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パチンコ店特化型広告代理店のCEOが語る 「実戦! パチンコ店のWebマーケティング」㉗
Web媒体の『純広告』を集客に活用する方法とは?
文=梶川弘徳 シー・エフ・ワイ代表取締役
純広告とは、Web媒体の広告枠を買い取って一定期間に広告を配信する広告形態のことをいいます。不特定多数に配信するものが多いため、雑誌や新聞、TVCMといったマス広告に近いイメージです。
純広告は、広告の掲載場所や配信期間を確実に指定できるのが特徴となっていることから、検索広告やディスプレイ広告といった運用型広告の対義語とも言えます。パチンコ専門メディアでも多種多様なWebサイトの純広告が存在しているため、パチンコホールも集客施策の一環で純広告に広告配信を検討するケースがあるかと思います。今回は純広告の種類や特徴、活用方法などについて解説させていただきます。
まずは、純広告の広告枠が存在しているパチンコ専門サイトの種類を見てみましょう。純広告の広告枠が存在しているサイトは「機種解析系」「出玉データまとめ系」「業界ニュース系」「ポータルサイト系」の大きく4つに分類することができます。それぞれのサイトの特徴を下記のようにまとめました。
①機種解析系
最新機種や人気機種の攻略・演出などの情報を配信している機種解析サイト
②出玉データまとめ系
ホールが公開している出玉データやグラフなどを集約しているまとめサイト
③業界ニュース系
公開された業界情報やX・Webサイトからの引用を配信するニュースサイト
④ポータルサイト系
集約されたさまざまな情報をホール検索できるポータルサイト形式の情報サイト
このように、純広告が存在しているパチンコ専門サイトは大きく4つに分類することができます。
当然、サイトによって配信している情報の種類が異なるので、ユーザーの閲覧目的も異なります。パチンコホールが純広告に広告を配信する場合は、「このサイトはどのような情報を配信しているのか?」あるいは「閲覧者の目的は何か?」ということを把握したうえで、サイト(Web媒体)を選定する必要があります。
例えば、「①機種解析系サイト」であれば、新台を好むユーザーや機種情報を深堀りしたいユーザーが主体となっており、閲覧者の目的は機種の情報収集となります。
「②出玉データまとめ系」は、出玉情報の確認や期待できる日の分析をするユーザーが主体となっており、閲覧者の目的は店舗選びとなります。
「③業界ニュース系」は、業界の旬な話題やエンタメ要素を含む業界関連ネタを好むユーザーが主体となっており、閲覧者の目的は旬を楽しむこととなります。
「④ポータルサイト系」においては、従来の店舗検索型ポータルサイトに加え、最近ではナビ型ポータルサイトも登場しました。ナビ型ポータルサイトの登場によって、閲覧者の目的は店舗の情報収集から店舗選びに変化しています。
このように、サイトによって情報の種類が異なるため、閲覧するユーザー層(閲覧目的)も異なっているという認識を持つと良いでしょう。
そのことを踏まえて、サイト(Web媒体)を選定する場合の基準について考えてみたいと思います。サイトの選定基準としては、第一に「どのユーザーに向けて広告配信するか?」というユーザーの閲覧目的に重点を置くことを推奨します。
例えば、「①機種解析系サイト」であれば、閲覧者は新台を好むユーザーや機種情報を深堀りしたいユーザーが主体となるため、機種に関する施策(新台入替、最新機種○○台導入、等)に向いています。
「②出玉データまとめ系」の閲覧者は、出玉情報の確認や期待できる日の分析をするユーザーが主体となっているため、期待を高めたい日(リニューアルオープン、おすすめ機種、等)の施策に向いています。
このように、純広告を活用する場合はユーザーの閲覧目的に合わせたサイトを選定すると広告効果は高まると考えられます。併せて、クリエイティブ(デザイン)も閲覧目的に合わせたもの(機種押し・施策名押し)にすると、より高い広告効果が期待できるでしょう。
そしてもう一つ、重点を置きたい選定基準があります。それは、サイトの「質」という選定基準です。
サイトによってはアクセス数(PV)や訪問ユーザー数(UU)を公開していますが、その数値だけで選定してしまうと思うような広告効果が出ない可能性もあります。もちろん、アクセス数や訪問ユーザー数は重要な選定基準ではありますが、純広告を集客に活用する場合は、それ以上にサイトの質を見極める必要があります。
サイトが運営する公式SNSのコメントや外部が運営する掲示板などを見て、ポジティブな内容が多ければユーザー体験の質が高いサイトであると判断することができます。つまり、ユーザーからの信頼度が高いサイトであるため、広告の効果性も高い可能性があります。純広告を集客に活用する場合は、閲覧者の目的とサイトの質を見極めてから最適なサイトを選定することを推奨します。
純広告は、サイトによって価格面や条件面(配信期間や画像変更の可否など)がまったく異なってきます。配信エリアも都道府県別やエリア別で配信できるサイトがあれば、全国一律で配信というサイトもあります。基本的に価格で選ぶというよりは、条件面や配信エリアで自社に合うものを選定するほうが広告効果が高まると考えられます。
まずは、低予算から純広告を活用してみて、自社との相性を確認してみてはいかがでしょうか。
※『月刊アミューズメントジャパン』2024年3月号に掲載した記事を転載しました。