No.10000846
J.G.コーポレーション
「空気環境を考える会社」が 屋内禁煙時代に挑む
渡邊秀太 取締役経営企画室室長インタビュー
健康増進法が改正され、パチンコホールは屋内原則禁煙となる見通しになってきた。これまで多くのホールの空気環境を改善してきたJ.G.コーポレーションはこの環境変化にどう対応していくのか。「室内の空気環境を考える会社」として新たな時代に挑む渡邊秀太取締役経営企画室室長(36)に聞いた。
J.G.コーポレーションは1975年、元経団連会長の故土光敏夫氏の薫陶を受けた創業者の渡邊秀行氏が設立。渡邊秀一郎現社長とともに1983年、株式会社山武(現:アズビル株式会社)の支援のもと空気清浄機『スカイフレッシュ』を開発。総発売元としてパチンコホールをはじめ様々な施設に導入してきた。
渡邊秀太室長は渡邊秀一郎社長の長男。大学卒業後にアズビルに入社し、10年間、ビルやプラントなどの制御システムの営業やサービスを学んできた。その渡邊室長が目指すJ.G.コーポレーションの未来とは──。
──ヒット商品の『スカイフレッシュ』シリーズは、タバコの臭いに悩む多くのホールに導入されました。
渡邊室長(以下、敬称略) 当社の歴史は、空気をきれいにしていくという取り組みの中で、常にパチンコホール様のお悩みやホールで発生する問題点を解決し、ホール様と一緒に時代の流れに合わせて空気清浄機を変化させていった歴史だったと思います。
──その後、2004年に換気自動制御システム『NOAH』(ノア)を発売しました。
渡邊 「空気清浄機」と「換気」は、切っても切り離せない関係にありました。換気がきちんとなされていないと空気清浄機の効果もきちんと発揮されないからです。それなら換気の制御もできるようにと開発した製品が『NOAH』でした。当時は、大きな制御盤前面のスイッチで、オンオフやモード切替をするところからスタート。それが今ではコンパクトな液晶画面で制御するようになりました。世の中の技術の発展に加えて、お客様のご要望や悩みに触れていく中で、一番良い形に進化していったのだと思っています。
──先の通常国会で健康増進法が改正され、原則屋内禁煙という流れが決まりました。どう受け止めていますか?
渡邊 タバコを吸える場所が少なくなれば空気清浄機のニーズも少なくなることが予想されますから、大きな環境の変化だと受け止めています。ただ、そこを逆風と考えるのではなく、新しいチャレンジの機会だと捉えています。この社会情勢の変化が当社の価値を見直す良いきっかけとなりました。
──「室内の空気環境を考える会社」というキャッチフレーズもそうした環境変化に対応した理念ですか?
渡邊 当社の社長が「いつまでも空気清浄機だけの会社ではいけない。当社はお客様の空気環境を考える会社なんだよ」といつも話しています。それは、空気環境を通じてお客様の課題を解決することが私たちの使命だという意味です。社員一人一人が自立し、日々賢くなることによってお客様の信頼を勝ち得ていくことが大事だと教えられています。