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2018年02月15日
No.10000517

パチスロ6号機で予想されるATタイプとは?

回胴式遊技機製造業者連絡会が1月31日に発表したパチスロの6号機基準。傾斜値に関する規制が廃止されたことで、機種開発のバリエーションが広がったとみられている。これにより、どのようなパチスロが開発可能なのか。

6号機基準が発表される前、一部では「規制緩和か」との声も上がっていたが、実際には射幸性抑制を目的とした改正規則が変わるわけではないので、出玉性能が5号機を上回ることはない。それでも、あるメーカーの開発者は「この基準ができたことで6号機の可能性は大きく広がった」と胸をなでおろす。射幸性の大幅アップには結びつかないが、多様なゲーム性のパチスロが開発可能になるからだ。

大きなポイントは「傾斜値2・0枚未満」(1Gあたりの増加枚数を2・0枚以下にする規制)と「入賞Sim出玉率1未満」(いわゆる「AT」機能のみで出玉を増やすことをできなくする規制)という2つの規制が廃止された点だ。これによりATタイプが作れるようになった。

では、この6号機基準で実現できるパチスロはどんなスペックになるのだろうか。
5・5号機以降に定められた「入賞sim出玉率1未満」がなくなったことで、ATによって出玉が増やせることになるが、これをもって出玉性能が高まると言えるわけではない。

改正規則では400G、1600G(6号機から新たに加わった)、6000G、1万7500G試験すべてに出玉率の下限・上限が定められた(5号機は400G・6000Gの試験では下限制限はなし)。400G試験で、出玉率の上限が220%(5号機は300%)。仮にAT機をつくる場合、純増枚数が増えれば増えるほど、逆に非AT区間の割合も高めて400G間で220%をこえないように出玉を抑えなくてはならない。純増5枚でつくろうとすれば非AT区間の割合が約33%程度、G数では400G中平均約130G(時間換算すると1時間あたり20分前後)が非AT区間になってしまう。

例えば、一撃400G継続するAT(純増1200枚)をつくろうとすると、純増3枚以下に抑えることで出玉率の上限220%以内に収めることが理論上可能だ。この数値だけを見れば5号機の傾斜値2・0枚規制が撤廃されたメリットは大きいように見える。

しかし、6号機から新たに加えられた1600G試験(出玉率の上限150%未満)の場合、純増3枚/Gでも非AT区間を約690Gほど設けなければならない。1600Gのプレイには約2時間以上かかるが、その43%にあたる690Gともなると、時間にして約1時間近くがATに入れられない時間となってしまい、これもまた現実的ではない。

こうしたことから予想されるのは、5号機以上の高純増AT機の性能を1時間以上継続して活かすことは現実的に期待できず、2時間の中でAT区間と非AT区間をならした場合の純増が約1・3枚、最大獲得枚数約2000枚に抑えたものが、「1600G試験、出玉率150%」に適合しやすい6号機のAT機の出玉性能と現時点では見られている。

もっとも、最大1500Gで発動するART・ATの強制初期化機能は、それ以下のゲーム数で発動させてもかまわない。あるメーカーの開発者は、「ストッパーを複数搭載して、例えば純増3枚のATが400Gで強制終了するようにすれば、純増2・0枚の5・5号機や、5・9号機よりも ”瞬間的な純増“が多い機種が作れるのではないか」と言う。

1万7500G試験の影響として挙げられるのが、50枚あたりのベース(回転数)だ。出玉率の下限は60%(5号機は55%)なので、リプレイ確率を最大限抑え(約1/7・3)、かつ不適合リスクをなくすためには最低でも約51G/50枚以上が必要とされている。

以上のことから、6号機ATタイプの予想される性能をまとめてみたい。①純増枚数は5号機以上が可能、②ベースは約51G/50枚以上、③MY・コイン単価の低下(1600G試験以上で出玉率の下限を新設した影響)。

さらに、5・9号機と比較してみると、①純増枚数は6号機の方が高い、②2時間以上遊技した際の出玉感は5・9号機の方が高い、③MY・コイン単価は5・9号機の方が高い、ということが言えそうだ。

6号機の登場当初は、「短時間勝負に適した6号機」「中・長時間勝負に適した5・9号機」という棲み分けが予想される。しかし、時間が経ち6号機のゲーム性や出玉システムが円熟してくれば「中・長時間勝負に適した6号機」が市場に投入されてくる可能性はある。

いずれにしても今回の6号機基準は、パチスロの射幸性を高めるものではない。むしろ、有利区間の規制が「最大1500回もしくはMY最大2400枚で終了」となったことを考えれば、今後出てくる5・9号機の方が出玉に関しては期待が持てるのではないだろうか。

しばらくは、5・9号機と6号機の「並走期間」が続く。最も大切なことは、それぞれの機種の特性をしっかりと見極め、自店の客層や営業形態に合わせた機種選定をしていくことだろう。


※週刊アミューズメントジャパン2月5日号で掲載した記事を転載しました。


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