『777CON-PASS』が店頭抽選機能を実装｜サミーネットワークス

サミーネットワークスが運営する入場抽選アプリ『777CON-PASS』に新機能が追加された。今回のアップデートでは、オンライン予約したユーザーをホールの店頭まで呼び寄せることが可能に。オンラインにありがちな「抽選だけで来ない」を極限まで低減させる。

入場抽選アプリ『777CON‐PASS』（スリーセブンコンパス）は、ホールにもメリットをもたらすサービスだ。スマートフォンで予約し、入場抽選まで完結するため、開店前に並ぶ時間はものの数分で済み、待機列を整理するホールスタッフの手間は大幅に軽減される。

抽選を行うための利用料は完全無料。ホール選びに快適さを求めるユーザーが月額サブスクリプションに加入しそれを主な収益の柱としているため、ホール側が料金を負担しなくて済むビジネスモデルをとっているためだ。2019年夏のローンチ以降、総ダウンロード数は約140万に及び、月間ユニークユーザー数は約26万人を数える。

そんな『777CON‐PASS』が新たにアプリの機能として6月下旬、「店頭抽選機能」をリリースした。一つのサービスでオンライン抽選とリアル抽選が選択可能になり、顔写真を用いた本人認証システムも無料で利用できる。

店頭抽選機能の肝はアプリが要求する「解除コード」にある。その公開権限はホールに委ねられ、ホールが公開場所を店頭に限定すれば、ユーザーは店頭まで来ざるを得なくなるというわけだ。

アプリ内で2週間前から予約数＝並びを見せることで能動的に予約がしやすく、商圏が広がり来店に繋がりやすい777CON‐PASSならではのメリットと、店頭抽選機能を併用することでリアル抽選とオンライン抽選の「いいとこどり」が実現できる

開店時の客数が増加

『777CON‐PASS』を6年使い続ける『オアシス飯田橋店』（東京都新宿区）は、飯田橋駅前に立地する。設置台数は286台（パチンコ146台、パチスロ140台）。6月下旬に「店頭抽選機能」を初めて利用した。そのときの様子をパチンコ事業部の西口泰明部長は次のように話す。

「事前予約は400を超え、本人認証（仮入場順の発番）したユーザー数は206、実入場は156人でした。パチスロの台数以上です。普段の入場数は120～130。2～3割増しのレアケースですね」

運用当日は日曜日。開店時刻の20分前に解除コードを店頭で掲出した。ユーザーはその後10分以内に本人認証を済ませ、開店の5分前から正面入り口に整列した。

「入場順次第で帰る軍団よりも、私は常連様を大切にしたい。『777CON‐PASS』を推す理由は、入場抽選の方法がフェアであることと顔認証で誰が来るか分かるから。顔が分かる常連様と店舗を盛り上げたいですね」


炎天下から守りたい

『コンサートホールエフ成増』（東京都板橋区）は今年6月、別のオンライン入場抽選システムから『777CON‐PASS』に切り替えた。その理由を清田貴之さんは次のように話す。

「予約の総数が分かるのがいい。それまでは予約数から当日の並びを予想していましたが、予想を外したときのしわ寄せが現場の負担になっていました」

駅前商店街に立地する同店は、総合ディスカウントストアの地下1階に店舗を構える。総台数は904台（パチンコ411台、パチスロ493台）。整列場所は人数に応じて1階エントランス、地下の共用駐車場、屋上の3カ所から判断する。

共用駐車場は便利だが、一般利用客への配慮など使用に制限がある。ディスカウントストアはすでに営業を始めている時刻。車との接触事故も避けたい。

従前のオンラインシステムを使っていたある日。”予想“が外れて、並びが想定以上に伸びた。急遽、整列場所を変更。予約の総数が分かれば、防ぎようもあったはずだ。

「入場番号が同じ200でも、300分の200なのか、1000分の200なのかで、お客様が当店に寄せる期待感は大きく違いますよね。抽選時間まで予約を受け付けているため、当日の朝になって抽選に来られるお客様もいるわけで、予約の総数は大事な指標です」

夏場の並び時間を減らすために、24年から夏場だけオンライン抽選を始めた同店。利用時には待機列の整理に要する時間が、30～40分から10～15分に減った。手塚真志営業課長は使用感を次のように話す。

「当店でも認証数と実入場数の乖離はあります。ですが稼働への影響は気にするほどではありません。不安よりメリットのほうが断然大きい。お客様のストレスはもちろん、従業員の負担も軽減されます」

「慣れたユーザーは、オンライン導入ホールの中から、自分にとって利便性の高いホールを選ぶようになります。ユーザーは『なるべく効率的に入場したい』という感覚が強まっており、従来の長時間待機は敬遠されがちです」（清田さん）

2週間前から予約できる『777CON‐PASS』では、予約が集中する日をユーザーが目の当たりにする。数値で表れる期待感の訴求力は強く、「良番ならワンチャン…」と考えるユーザーの心を掴む。予約が予約を誘う好循環は、実入場を促す店頭抽選機能でさらに盤石に。業界スタンダードと目されるのも時間の問題だ。



文＝アミューズメントジャパン編集部
※月刊アミューズメントジャパン2025年10月号んで掲載した記事を転載しました。