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2023年11月21日
No.10003957

特集 企業を成長させる人材育成(前編)
人への投資意欲は減少傾向という日本企業の現実

特集 企業を成長させる人材育成(前編)

日本の全産業平均を見ると、企業のOFF-JT実施率は低下傾向にある。企業の3割は正社員に対してOFF-JTを行ってない。また、企業の2割は社員の自己啓発に対する支援制度がない。こういった企業はいったいどうやって生産性を高め、環境変化に適応しようと考えているのだろうか?  
文=田中 剛(アミューズメントジャパン編集部)

今年6月に公表された、厚生労働省の「能力開発基本調査」(2022年度調査)によると、正社員に対してOFF‐JTを実施した事業所の割合は70・4%で、これは3年前の2019年度調査(75・1%)より約5ポイントも低い。OFF‐JTに費用を支出した企業は46・3%で、前年度調査と同水準だが、2019年度調査時の54・9%から8・6ポイントも低下している。

OFF‐JTを実施した企業の割合は、新卒社員へのOFF‐JTも含まれる。そこで職層別に見ると、中堅社員(正社員)に対しての実施率は56・8%(2022年度調査)で、4割の企業はこの中堅社員にOFF‐JTを実施していない。これではスキルのアップデートはもちろんのこと、基礎力固めもおぼつかない。

産業別に見ると、パチンコホール業界に関する統計はないものの、業界が含まれる「生活関連サービス業、娯楽業」で正社員に対してOFF‐JTを実施した企業の割合はわずか49・3%(2022度調査)にとどまる。これでは環境変化に対応できる企業とそうでない企業の格差が広がっていくのもやむを得ないだろう。

会社としてOFF‐JTの実施はしていないものの、「受講料などの金銭的援助」「就業時間の配慮」「教育訓練機関、通信教育等に関する情報提供」など、社員の自己啓発を支援している会社はホール業界でも珍しくない。先の厚生労働省の調査によると、正社員を雇用する事業所のうち自己啓発に対する支援を行っている事業所の割合は82・9%なので、この制度はもはや「あって当たり前」と言えよう。論点はすでに制度の有無ではなく、社員の制度利用率に移っている。 


OFF‐JTを実施した企業の教育訓練機関の種類、つまり誰が実施したかは、「自社」が最も多く78・2%。これに次いで民間の教育研修会社などが43・5%だった。自社で実施できれば安上がりだが、適任者がいるかが問題だ。実際、「能力開発基本調査」によれば、企業が能力開発や人材育成に関する問題点として最も多く挙げたのは、「指導する人材が不足している」(58・5%)だった。研修の成果はこれを実施する研修講師のスキルに依存するので、品質を信頼できる外部に依頼するのが確実だろう。


特集 企業を成長させる人材育成(後編)
~いまこそ「基礎力」を見直すべき


「業績を改善できない企業の多くは、『答え依存症』に陥っている。与えられた『答え』は未来を創らない。自分たちで模索した最適解こそ会社の未来を創るのです」
月刊アミューズメントジャパンでコラムを執筆している第二営業部の堀川和映顧問は、業界の状況をこう指摘する。

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*本記事の全編は月刊アミューズメントジャパン2023年12月号に掲載しています。


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