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2021年08月02日
No.10002392

1プランで2機種分の運用
機械代を抑えて新台導入リスク軽減へ
Daiichiバリュープランの概要

機械代を抑えて新台導入リスク軽減へ

Daiichiグループが本格的に開始した遊技機販売における「Daiichiバリュープラン」(以下、Dバリュープラン)。ホールが資産として遊技機を購入するいままでのスタイルから、遊技機を借り受けて運用するスタイルへと変化をもたらすものだ。メーカーが遊技機評価のリスクを負うため、ホールの新台導入リスクの軽減につながりそうだ。

Dバリュープランは、基本的に遊技機のレンタルという位置づけになるが、一般的なレンタルプランとは異なり、メーカーが遊技機評価のリスクを負い、ホール側のメリットを最大化させている点が大きな特徴だ。

通常、遊技機を購入した際に機械代を回収する期間は、稼働状況が良い機種でも平均3カ月程度。利益を出すのはその後となる。

逆に稼働貢献が5週以下の場合、利益が発生するのは概ね6カ月後。その間、中古市場への転売などで回収しているケースもある。ただし、稼働状況が悪い機種では中古価格が安くなり、ホールの収益に貢献できないケースも多い。

買取・継続・返却を3カ月目に選択
 
Dバリュープランではこうしたホールが抱える遊技機購入のリスクの一部をメーカーが負うプランだ。

Daiichiの新台販売価格は通常44万8000円(税別、以下同)。これが3カ月間27万円で使用できる。3カ月目でホールは買取か継続、または返却を選択する。市場での評価が良い機種なら新台価格との差額分17万8000円を支払って買い取り、ホールの資産としてその後の運用ができる。逆に評価が悪ければメーカーに返却できる。この場合、新台価格との差額分17万8000円はメーカー側が負担することになる。

これまで、遊技機の評価は市場に出てみないとわからないため、ホール側が遊技機の評価リスクをすべて負った形で購入していた。Dバリュープランはこうした業界の商習慣に大きな一石を投じる新しいビジネスモデルと言える。

【プランイメージ】カウントダウン方式

初月10万円で導入シリーズ機への変更も

Dバリュープランのメリットはまだある。Dバリュープランでの導入は必ずトップ導入が約束される。さらに、別表に示した通り月額使用料は初めの1カ月が10万円。これなら新台導入の初月から利益を出すことが可能だ。その後は毎月1万円ずつ使用料が減少していくため、毎月利益を生み出せる仕組みだ。3カ月後に差額を払って買い取ったとしても、そもそも市場で評価が高いから買い取るのであって、その時点では中古機価格が新台価格より高くなっているはずだ。その後の稼働も踏まえれば、メリットはあってもデメリットは極力少ないシステムと言えるだろう。

遊技機の評価が思わしくなかった場合のリスク回避策も別に用意されている。Dバリュープラン対象機種は、5カ月目以降にシリーズ機への変更が可能な点だ。使用料金はメイン機導入から数えて5カ月目が6万円で、以降、毎月1万円ずつ減少し、10カ月目以降は1万円で使用できる。12カ月目以降は一律5万円でシリーズ機の買取が可能だ。

これまでの遊技機購入では、初期投資額の高騰、早期に利益回収する運用、市場で結果が出た遊技機だけを中古機で購入など、ホール側が必ずしも望んでいない条件で導入・運用せざるを得なかった側面もある。その結果、「機械代の償却」が営業目的になり、ユーザーファーストの営業がしにくくなっていることも指摘されている。

営業面でも財務面でもホールにデメリットがほとんどないDバリュープランが、新時代のホールのための新しいシステムになるか、注目していきたい。

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