保坂明社長は3月31日に行われた全社方針発表会で、プレテストに関して全社で取り組むことを宣言。これを受けて「推しの日」に関わる部署のタスクチームを立ち上げ、ダイナムとしての取り組みの方針を固めた。その概要はこうだ。

「推しの日」には全店が参加すること。設置台数はパチンコ・パチスロそれぞれ10台以上。パチンコでは、大当たり確率約1/99のスマパチPB機『e AぷらねっとアポロGO』を原則として設置、若年層の未経験者を対象としたコンテンツを考慮した遊技機選定をすること。これらが全店舗に伝えられた。

ダイナムジャパンホールディングス政策渉外担当の新福克得マネジャーは、「お試しプレイ対象機種は、全388店舗で7821台。お試しプレイコーナーは、初来店でも視認しやすいようにコーナー化して、メインとなる出入口や中央通路からの動線を加味して設置を検討するように指示しました」と話す。

当日はパチンコ・パチスロそれぞれのお試しプレイコーナーに専属スタッフを一人以上配置、常に遊技客からの質問にも答えられるように準備した。遊技時間は基本的に一人2時間まで。遊技終了後には、「推しの日」に関するアンケートへの協力もお願いした。

「『推しの日』をどう活用して新規ファンを獲得するのかを主体的に考えて取り組むことに意義があると考えています。具体的には、既存のお客様にお友達を連れてきてもらう連れパチを促進する工夫などを現場がどう考えて行動するか、そのプロセスが重要だと捉えています」(新福マネジャー)

プレテスト当日、『ダイナム金町南口店』(東京都葛飾区:総台数680台=パチンコ320台・パチスロ360台)ではパチンコ10台、パチスロ8台の計18台をお試しプレイ対象機種として準備。設置機種は、学生が多いエリアの特性から若年層に人気の漫画やアニメのコンテンツの機種を選定した。

パチンコはメインの入口から入ってすぐ、パチスロは2階に続くエスカレーターを上った先に設置。「推しの日」実施日は専属スタッフ配置のためにシフトを2人追加。以降はアルバイトスタッフにも任せられるような体制を整えた。

同店でお試しプレイを体験したユーザーは、2日間合計で39人。既存ユーザーの学生が初心者の友達を連れてくる「連れパチ」や、喫煙所に立ち寄った未経験者、スマート遊技機を遊技したことのない休眠層など、さまざまな層が「推しの日」を楽しんだという。

渡辺一志ストアマネジャーはプレテストの重要性について、「ノンユーザーが気軽に来店できるきっかけ作りは必要だと感じていました。業界全体で取り組む『推しの日』は、その絶好のチャンス。将来のユーザーを生み出す一歩になると感じています。そのためには、これだけで終わることなく継続して実施することが大切になると思います」と今後を見据えていた。

屋外の大型ビジョンで「推しの日」を告知

未経験者を誘っての「連れパチ」を提案

渡辺ストアマネジャー

マルハン上小田井駅前店

『マルハン上小田井駅前店』(名古屋市西区:総台数1550台=パチンコ781台・パチスロ769台)は、名鉄犬山線と名古屋市営地下鉄が乗り入れる上小田井駅に隣接する店舗。駅のホームからは店舗の大型ビジョンが目に入る。

津吉克哉マネージャーは「推しの日」に関するマルハン北日本カンパニーの考えについてこう語る。

「当社は『推しの日』に積極的に取り組んでおります。その背景には、パチンコファンを増やすことを企業の目的の一つとしていることがあります。旗艦店のひとつである当店では、多くのノンユーザーやスリープユーザーが気軽に遊技を体験していただけるように、パチンコ20台、パチスロ18台の計38台を設置してこの日を迎えました」

「推しの日」を前にした準備もできることはすべて取り組んだ。来店してほしい人は、ノンユーザーやスリープユーザー。そのために上小田井駅から見える屋外ビジョンに推しの日の案内を流し、駅利用者へのティッシュ配りも行った。さらに同社が行っているボランティア活動「地域共創活動」で関わりがある地域の「こども食堂」のスタッフへの声かけなども行ったという。

「自分たちの手の届く範囲での直接的な訴求はやらせていただきました」(津吉マネージャー)

「お試しプレイ」のコーナーは、1円パチンコ・5円パチスロの視認性が高い場所を使用。全38台をアニメ版権モノなど若年層を意識した機種で揃えた。入口から「お試しプレイ」コーナーまでは随所に立て看板を設置。常時2人が遊技をサポートする体制で臨んだ。
 
