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2019年02月01日
No.10001006

日本政府観光局
インバウンド3000万人突破
増えない「1人当たり支出額」が課題

インバウンド3000万人突破

2018年に日本を訪れた外国人旅行者は3000万人を突破し、過去最高3119万2千人に達した。総旅行消費額は4兆5064億円で、1人当たりに換算すると15万3千円だった。

日本政府観光局の統計によると、2018年に日本を訪れた外国人旅行者は、前年より8・7%増え過去最高3119万2千人に達した。昨年の日本は自然災害が多発したため、日本への旅行の手控え感があった。それにもかかわらず、1年間では好調な伸びを維持した。

訪日外客数を国・地域別に見ると、最も多いのは中国(香港・マカオを含まない)で838万人、構成比は26・9%。次いで多いのが韓国で753万9千人、構成比は24・2%。3番目に多いのが台湾で475万7千人、構成比は15・3%。中国からの訪日者数は前年比13・9%と好調な伸びを続けている。

日本への旅行者数が多く、その増加率も高い国としてはタイが挙げられる。一人当たり名目GDPはいまだに日本の2割未満にとどまっているが、緩やかながら日本以上の経済成長を続けている。その中で、中間層および富裕層人口が急速に増えていることが、海外旅行者が増えている理由だろう。

日本への旅行者数はさほど多くないものの前年からの伸び率が大きかったのはベトナム。伸び率は26%で、38万9千人が訪れた。

伸び悩む旅行支出額
いかに消費してもらうか


訪日外国人旅行者の総支出額は4兆5064億円。推計方法の変更があったため単純な比較はできないものの前年を上回り過去最高を更新した。国籍・地域別に見ると、旅行支出額が最も多いのは中国で1兆5370億円、構成比は34・1%。次いで韓国で5842億円、構成比は13%。

旅行支出額を1人当たりに換算すると15万3千円で前年より微減。国籍・地域別に見ると、1人当たり旅行支出額が最も多いのはオーストラリアで24万2千円。次いでスペインで23万7千円。オーストラリアおよびヨーロッパからの旅行者は、アジア地域からの旅行者と比べて、平均滞在日数が3倍程度長いことも一因。1人1泊当たりで計算すると、香港、中国からの旅行者の消費額が抜きんでて多い。

1人当たりの旅行支出を費目別に見ると、買物代が5万1千円、宿泊費が4万6千円、飲食費が3万4千円、交通費が1万6千円、娯楽等サービス費が6千円。平均滞在日数は9・1日のため、娯楽等サービス費には1人1日当たり654円しか使っていない計算になる。オーストラリアからの旅行者の娯楽等サービス費支出は、他の国・地域からの旅行者と比べて突出して高い(全体平均の約2倍)が、北海道・ニセコに代表されるスキーリゾートを訪れる旅行者が多いためだろう。

訪日外国人旅行者が増えている一方で、1人当たりの旅行支出は2年連続して微減している。「観光産業」という視点から見ると、総支出額の拡大こそが本質的な目的だ。政府は2030年に訪日外客6000万人、旅行支出額15兆円という目標を掲げているが、これは、訪問者数を2倍にして消費額を3・3倍にするということ。増加する観光客の迎え入れには、インフラ整備という支出を伴う。日本にとっての収入(=訪日外客の旅行支出)が増えずに支出が増えては、本末転倒となる。いかにして1人当たりの支出を増やしてもらうかが課題だ。


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