No.10002361
日遊協
出玉性能は依存問題の原因ではない
外部有識者が研究成果を発表
日本遊技関連事業協会のパチンコ・パチスロ依存問題防止研究会は7月7日、都内の日遊協会議室で記者会見を開催した。
同研究会の座長を務める篠原菊紀教授(公立諏訪東京理科大学)は、「出玉性能は、ぱちんこ関連のギャンブル等依存症の原因になるとはいえない」とする研究結果を発表。同様に広告宣伝やイベントも、同依存症の原因になるとはいえないと報告した。
研究では調査対象者を2年間3波(回)にわたって追跡調査。「遊技障害うたがい」(=パチンコ・パチスロ関連のギャンブル等依存症うたがい)のリスクが高まる原因を調べた。
それによれば、大当たり確率が低い機種(TS300)を遊技することと遊技障害うたがいのリスクとの間に、統計的な有意(偶然ではなく必然である可能性があると推測されること)は認められなかった。この有意はTS200やTS100でも同様に認められず、パチスロのAタイプ、AT・ARTタイプ、A+ARTタイプでも認められなかった。
篠原教授は「これほど影響がないとは意外だった。確率が低い機種だろうと、たくさんやるからといってリスクが上がるとはいえない」として、出玉性能が依存リスクを高める原因になることを否定。「射幸性の抑止は依存リスクを下げるための効果的な取り組みでない。これ以上の規制は必要ないだろう」とまとめた。
同研究会は、日遊協の30周年記念事業として2018年10月に発足。どのような対策が遊技障害に効果的であるか、科学的な調査研究に基づいて模索している。メンバーは以下のとおり、依存問題の専門知識をもつ外部有識者で構成されている。
【パチンコ・パチスロ依存問題防止研究会メンバー(敬称略)】
座長:篠原菊紀(日遊協理事/公立諏訪東京理科大学 医療介護・健康工学部門)
委員:坂元章(お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系)
河本泰信(よしの病院副委員長/公立諏訪東京理科大学 医療介護・健康工学部門)
小口久雄(公立諏訪東京理科大学 医療介護・健康工学研究部門)
堀内由樹子(お茶の水女子大学)
秋山久美子(お茶の水女子大学)