No.10000642
アミューズメントプレスジャパン
シンガポール視察研修を開催
IR・観光産業の周辺でチャンスを探る

アミューズメントプレスジャパンは4月23日から26日の日程で、シンガポールでビジネス視察研修を開催した。IR視察のほか、教育機関をはじめ観光&ホスピタリティー産業関連の事業者訪問を盛り込んだ「生の声」を聞ける視察研修で、参加者はリアルなシンガポールの姿に触れた。
「IR&観光産業の周辺ビジネス視察 in シンガポール」と題したこの視察研修は、2010年に2つのIRを開業し、観光産業を急拡大させた”インバウンド先進都市“であるシンガポールを訪問し、観光産業およびその周辺でのビジネスチャンスを研究するもの。IRを誘致しようとしている地方都市の、地域経済の担い手である中小企業は、海外IRオペレーターと組成されるコンソーシアムに加わるのは現実的でない。IR施設の外側に目を向けて、IR施設とのアクセスや、観光&ホスピタリティー産業の拡大事例の研究を通じて、ビジネスチャンスを見出すべきという考えに基づいて企画された。
視察研修には、IR開業やインバウンド増加をビジネスチャンスにしたいと考えている遊技業界関係者、一般企業の新規事業担当者などが参加した。
2つのIR(マリーナベイサンズ、リゾートワールドセントーサ)の施設内の視察だけでなく、街とIR施設を結ぶアクセス、隣接エリアにある大型ショッピングモール、コンベンションセンター、ビジネス街、再開発によってつくられたF&B(フード&ビバレッジ)集積エリアなども視察。シンガポールを代表するコンベンションセンターのEXPOとSUNTECの2会場を使って開催していた東南アジア最大規模のホテル・外食産業の展示会「FOOD AND HOTEL ASIA 2018」も訪問。世界70カ国から出展企業があつまる国際展示会を見ることで、MICEのもつ外国人訪問者を増やす効果を目の当たりにした。
初日に行われた座学研修では、本視察研修を企画したアミューズメントプレスジャパンの田中剛執行役員が豊富なカジノ取材の経験をもとに「IR誘致と地方経済~中小民間事業者が持つべき視点」をテーマに講演。IRを作っただけでは海外から富裕層を呼び込めないことや、IR誘致が必ずしも地域の中小事業者にメリットにならない可能性を指摘し、街の再整備を含めた周到な準備の必要性を説いた。このほか、現地視察の合間には、ジェームズクック大学シンガポール校を訪問しK・ティルーマラン博士(観光&ホスピタリティ産業)のレクチャーを受けたほか、ホテルやF&B業界の事業者から話を聞くワークショップを開催した。

Hospitality Resource Solutions オーナー&MD
シンガポールの大型ホテルMandarin Orchard Hotel(1200室)の
ゼネラルマネジャーを経て客室クリーニング事業会社を創業。
観光客増・客室増によってホテル業界に生まれたニーズと、
それに応える同社のソリューションを解説

ACI HR Solutions ファウンダー&CEO
観光・旅行・ホスピタリティー産業のエグゼクティブサーチ
(人材紹介)およびトレーニングの専門家で、HR領域の
カンファレンスでは大人気のプレゼンター。IR開業時
から人材面のサポートを行ってきた立場から、シンガポール
で起こった人材争奪戦を解説
参加者からは、「日本で資料を読んでいたが、実際のシンガポールには圧倒された」「観光産業のアウトラインや事業者の肉声、日本には伝わってこない地元のレジャーの話を聞いた上で街を見たので、観光や社員旅行で来た人とはまったく違った見え方ができた」といった感想があげられた。

1-ALTITUDE General Manager
マルチコンセプトダイニング「1-ALTITUDE」は競争の激しい
外食、ナイトクラブ業界において開業以来8年間もトップクラス
の人気を誇る。視察団は同施設をランチタイム/ディナー
タイムに訪問。GMのシム氏に業界動向と戦略を聞いた。
田中 剛 執行役員(右)
Amusement Press Japan 出版事業部統括部長
本視察研修のオーガナイザー。海外のゲーミング業界関係者の
取材を通じて培ったネットワークを生かし、観光&ホスピタリ
ティ産業の専門家を訪問する視察研修を企画。