「お試しプレイ」で遊技した人は1日目98人、2日目74人の合計172人。すべての遊技者にアンケートに答えてもらった。そのうちノンユーザーが11人、1年以上離反しているスリープユーザーが6人だった。津吉マネージャーは「今回の施策で来店してほしかった人は17人で、お試しプレイをした方の約10%でした。店内の告知物を見て来店・遊技された方が大半だったため、既存ユーザー以外へのアプローチに課題が残る結果となりました。とはいえ、企画としてはすごく良かったので開催した意義はあったと思います。今後は業界としてインフルエンサーなどを通してお試しプレイをアピールしていくことが必要ではないかと感じています」と総括した。

 一方でメーカーによる限定賞品についてはまとめて交換する人もいたという。「メーカーのグッズは人気があるので、今回の『推しの日』は既存ユーザーには限定賞品、新規ユーザーにはお試しプレイと、それぞれにメリットを提供できたのではないでしょうか」(津吉マネージャー)

18台を揃えたパチスロのお試しプレイコーナー

入口からお試しプレイコーナーまでの動線にはしっかり立て看板を設置

津吉マネージャー

サンシャインKYORAKU平針

京楽産業グループの『サンシャインKYORAKU平針』(名古屋市天白区:総台数888台=パチンコ480台・パチスロ408台)では3日、「推しの日」を活用して「はじめてのパチンコ体験会」を開催した。グループ会社にKYORAKU吉本.ホールディングスがあるメリットを活かし、人気芸人を招いてパチンコ未経験者に関心をもってもらう施策だ。

同店ではこの日、パチンコ10台、パチスロ8台、計18台で「お試しプレイ」を実施した。体験会は2部制で、事前抽選で選ばれた各会7人計14人が参加した。

この日招かれた芸人は、こりゃめでてーな伊藤こう大さんと、ピスタチオ伊地知さん。遊技をサポートするために大学ぱちスロ部の豊田悠真さんと河合飛翠さんが駆け付けた。

体験会はまず、店舗3階の会議室での座学から始まった。伊藤さんと伊地知さんが玉の借り方、玉の打ち方、大当たり後の右打ち、カード精算や賞品の受け取り方などを軽快なトークで指導。店舗で朝の入場時に使用するお馴染みの抽選機を使って、お試しプレイで使用する遊技機を順番に選んだ。

その後1階の遊技フロアの「お試しプレイ」のコーナーに全員が集合。1時間にわたってパチンコを体験した。遊技中は伊藤さん、伊地知さん、豊田さん、河合さんが付き添って演出の熱さなどを解説しながら遊技。1時間の遊技時間の間に全員が大当たりを体験できた。試打終了後は再び会議室へ。参加者から感想を聞いた。

この日の体験会について伊藤さんは「無料で打てる台があるっていいですよね。パチンコ好きの芸人はたくさんいるので、お試しプレイで業界のみなさんのお役に立てればいいなと思います」と話していた。

遊技を盛り上げたぱちスロ部の豊田さんは「推しの日」について、「新大学生が入学して1カ月。今年も100人ほどがぱちスロ部に入ってくれました。タイミングが良かったのでお試しプレイを1年生に告知したところ、打った部員からLINEで続々と連絡が来ています。こうした日がもっとたくさんあれば遊技へのハードルが下がるので、頻繁に開催してほしいです」と、今後の「推しの日」に期待していた。

座学では参加者に遊び方をレクチャー

参加者全員が大当たりを体験

左から豊田さん、伊地知さん、伊藤さん、河合さん


「推しの日」とは
正式名称は、「推しパチの日・推しスロの日」。パチンコホール関係の業界4団体(全日遊連、日遊協、MIRAI、余暇進)が、遊技機メーカーの2団体(日工組、日電協)と連携して取り組む、ファン創造に向けた新たな施策。5月2日・3日に実施した「推しの日」の実施概要は以下の通り。

①お試しプレイの提供
スマートパチンコ・スマートパチスロの無料体験。賛同ホールでは両日、一部のスマート遊技機を終日遊技料金0円で遊技できる。対象となる機種や体験者1人当たりの遊技時間は、賛同ホールが任意に
設定する。ただし対象機種の台数は、1店舗当たり最少1台から最多40台(スマパチ、スマスロ各20台)まで。なお遊技料金が0円でも営業行為に当たるため、18歳未満者の入店・遊技はできない。

②限定賞品の取り揃え
プレテストが実施される両日に限り、賛同ホールの景品ラインナップに限定賞品が追加される。通常遊技による出玉・貯玉で交換が可能。お試しプレイによる出玉では交換できない。店内に現物を用意しないカタログ方式を採用し、交換希望者はカタログギフトを選ぶときのようにページを繰る。限定賞品となるアイテム種別や価格帯の設定は、メーカーサイドに一任された。


文=アミューズメントジャパン編集部


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