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2018年10月15日
No.10000853

高尾が『カイジ』の沼を完全再現へ
クルーン機の大本命登場
設定付きパチンコ『P沼』12月3日から稼働開始

クルーン機の大本命登場
圧倒的迫力のクルーンを搭載。2段目のクルーンの赤丸の穴を通過で3段目クルーンの演出に繋がる

一発台タイプのクルーン機は、ファンの間で根強い人気をもっている。その大本命とも言える『P沼』が高尾から設定付きパチンコとして遂に発売される。パチンコファンのみならず、原作のファンからも、「『カイジ』の3段クルーンを再現した機種が今までなかったのが不思議」と言われる。本機の市場での位置づけとゲーム性に迫った。


バランスが良く短時間勝負向き

最近では、『CR天龍∞』(マルホン╱2018年1月導入)や『CR RAIZINMAN』(A‐gon/18年5月導入)が、一発台タイプのクルーン機を代表する存在だ。自店の客層に合わせ、上手に運用している店舗では、両機種とも累計台粗利も高く長期間高稼働を続けている。そのため、追加注文を受けている機種もある。

16年12月、大当たり確率の下限1/399の旧MAXタイプが姿を消した。このカテゴリーの魅力は何と言っても「一発逆転」の可能性が高かったこと。夜8時から打ち始める仕事帰りの人が、ある程度投資しても十分取り戻せるという出玉性能が支持されていた。 

一発台タイプのクルーン機は、1回の大当たりでまとまった出玉が期待できる機種が多い。旧MAXタイプユーザーの受け皿的存在だが、MAXタイプよりもおだやかで、なおかつ、適度な出玉性能をもったカテゴリーだ。クルーンを突破すれば大当たりという短時間勝負に向くゲーム性なので、だらだらと投資を続ける意味があまりないからだ。運が良ければ投資が少なくてすみ、また店舗の運用があまり良くなければ早めに見切りをつけることもでき、「リスクとリターンのバランスが良いタイプ」と言える。

都内の駅前型中規模ホールの店長は、「自店は中高年のお客様がメインで、昔『スーパーコンビⅡ』や『ミサイル7‐7‐6D』などの一発台が人気だった頃からのユーザーが多いので、クルーンタイプの稼働は非常に良い」と話す。また、若年層も、アナログ的なゲーム性を新鮮に感じるためか、予想以上にファンが多いという。

内部的に当たりかハズレが決まっている液晶機の演出と違い、クルーン機は、基本的に「ガチンコ勝負」。大当たりに結び付く通過穴にパチンコ玉が入るかどうか、手に汗握りながら玉の動きを目で追う楽しさは、まさにパチンコの原点であり醍醐味だ。


稼働を向上させる『P沼』開発の工夫


釘の森(上)や鉄の番人(下)も原作の台を彷彿とさせる仕上がりだ

原作『賭博破戒録カイジ』で、主人公カイジが人喰い沼と呼ばれるパチンコ「沼」に勝利する場面は、シリーズの中でも屈指の名シーン。ファンの期待に応え、その名シーンを可能な限り再現したのが『P沼』だ。

まず目を引くのは、盤面のゲージ。原作に登場する「沼」は、縦に長い構造で、威圧感と存在感で見る者を圧倒する。本機は、現行機で類を見ない約500本もの釘を使用。さらに盤面領域を狭めることでプレイヤーに強烈なインパクトを与える。すなわち、「一度は座って打ってみよう」という気にさせる外観なのだ。

3段クルーンの手前に控えるのは、「鉄の番人」。羽根モノ機の羽のように開閉して、タイミングが合えば突破するという仕組みを原作の台同様に再現した。クルーンの1段目と2段目の通過穴が右手前というのも原作通り。開発時に100通り以上のクルーンを作り、軌道や突破率をシミュレーションして、ちょうどいいバランスを導いたという。

クルーン機の醍醐味はガチ勝負と前述したが、『P沼』は3段目のクルーンのみ、アナログ式のガチ勝負ではない。2段目の通過穴に玉が入ると抽選を行い、当たりフラグが成立している時だけ演出として3段目の当たり穴に入賞する。

3段目では、原作の演出も再現、カイジファンの心をくすぐる。原作の風バリアをイメージした「エアゲート役物」、玉が大量にクルーン内に流れ込み逆転大勝利をもたらす「玉詰まり演出」など、カイジファンならば感涙もののシーンを見事に再現している。

3段目を演出にしたことで、ホールの悩みの種であるゴト行為をされる心配も最小限に抑えられている。

従来のクルーン機とは異なるこのシステムが、ゲーム性を大きく広げた。3段目で当たりやすいかどうかは、設定推測要素ともなり、ともすれば単調になりがちなクルーン機を、より奥の深いパチンコに進化させたと言える。
盤面の両側には、演出用にさまざまなランプが配置されている。
限定ジャンケン、Eカードなどをモチーフにしたものもあり、カイジファンなら思わずニヤリとしてしまう


 
完成度の高さで高稼働に期待

3段目の当たりは3段階で設定が設けられている。1/15・9→1/12・7(設定C)、1/13・5→1/10・8(設定B)、1/9・9→1/7・9(設定A)。最高設定は低確率時のみならず、高確率時もかなり優遇されているので、ユーザーにとっては打つ動機付けができ、ホールにとっては設定の入れがいのあるスペックだ。

設定付きパチンコが各メーカーから続々と投入され、ホールが新たなカテゴリーとして確立しようという機運も高まっている。過渡期的な措置として、従来機のスペック違いの設定付きパチンコが多かったが、今後はまったくの新台としてとしてリリースされるものが増えていくだろう。

完全な新台で、しかも潜在的なニーズが高い設定付きパチンコである『P沼』は、既存のクルーン機以上に長期稼働が期待できる機種として育成する価値が十分にありそうだ。



©福本伸行/講談社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ 
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