ニュース

ニュース内を

2019年02月18日
No.10001028

余暇ツーリズム学会
マカオのカジノ規制を解説
マカオ大学法学部 ゴディーニョ教授が講演

ジョージ・ゴディーニョ マカオ大学客員教授(ゲーミング法、アンチ・マネーロンダリング法)

余暇ツーリズム学会エンターテイメント部会は2月13日、東洋大学白山キャンパスで部会を開催した。東洋大学国際観光学部の佐々木一彰准教授が新たな部会長に就いてから最初の部会で、マカオ大学法学部のジョージ・ゴディーニョ客員教授がマカオのカジノの歴史とライセンスについての講演を行った。

ゴディーニョ教授はポルトガルの弁護士資格を持ち、1991年からマカオの政府機関や金融機関でリーガルコンサルタントを務めた後、2004年からマカオ大学の経営学部及び法学部でゲーミング法の講義を行っている。この日のゴディーニョ教授の講演内容は、マカオのカジノ産業の歴史、カジノ規制システム、事業者への要求事項について。

カジノ規制システムについてゴディーニョ教授は、「カジノは民間事業者による運営」「カジノ営業許可は一時的なものであり無期限ではない」「カジノ免許にはマカオでの開発・建設・投資義務などを伴う」「カジノ税はグロス・ゲーミング売上(GGR)に課税する」「ゲーミングプロモーターの合法化(いわゆるジャンケット事業者を2002年に合法化し規制対象にした)」「カジノによるカジノ客への信用貸しの合法化(2004年)」「マネーロンダリング防止に関する厳しい対策(2006年)」などを挙げ説明した。

カジノ事業者への要求事項については、主要な3点として「適格性」「投資計画」「財務状態」を挙げ説明。適格性審査はカジノ事業者の役員ならびに5%以上の株保有者に関しては、すべての銀行口座、友人関係など広範囲に調べるとされているが、ゴディーニョ教授は「何がどの程度ライセンス発行に影響するかは明確にされておらず、曖昧さがある」と指摘した。

現在ライセンスのもとにカジノ施設を運営している事業者が政府に提出した投資計画は、各社各様で書式も統一されていなない。ウィン、ベネシアン、SJMの投資計画の文面を例示しながらこれを説明。重要なのは政府が掲げる公共政策に沿った投資計画であること。その投資計画を履行することが、カジノ事業者が果たさなければならない義務となっている。

ゴディーニョ教授は日本の統合型リゾート(IR)を考えるにあたっては「政府は細かなところまで規定すべきでない」との考えを示しつつ、「明らかに収益を上げる施設(ゲーミングなど)のみならず、単体で見れば赤字になるような他の施設についても必要性や運営方法を十分に考慮する必要性がある」と述べた。

注目されるコンセッション継続

マカオのカジノ産業は1962年からSTDMが1社独占だったが、これは恒久的な営業権ではなく、何度も更新を経たもの。1999年にマカオがポルトガルから中国に返還されたると、マカオ政府はカジノライセンスの開放を決定。2002年に入札によりSJM(STDM)、ウィン、ギャラクシーの3社にライセンスを発行。さらに2006年までにベネシアン(ラスベガスサンズ)、メルコ・クラウン(ローレンス・ホー氏と豪のクラウンの合弁)、MGMチャイナ(米MGMとパンジー・ホー氏の合弁)の3社にサブライセンスを発行した。



2020年にはSJMおよびそのサブライセンスで営業するMGMがゲーミング・コンセッションの満期を迎える。さらに2020年には他の4社も満期を迎える。これら現在ゲーミング・コンセッション保有企業が、スムーズにコンセッションを継続できるか否かが注視されている。

これに関してゴディーニョ教授は、「政府は中間レビューを2016年に公表しており、それによればどの事業者にも問題はないと評価されている。この状況でカジノ事業を継続できない事業者があるとしたら大きな問題。コンセッションを継続できる可能性は高いと思われる」と見解を示した。
 
ジョージ・ゴディーニョ マカオ大学客員教授(ゲーミング法、アンチ・マネーロンダリング法)
Jorge Godinho
Visiting professor of gaming law and anti-money laundering law at the Faculty of Law and Faculty of Business Administration, University of Macau, China


#カジノ #Casino #統合型リゾート #IR  #IR実施法  #IR整備法 #integrated resort #gaming #gambling

取材=田中 剛(アミューズメントジャパン)/Tsuyoshi TANAKA(Amusement Japan)


関連記事