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2020年10月26日
No.10001964

善都が開発 新入社員研修 22日間のOFF-JTを来春開講
厚生労働省「人材開発支援助成金制度」で費用負担軽減 

愛知・岐阜で「ZENT」のブランドでホールを展開する善都(愛知県)が開発・整備した新入社員研修(OFF-JT)が来春、他ホール企業向けの公開研修として開講する。厚労省・人材開発支援助成金活用で企業の費用負担は大幅に軽減される。

ホール企業は常に人手不足の状態で、新規学卒者も数日のOFF-JTの後、現場に配属されOJTを通じて業界知識や業務を学んでいく。一般的にOFF-JT期間は企業規模が大きいほど長い傾向がある。これは店舗人員に余裕があるということもあるが、初期教育の重要性の捉え方の差だろう。社会人としての自覚はもちろん、企業のコンプライアンス、風適法事業者としてのコンプライアンス、接客接遇の知識、設備についての知識など、覚えなければならないことは多岐にわたるからだ。

愛知・岐阜を中心に「ZENT」の屋号でホールを展開する善都(愛知県豊田市)は2019年春の新入社員研修期間を大幅に伸ばし、22日間の社外OFF-JTに参加させた。ビジネスマナーに始まり、小売業のマーチャンダイジング、マーケティング、接客、顧客管理、計数管理など多岐にわたるもので、従来の新入社員研修よりはるかに難易度の高い内容だった。
人材開発を担当する同社総務人事部の羽山雄介採用課長は、新入社員研修の拡充の理由をこう語る。

「この年の新入社員研修は外部の研修会社の『小売業コース』に参加したため、ホールの実務に直結しない部分もあったが、いずれは身につけてほしい内容でもあった。ビジネスの全体像を理解した上で仕事を始めるのと、全体像を知らないまま目の前の業務をこなしているのでは、おのずと差が出るはず」


これに加えて、助成金を活用でき企業負担が非常に軽かったこと、助成金の申請手続きを理解したかったことも理由だった。同社の場合、結果的には申請額の約9割が助成金として戻ってきた。

この経験を踏まえて同社は、愛知県を中心とした中小企業向けの社員研修で長年の実績がある研修会社(愛知県)と提携して遊技業界向けに特化した22日間のOFF-JTによる新入社員研修プログラムを整備し、今春の新入社員研修に導入した。従来は店舗に配属する前のOFF-JT研修ではほとんど教えていなかった、カウンター業務、遊技台の入替、不正対策、依存症対策、計数管理なども盛り込んだ。

「年々、パチンコのことを知らない新入社員が多くなっているという現実があるため、業界知識や店舗業務知識は昔以上に丁寧に時間を割いて、店舗配属の前に教える必要性を感じていた。これらをOFF-JTで一元化して最初に教えることで、店舗のOJT負担も大幅に減らせると考えた」(羽山課長)

新入社員研修を
他ホール企業に提供


この新入社員研修は、22日間のOFF-JTの後、店舗に配属され実務の中で約4カ月間のOJTが組まれているので、9月末で一区切りがついたところだ。研修担当の真中恵子さんは、「配属店舗のメンターや店舗管理者から『ある程度の知識があるため、例年よりも業務の覚えが早い』などの評価を得ています」と言う。

善都はこの「遊技業人材養成コース」を、来春卒の新入社員を対象にした公開研修として他ホール企業に向けて開講する。ホール企業なら新入社員を1人からでも参加させることができる。これまで新入社員研修がOJT中心だったホール企業や、遊技業界に特化した網羅的な研修を自社で実施するのが難しかったホール企業にとっては朗報だ。

この「遊技業人材養成コース」の主な特徴は次の3点だ。

第1は、研修内容の約7割を占める遊技業界知識やホール業務実務に関する内容が、善都が自社の新入社員研修のために整備したものという点。講師を務めるのも同社の研修担当社員だ。風適法や各規則などの遊技業界の基礎知識に始まり、遊技台および遊技場設備の知識、基本接客、クレーム対応、カウンター業務、遊技台入替業務、セキュリティ、依存症対策、計数管理を学ぶ。

第2に、22日間の集合研修の後、研修参加者は自社に戻った後の約4カ月間、所定の「業務日報」を書くという形でOJTが続く。OFF-JTとOJTを効果的に組み合わせることで研修効果を高める。

第3に、厚生労働省の「人材開発支援助成金制度」に対応するようOFF-JTとOJTが設計されている点(※)。店舗に戻った後のOJTも賃金助成の対象にでき、受講費用1人35万円(税別)に対して、最大74万2400円が助成される見込みだ。※助成金の支給を保証するものではない。

「22日間のOFF-JTは長いと思われるかもしれませんが、ホール企業で働く以上、いずれ覚えてもらわなければならない知識です。しかもこれらの知識は、入社した企業や配属された店舗によってバラつきが出てはならないこと。ぜひ新入社員研修にご活用いただきたい」(羽山課長)

2021年の新入社員研修は、新型コロナウイルス感染症拡大の特例で、オンライン受講も助成金の対象となる予定。その場合、遠隔地のホール企業も新入社員を参加させやすくなるはずだ。


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