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2026年10月06日
No.10005437

パチンコにも「選べる市場」を 「フェアぱちんこ/フェアスタート」の可能性|WINSOME 菅原和俊氏
パチンコ復活への提言①

パチンコにも「選べる市場」を 「フェアぱちんこ/フェアスタート」の可能性|WINSOME 菅原和俊氏
菅原氏

比較的好調なパチスロに対し、パチンコは稼働、客数など、どの指標を見ても苦戦が続いている。メーカーやホールにアドバイザリー業務を行う株式会社WINSOMEの菅原和俊氏に、現在のパチンコ市場が抱える課題、そして復活のための道筋を語ってもらった。

パチンコとパチスロでは出玉率に大きな差

いまのパチンコとパチスロを比較すると、機種の出玉率に大きな違いがあります。パチスロには、‟モードLを使ってはいけない”という明確な基準があります。一方で、パチンコはパチスロのモードL以下の出玉率で運用している、という現状が見受けられます。

ホール様はパチンコを出玉率で管理するという習慣がないため、4円パチンコが20円パチスロと比べて、非常に低い出玉率で運用されてしまっています。

2026年1月から9月までに登場した新台の導入後2週間平均データを見ると、パチンコは平均玉利0.37円、粗利率17.4%、出玉率93.6%。パチスロは平均玉利0.56円、粗利率15.9%、出玉率98.4%でした。


粗利率だけを見ると、パチンコ17.4%、パチスロ15.9%ですから、それほど大きな差には見えないかもしれません。

ただ、パチンコは持ち玉遊技の割合が低く、全体アウトに占める売上玉の割合が高い。そのため、粗利率では近い数字に見えていても、実際の出玉率にするとパチンコとパチスロでは大きな差が生じていて、それに不満のあるユーザーが一定数存在するのも事実です。

パチンコに粗利負担が集中している

以前から、パチンコに粗利負担を求める構造が続いていたわけではありません。2015年から2020年ごろの5号機時代後半を見ると、20円パチスロの台粗利が4円パチンコを上回っていました。最近の4円パチンコの稼働悪化は周知の通りですが、その状況においても2021年以降現在まで、4円パチンコの台粗利がパチスロを上回りつづけています。

現在は、パチスロで粗利を取りにくくなった分、その負担をすべてのパチンコが背負う形になっている。特に新台には、かなり大きな負担がかかっています。

新台として導入された直後から粗利負担を強いられるのであれば、その環境でも稼働できる機械でなければなりません。当然、メーカー側もこうした市場環境を意識した機械を作ることになります。

その結果、現在のパチンコ市場は、厳しい粗利負担に耐えられるタイプの機種に絞り、多くの台数を導入するという偏りがみられ、それが稼働悪化を招く悪循環に陥っています。

ユーザーが選べる機種が少なくなっている

一方でパチスロを⾒ると、機種の役割が⾮常に幅広いです。例えば「ジャグラー」のようにコイン単価が2円を下回る機種もあれば、「ミリオンゴッド」のような4円を超える機種もある。ホール様の中でもそれぞれに違う役割があり、ユーザーも⾃分の好みに合わせて選ぶことができます。

ユーザーのニーズは⼀つではありません。「勝率は低くても⼤きく勝ちたい」という⼈もいれば、その逆に「勝ち金額は低くても高い勝率を求めたい」⼈もいます。ですが、現在のパチンコ設置台数は前者のタイプに設置台数が偏ってしまっているのです。

高い出玉性能を持つ機械が悪いわけではありません。そういう機械を求めているユーザーもいるので、当然必要です。問題なのは、それしか選べないことです。

パチスロは高単価機種だけでなく、「ジャグラー」や「カバネリ」のようにさまざまな役割を持った機械が市場に供給されています。パチンコにも、同じように幅広い選択肢が必要なのではないでしょうか。

「フェアスタート」が持つ意味

そういった視点で見たときに非常に面白い取り組みだと思っているのが、『e ソードアート・オンライン アリシゼーション 夜空』に搭載された「フェアスタート」です。

「フェアスタート」は、下限出玉率96~97%という設計。これは、パチスロでいう設定1の出玉率を意識した設計です。

現在のパチンコは、新台であっても出玉率90%程度、さらにそれ以下で運用されるケースがあります。これはユーザーがパチンコの新機種を遊ぶうえで、非常に大きなネガティブ要素だと思っています。

そこに対してKYORAKUが、メーカー側から一定以上の出玉率で遊べる機械を作るという考え方で切り込んだ。この意味は大きいと考えます。

全部の機械が同じ方向を向く必要はない

もちろん、フェアスタートを搭載した一機種が登場しただけで、パチンコ市場がすぐに変わるわけではありません。

ただ、大事なのは、こういう選択肢が市場に増えていくことだと思います。すべてのパチンコ機が同じ方向を向く必要はありません。大きな出玉を狙う機械があっていい。一方で、もう少し遊びやすさや勝率を重視した機械があってもいい。

パチスロにはそれぞれ異なる役割を持っている機種があるように、パチンコにも違う役割を持った機械が必要です。

ユーザーが、「今日は大きな出玉を狙おう」、「今日はもう少し遊びやすい機械を打とう」と自分の目的に合わせて選べる。4円パチンコもそういう種別にしていかなければ、パチンコの未来は厳しいと思っています。

『SAO 夜空』のフェアスタートは、この選択肢を増やしていくという意味で、重要な役割になることは確実です。同タイプの台数シェア拡⼤が、今後のパチンコの復調のきっかけになる可能性に期待したいですね。


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