特集記事

特集記事内を

2025年08月25日
No.10004957

過去最高レベルの玉単価に危機感|疲弊したユーザーに対するセーフティーネットを

過去最高レベルの玉単価に危機感|疲弊したユーザーに対するセーフティーネットを

寄稿
吉田真晃
フリコユラス代表


パチスロがホールの業績を支えるトレンドの中、大きな期待を背負ってパチンコの「LT3.0プラス」搭載機が7月から市場に導入された。新たなゲーム性がファンの支持を得られるかはこれから評価されるところだが、玉単価が高い遊技機ばかりでは遊技客の離反という事態を招きかねない。ホールの営業をつぶさに見ているフリコユラスの吉田真晃代表は、緩衝材となる機種の導入や育成の重要性を指摘する。

4円パチンコの2024年7月から現在までのデータを見てみると、季節要因で変動はあるものの、平均アウトは1万1500個から1万1000個の間で推移しています。一方で同じ期間の平均玉単価の推移は2025年3月以降ほぼ右肩上がりで上昇して、今年7月には2円を超えました。平均玉単価が2円を超えるのはパチンコの歴史上初めての出来事です。

そんな状況の中で、パチンコはどんな機種がユーザーの支持を得ているのか。直近1年間にリリースされた機種のうち、ユーザーに支持されている機種のほぼすべてが直接LTに突入する「直LT」のハイミドル機です。ライトミドルでも支持されている機種があるので、基本的に「直LT」が求められているというトレンドです。その結果どんな現象が生まれているのかと言えば、高玉単価の機種を打ち続けられるユーザーと、疲弊して離脱するユーザーの二極化です。

すでに導入されて稼働中のLT3.0プラス搭載機『炎炎ノ消防隊』『e東京リベンジャーズ』は2.30円前後。加えて8月の『e牙狼12黄金騎士極限』、9月には『eフィーバーブルーロック』と、多台数の導入が見込まれる機種がいずれもハイミドルです。つまり今後もさらに平均玉単価が上がり続けることは、ほぼ確定した未来なのです。

そんな中で見落としてはいけないのが、導入から3年が経った『P新世紀エヴァンゲリオン15 未来への咆哮』(エヴァ15)です。今年の年初に105%だったアウト支持率が、現在は118%まで跳ね上がっているのです。これは高玉単価帯の機種に疲弊しているプレイヤーからのメッセージ以外の何ものでもないでしょう。

このデータを見てわかるのは、「遊びやすい機種で遊びたい」という需要が確実にあるということ。にもかかわらずリリースされる機種が高い想定玉単価帯ばかりに偏っているため、新台を打ちたいというユーザーすべての潜在的なニーズに応えられていない。そこがいまのパチンコ営業の課題としてあるということです。逆に言うと、そのニーズに応えられればユーザーの遊技の幅が広がることにつながるのです。

新台と向き合うために

では、今後LT3.0プラス搭載機と向き合っていく中でどんな考え方が必要なのか。現在ユーザーから目立って支持されているのが『e東京喰種』。すでに貢献粗利は100万円を超え、未だ衰える気配はなくむしろ安定感を強めています。3000個を搭載していてなおかつ「直LT」を搭載しているので、ユーザーはまとまった出玉期待値が想像しやすいことが一因と言えます。高単価機種においては、LT突入時の想定期待出玉が高くても、出玉期待値と”安心感“のバランスがユーザーに伝わりにくい機種は、思ったほど機械代を回収できないケースが増えています。

ハイレートの新台ばかりが供給されるので目立ちますが、そうした機種に関心がない、あるいは経済的に打てないという層の受け皿となる機種のニーズは確実にあります。先ほどの『エヴァ15』の玉単価は2円前後。遊びやすい遊技機を求めているユーザーは確実にいるのです。

私はよく「駆け込み寺」という表現を使いますが、そういった機種の運用や品揃えも、顧客の自店からの離反を防ぐ非常に重要な要素になってきます。

高玉単価の機種での遊びに疲弊したユーザーに対するセーフティーネットを整備して、適切に運用することで、一方で安心して新台と向き合うことができる。だからこそ高玉単価の機種で疲弊した人たちの居場所になる機械の品揃えをしておくべきなのです。

高単価時代を勝ち抜いて

そういう意味では、上手にセーフティーネットを構築したのが、事前の期待を上回る結果を出しているパチスロのBT機ではないでしょうか。ATタイプで疲弊したユーザーの受け皿として、またはAタイプでは物足りなかったユーザーの受け皿として機能し始めています。

パチンコも、『エヴァ15』のように安心して打てる機種や、『押忍!番長』のようにライトミドルで「直LT」を搭載して、欲を言えば玉単価が2円以下で運用できるような機種の品揃いがあった方がいいでしょう。そうした機種を探したり、自店で育成したりするなどして、ホールの中に長く居たいというユーザーのニーズに応えてあげてください。

7月にLT3.0プラスのスマパチが大量に設置されたことを契機に、今後はスマパチのシェアも高まりそうです。

パチスロではスマスロの初期に高射幸性機種が支持されていましたが、およそ50%までシェアが高まったいまではBT機といったマイルドな機種が登場して多様性が出てきました。そういう意味ではスマパチもこの先に向けた転機に近づいてきているかもしれません。

レッドオーシャンに飛び込まない自店のオススメ機種を育てて、ぜひ高単価時代を勝ち抜いてください。

よしだ・まさあき
1994年に6店舗のパチンコチェーン企業に入社して最年少記録で店長に昇格。担当地域の地域一番店に。その実績から複数の新店立ち上げ責任者を歴任。担当した店舗はすべて稼働率地域一番店を達成。2006年に本部へ異動し20店舗の統括責任者、店長教育を担当する。2014年に起業して株式会社フリコユラスを設立。「現場」と「具体的な戦術」にこだわったサポートは、勉強会が終わった瞬間にすべき事が明確になると定評がある。



パチンコ・パチスロ最新記事