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豊丸産業、園児の塗り絵をデジタルゲームに|親子で楽しむ体験イベント開催
豊丸産業は9月11日、愛知県の学校法人名古屋龍谷学園 西別院幼稚園で、モーショントレーニングツール『TANO』を活用した親子参加型イベントを開催した。園児が描いた塗り絵をデジタルゲームに取り込み、親子が一緒に身体を動かして楽しむ体験を提供。遊技機事業を終了した同社が、これまで培ってきた「遊び」や「楽しさ」の考え方を、子どもや親子、多世代が参加する体験へと広げている。
『TANO』は、楽しみながら身体を動かすことを特徴とするモーショントレーニングツール。豊丸産業はこれまで、高齢者のフレイル予防やレクリエーションなどを中心に活用してきた。今回のイベント「夏だ!祭りだ!みんなでTANO!~チャレンジフェス~」では、その対象を子どもと保護者に広げ、親子が一緒に参加できる体験として展開した。
イベントは、豊丸産業が株式会社好生館プロジェクトのサポートを受けて取り組む学生インターンシップから生まれた。企画を担当したのは南山大学経済学部経済学科2年の小野詩織さん。6月から9月までのインターンシップを通じて初めてイベント企画に挑み、親子が参加しやすく、主体的に楽しめる内容を周囲と意見を交わしながら具体化した。当日は園児35人、保護者19人の計54人が参加した。
イベントの中心となったのが、園児が描いた塗り絵をゲームの中に登場させる仕掛けだ。小野さんがデザインした魚の塗り絵を園児42人が自由に彩色し、42作品をデジタルデータ化。当日は、自分や友達が描いた魚が登場する「魚釣りゲーム」を使い、親子で身体を動かしながら楽しんだ。さらに保護者8人もその場でキャラクターを描き、完成したイラストをゲームへ反映。参加者自身が描いたものが、その場で遊びの一部になる体験をつくった。
企画では、子どもだけが遊び、保護者が見守る形ではなく、親子が一緒につくり、一緒に身体を動かすことを重視した。「おえかき」というアナログな体験とデジタルゲームを組み合わせ、運動そのものを目的にするのではなく、遊びに参加した結果として自然に身体を動かす構成とした。小野さんは企画について、「何が正解かではなく、何をすれば楽しいかを軸に考えた」と振り返っている。
イベント後のアンケートでは、保護者19人全員が「子どもと一緒に身体を動かすことができた」「子どもと一緒に身体を動かすことを楽しいと感じた」と回答した。また回答者18人全員が、『TANO』について「子どもが楽しみながら身体を動かすきっかけづくりに効果的」「年齢や体力に関係なく無理なく楽しめた」と評価。幼稚園の教員3人も全員が、子どもたちが自発的、積極的に身体を動かし、運動の得意・不得意にかかわらず楽しんでいたと回答した。
西別院幼稚園での『TANO』活用は今回が初めてではない。豊丸産業は前年夏にも、暑さで屋外活動が難しい時期に、室内で楽しみながら身体を動かせる可能性を探る実証を同園で実施した。今年はそこから一歩進め、子どもや保護者自身がコンテンツづくりに関わるイベントへと発展させた。
遊技機事業を終了した豊丸産業にとっても、「遊び」や「楽しさ」は事業領域が変わっても引き継がれる考え方の一つだ。遊技機メーカーとして培ってきた発想を、完成したコンテンツを提供するだけでなく、参加者自身がつくり、身体を動かし、家族と体験を共有する場へとつなげている。今回の取り組みは、同社が「遊び」の対象や接点を新たな領域へ広げる一例となった。
『TANO』の活用対象はさらに広がっている。豊丸産業は2026年2月、愛知県東浦町で子どもと高齢者が同じ空間で『TANO』を楽しむ多世代交流イベントを実施。現在はTANOTECHと、身体を動かしながら物語に参加する体験型デジタル紙芝居『たのしばい』を共同開発している。『たのしばい』は10月開催の「H.C.R.2026(国際福祉機器展)」で参考出展する予定で、豊丸産業は高齢者福祉を起点に、子ども、親子、多世代交流、地域コミュニティへと「楽しさ×身体活動」の活用領域を広げていく。

















