2018年12月14日
No.10000954
No.10000954
マカオ大学 工商管理学院・アジア太平洋経済経営研究所
統合型リゾート経営管理学 短期訓練課程に日本企業も参加
UNIVERSITY OF MACAU Global Leadership Development Program – Module 6
マカオ大学工商管理学院は、IR産業関連企業の上級幹部を目指すビジネスパーソン向けの短期集中講座「グローバルリーダーシップ育成プログラム~国際統合型リゾート経営管理学」の第6回目を11月30日~12月3日にマカオで開催した。
公立マカオ大学工商管理学院(日本の経営学部に相当)およびアジア太平洋経済経営研究所は、統合型リゾート、ゲーミング産業、これに関連する公共政策を学術的に研究しその知見を、政府や産業界に提供してきた。同学の工商管理学院には学士課程にも修士課程にも「国際統合型リゾート・マネジメント(International Integrated Resort Management)」のプログラムがあり、統合型リゾートに関わるゲーミング、ノンゲーミングの両領域のオペレーション知識と業界のトレンドを学ぶ機会を提供している。このプログラムの修士課程の学生の多くは、IR産業関連企業で働く現役ビジネスパーソンで、業界を俯瞰する知識を習得しキャリア形成につなげている。
11月30日から4日間にわたりマカオで開催された「グローバルリーダーシップ育成プログラム(GLDP)~国際統合型リゾート経営管理学」は、IR産業関連企業の上級幹部を目指す管理職向けの短期訓練課程。2013年以降これまでに、①マカオ・香港、②シンガポール、③韓国、④マカオ・広州・横琴で開催され、今年7月に第5回目が初めて日本(長崎県佐世保市)で開催された。
第6回目であるマカオ開催には、マカオのIR産業関連企業で働くビジネスパーソン30人と、日本を中心としたアジアから16人が参加。日本からの参加者は、大学教授、メディア企業、コンサルティング会社、レジャー・観光関連企業、商工会議所など多様。計46人が7グループに分かれ、グループディスカッションを交えながら講義を受けた。
1日目は、「レジャー産業における経済学」(リカルド・シウ教授)に続き、ゲスト講師のマカオ政府観光局のHoi Io Meng次長による観光産業の概況の説明。
2日目は、「マカオのゲーミング政策とレスポンシブル・ゲーミング」(デイビス・フォン教授)、「レジャー産業への応用経済学 パート2」(リカルド・シウ教授)。
3日目は、「カジノ会計学(アンチマネーロンダリング、内部統制、財務パフォーマンス)」(モリス・リウ教授)に続き、最終日のグループ発表に備えたグループディスカッション。グループ発表の課題は、「どこに、どのようなIRを作るか」の提案を、何を競争力にするかを重点に、投資額、回収期間、施設規模、ゲーミング/非ゲーミングの比率、CSRなどを盛り込みながらプランニングするというもの。限られた時間の中で、GLDPの講義内容を再確認し、参加者各人の知見を出し合いながらプランをまとめあげた。
最終日である4日目はプログラムの仕上げとしてグループ発表会。7グループは、大阪、北海道、福岡、チェンマイ(タイ)でのIRプランを発表した。
これら座学の間にはIR関連施設の視察も行った。単一の施設として世界最大規模の「ギャラクシー・マカオ」のリゾートデッキ、1日10万人の来場者を誇る「ベネチアン・マカオ」ではMICE施設、「ウィン・パレス」では従業員食堂やランドリー設備などのバックオフィス、「MGMコタイ」ではアトリウムとアート作品、「グランド・リスボア」ではミシュラン三ツ星レストランなどF&B施設、「モーフィアス」では最も広い客室「ゲーミング・ヴィラ」やスタンダード・スイートなど客室、マカオ大学工商管理学院内「博彩実験室(ゲーミング・ラボ)」の模擬カジノなどを見学した。各施設の特徴的な箇所の見学だけに絞り込んだ効率的なツアーだった。